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INTERVIEW

Japanese

SHE'S

2016年10月号掲載

SHE'S

メンバー:井上 竜馬(Key/Vo)

インタビュアー:沖 さやこ

-Track.2「Stars」は、実は急遽収録されることになったんですよね?

そうなんですよ! ほんま大人の都合に振り回されました(笑)!

-ははは。大人の都合でTVドラマ"拝啓、民泊様。"のオープニング・テーマに決まって(笑)。ということは、「Stars」は比較的できたてほやほやということですか?

「Stars」を作ったのは8月20日、オケを録ったのが22日です(笑)。8月7日くらいに"実はタイアップが決まったから、そのための曲を書いてくれる?"と言われて、もともと骨格があったデモを使って曲を作って提出して。そしたら8月13、14日くらいに"もう1曲書いてくれない?"と言われて、ドラマの脚本を読んで歌詞を考えて、サビ始まりの曲もええんかな~と思いながらもう1曲書いたんです。それで、その曲のプリプロでうちの社長とディレクターにスタジオで聴いてもらったら、"こういうの書かない?"って全然タイプの違う曲を聴かせられて......。いつか埋めたろか! と思いながら(笑)、"30分だけ時間をください"と言って全員スタジオから出てもらってひとりでこもって、そのときに書いたのが「Stars」です。

-30分でできたというのもすごいですが、あの夏のスケジュールの中、約2週間で「Stars」含め3曲も作っていらっしゃったことにも驚きです。

"やればできる"ということもわかったし、この追われてる感じも楽しかったですね。だから「Stars」は、曲としてはそれほど大きな新しい挑戦はないんですよ。「Stars」が入ることによって、シングルの整合性や意味合いも"夜"できっちりとまとまったので、この曲が完成したときに"この曲が書けて良かったな"と思いました。

-「Stars」はフェリーに乗ったときに星を見たことがきっかけで書かれたそうですが、"夜"の解釈が「Tonight」とはまったく違う曲になりましたね。

"星の歌を書こう。でも星っぽくないサウンドにしよう"と思ったんです。星のサウンドスケープはやろうと思えば全然できるんですけど、それは世に出尽くしているので、イントロのシンセサイザーとかで流れ星感や宇宙チックな雰囲気を出して星を表現しました。あとは歌詞ですね。僕らが今までにやってきた音楽にディレクターの要望も加わって、歌詞としては脚本を読んだうえで僕の実体験をもとに書いた曲なので、ちゃんとした書き下ろしではないと言えばないかも。ちゃんと書き下ろそうと思ったんですけど、僕にはあんまり向いてなかったみたいで(笑)。

-(笑)井上さん色が強い歌詞なので、失礼な話、書き下ろしだと思わなくて。

ディレクターに"歌詞をドラマに寄せた方がいいんじゃない?"と言われて訂正されて、その歌詞が全然僕っぽくなかったのがすごく気持ち悪くて。僕の意地じゃないですけど......誰かに寄せる歌詞は書きたくないんです。"それやったら僕ら以外のアーティストに頼んでほしいし、作詞作曲:井上竜馬の名義なら僕の言葉でやらせてほしい"と言って。ドラマのカラーに合わせて変えた部分はあるんですけど、最終的には僕らしくまとまったかな。例えば"帰る場所がここにあるから"という歌詞は、民泊のお話のドラマだから入れたものなんですけど、僕らにとっての"帰る場所"は"ライヴハウス"であったり、メンバー4人の"友達"という関係であったり、ですね。ドラマを見てもらえるとそういうのがちょこちょこ見つけられるかなと思います。

-"未来"という言葉が今のSHE'Sにもぴったりです。あとは"憧れを越えて 一歩踏み出すなら/勇気より覚悟が大事だろう"という歌詞の背景が気になりました。

この歌詞は直球すぎて恥ずかしいのでほんまは入れたくなかったんですけど(笑)。僕は大学も辞めたし、就職を選ばずに、成功するかもわからん、成功してもそれが続くかわからんという、めちゃくちゃ不安定な音楽の道を選んでいるので、メジャー・デビューのタイミングで小中学校や高校の友達に"ようここまで辿り着いたな"、"めっちゃ勇気がいったんちゃう?"と言われることが多かったんですよ。そのときに、"勇気よりは覚悟が大事やったな"と思ったんですよね。勇気は自分を奮い立たせる要素であっても、勇気というものに芯が通ってるようには感じられなくて。でも覚悟には、"何を犠牲にしても掴み取る"という意志の強さがある。そういうつもりで僕は音楽を選んだし、バンド・メンバーと話し合ったし。そのとき思ったことをそのまんま書いた、という感じですね。

-Track.3「Isolation」はSHE'Sのハードな面が出ている曲ですが、怒りの要素が強く出ているような。

SHE'SのYouTubeに上がっている音源は柔らかい曲が多いので、そういうイメージが強いんですよね。でも、僕たちはロック・バンドでありたいし、ロックな曲もあるから、絶対に1曲はCDにそういう曲を入れたくて。そのサウンドに合わせて、歌詞には抱えていた不満や憤りを書きました。......社会には正しさを曲げられる瞬間があって、社会に属していない僕でもそういう局面を感じることがあるんです。それは問題じゃないのか? それに麻痺して当たり前やと思っている奴らもどうなんかなと。正義や正解は無数にあるじゃないですか。それを曲げられること、抗えないことはいっぱいあるけど、他人に曲げられても自分では曲げるな。まっすぐ持っておけよ! という想いで書きました。サウンドメイキングも静と動を意識して、"いつものロックな感じで攻めて"とメンバーに言って。だから、メンバーそれぞれが通ってきた道が音にも出てるかなと思います。「Isolation」は全員が船長みたいですよね(笑)。

-そうですね(笑)。シングル・リリース間近でありながら、SHE'Sは夏からまた新たにレコーディングされていて。そちらは順調ですか?

順調ですね。オケは録ったので、歌入れを終えたらまた曲作りに入ります。いつ曲が書けなくなるかわからないから、書けるうちは書いて、いろいろストックして。作れなくなっても作れって言われる環境ですからね(笑)! やっぱりそれがメジャーやし、好きという気持ちだけで音楽をやっている立場ではないから。1年後には、"もうアルバムを作れるだけ曲がありまーす!"と言えるくらい曲をストックしていたいですね(笑)。

-でも、「Stars」のタイアップのタイム感然り、計画どおりにいかないのがメジャーでの活動というもので(笑)。

そうですね。あれはほんまメジャー感ありましたもん(笑)! そういうことすら楽しんでいけたらなと思います。