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INTERVIEW

Japanese

H△G × ORESAMA

2016年12月号掲載

H△G × ORESAMA

2016年10月に配信限定ベスト・アルバム第2弾『A Place in the Sun』をリリースした、2.5次元の歌姫Chiho+コンポーザー&クリエイター集団"H△G"と、渋谷を中心に活動する2人組"ORESAMA"がスプリット・アルバムをリリースする。H△Gはこれまで2組のアーティストとスプリット盤をリリースしており、今回も異色コラボが実現。今作はさらにポップに進化するH△Gと、80sディスコをエレクトロやファンク・ミュージックでリメイクした新しいダンス・ミュージックを作るORESAMAによる、相思相愛のポップ合戦とも言えるのではないだろうか。

H△G

ORESAMA

H△G:Chiho(Vo) Yuta(Gt)
ORESAMA:PON(Vo) KOJIMA(Prog/Gt)
インタビュアー:沖 さやこ

-今回のスプリット・アルバムをリリースする経緯とは?

KOJIMA:H△Gのことはもともと好きで知っていて、2年前に渋谷eggmanで競演したのが初対面でした。そのときは挨拶した程度だったんですけど、いい人そうだなぁと思いましたね(笑)。

Yuta:ORESAMAは僕らの地元である愛知県岡崎市には絶対にいないタイプのグループで(笑)。僕がこれまでに見たことがない形態で、聴いたことがない感じの音だったんです。最初はシンプルにすごくかっこいいなという印象でした。

Chiho:もともとORESAMAとH△Gのディレクターがすごく仲が良くて、お互いのイベントを観に行くようになったりと、繋がりを持つようになって。私は勝手に"次にスプリットを出すなら(相手は)ORESAMAがいいな"と内心では思っていたんです(笑)。

KOJIMA:H△Gがスプリットを出して、スプリット・ツアーをしているのは知っていたので、いいなぁと思っていたんです。そしたら実現して......やったー! と(笑)。スプリット・アルバムでは毎回必ずお互いの曲をカバーしてるじゃないですか。僕らはカバーというものをやったことがなかったので、それも楽しんでやりました。

PON:楽しかった! どう聴いてもらえるかはすごく不安だったけど(笑)。

-今回H△GはORESAMAの「オオカミハート」(Track.3)を、ORESAMAはH△Gの「少女たちの終わらない夜」(Track.6)をカバーしています。

Chiho:ORESAMAのマネージャーさんと、私たちのディレクターから"アレンジ対決だから!"と煽られたりもしていて(笑)。してやられたな、というアレンジに超びっくりでした。完全にORESAMAになってました(笑)。

Yuta:ね! びっくりした(笑)。自分が作ったメロディがああいう譜割りで乗っかるんだ......というのも新鮮すぎましたね。

KOJIMA:「少女たちの終わらない夜」をライヴで観たときにお客さんの熱がガッ! と上がった瞬間を見て、"この曲をカバーしたい、この曲で踊らせたい!"と思ったんです。もともとは収録されているのとは違うパターンを作ってたんですけど、プリプロ前にもっとできるな......と思って。"これはいいものができた!"と思えるまでは妥協できなかったんですよね。それでプリプロ中に作り直してPONちゃんに"やっぱりこれで歌い直して"とお願いして。

PON:「少女たちの終わらない夜」はずっと聴いていて、メロディも覚えていたんですけど、KOJIMA君がその場で作り替えたプリプロ音源を聴いたらメロも譜割りもリズムも変わっててパニックになりました(笑)。でもすごく良い仕上がりだったから"めっちゃいい!"ってテンション上がって。(歌の)録りはすごく楽しかったですね。

KOJIMA:ディスコ音楽が好きなので、そういうふうにはしたかったんですけど、僕の好きな四つ打ち曲のBPMは、だいたい125~133なんです。原曲はそれよりもちょっと速かったんですよね。

Yuta:そうですね。190あるから。

KOJIMA:ちょっとじゃないですね、だいぶ速かった(笑)。なんとか125~128に収められないかな......と思って、それにすごく苦戦したんですよね。原曲をそのままテンポ下げるとメロディがゆっくりになっちゃうし......と考えた結果、テンポを落としてメロのスピードを上げたんです。そしたら結果的にああいうものになって。だから原曲よりメロディは詰まってるんです。

PON:そうですね、だから譜割りも変わって。好きな曲だからこそ大胆なアレンジになったのかな。(KOJIMAの作ったアレンジから)そういう愛情が伝わってきました。

KOJIMA:僕はメロディを口ずさみながら曲を作るんですけど、「少女たちの終わらない夜」のカバー・アレンジを作ってるときも、原曲のメロディを口ずさみながら、そこにおかずとなるメロディを加えていって......どんどん新しいメロディになっていきました(笑)。

Chiho:そうなんだ、そんなふうに変形していったんだ。こうやってぶつかってきてくれるのは本当に嬉しい。一緒にやれて良かったです。

-H△Gの「オオカミハート」はORESAMAとコラボレーションするようなカバーになりましたね。

Yuta:H△Gは満場一致で"カバーするならこの曲でしょう!"という感じでした。僕も初めてORESAMAのライヴを観たときに、「オオカミハート」がすごく印象に残っていたんですよね。

Chiho:「オオカミハート」は私のほぼ毎日聴くプレイリストに入っていた曲で。だからお家で聴きながら自然とPONちゃんの真似をしちゃっていて、この曲をカバーすることを決めたあとは、そのリストから「オオカミハート」を外して聴かないようにして(笑)。"PONちゃんのモノマネは封印だ!"と思って、レコーディングに臨みました。H△Gらしさももちろん大事なんですけど、H△Gに振り切りすぎると重すぎちゃうから。だからこの曲の良さとH△Gらしさの間を探しました。

Yuta:最初の歌い出しもああいう感じじゃなかったから、結構ぎりぎりまで直しました。ORESAMAの「オオカミハート」が強いぶん、苦戦した部分は正直あったのかな(笑)。でも結果的にすごく納得いくものになって良かったなと思ってます。

KOJIMA:カバーしていただいたアレンジには、今のUSのポップっぽい雰囲気があって。あれは僕が「オオカミハート」を作った当時に成し得なかったというか、実力がなくてできないことだったんですよ。それをもっとグレードの高いところで具現化してもらってカバーしていただいて、嬉しくてしょうがなかったです。

Chiho:そうなんだ! それを聞いてほっとしました(笑)。