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INTERVIEW

Overseas

GREEN DAY

2016年10月号掲載

GREEN DAY

Member:Billie Joe Armstrong(Vo/Gt)

Interviewer:鈴木 美穂


"社会のメイン・ストリームとは離れた何かを一緒に創造しよう"っていうことなんだ


-では、"僕は革命を起こしたい"っていう歌詞は、ファンと一緒に革命を起こしたいっていう気持ちがあるわけですか?

文字どおり"革命を起こしたい"っていう意味で言ってるんじゃないんだ。文字どおりに解釈する人もいると思うけど、"社会のメイン・ストリームとは離れた何かを一緒に創造しよう"っていうことなんだよ。その人を落ち込ませるようないろいろな状況を一緒に乗り越えようっていう意味なんだ。

-ファーガソン事件のプロテストに参加したことで、今作は前作よりも政治的な歌詞を多く書きたいと思ったのでしょうか? 以前、"政治的な歌詞を書きすぎると自分に手錠をかけてるような気分になるんだよね"とおっしゃっていましたが。

前作では、本当に時事的な内容からは離れたいと思ってたんだ。それでも「99 Revolutions」(『¡Tré!』収録曲)を書いて。あの曲の視点で歌うのは本当に楽なことだったんだよ。それがこのアルバムの歌詞を書くときに、引き続き影響したんじゃないかな。なんていうか、これが俺なんだよね。政治的というか、世界で起こっていることについて書くときも、ラヴ・ソングを書くときと同じ場所から生まれる必要があるんだ。そうでないと、ただ吐き出しているような歌詞にしかならない。俺にとっては、インスピレーションから生まれる歌詞であることが必要なんだ。そうでないと、教科書みたいな歌になる。そんな歌は歌いたくないからね。

-SNSについて触れている歌詞もありますが、私はあなたのInstagramを見ているのが好きです。現在のソーシャル・メディアについてはどう思っていますか?

この4年間でSNSは激変したよ。前作3枚を出して以来、特にね。今作からの1stシングル『Bang Bang』のリリースについてInstagramにアップして、10日後にシングルが出たら大熱狂が起こってて、すごく面白かったんだ。でも不意をつかれた感じでもあって、すごく嬉しいことだったのに、すごすぎてパニックになっちゃうような感じだった。被害妄想みたいなね。被害妄想を感じる理由なんか何もないのにさ。でも、今のSNSって、そういうものなんだよ。

-どの曲も素晴らしいですが、Track.7「Still Breathing」がこのアルバムの中で一番私の胸に刺さった曲です。今、あなたが生きていてくれること、あなただけでなく、GREEN DAYが結成して30年経った今でも活動を続けてくれていることに、すごく感謝の気持ちが湧いてきました。この曲を書いたとき、何を思っていましたか?

この曲はサバイバルを歌った曲なんだ。人生で苦難にあった人や、ドラッグ中毒だったり、離婚家庭に育ったり、兵役を終えて家に戻った人だったり、何かを乗り越えたという共通項がある人たちは、その経験のあとでより生きている実感を覚えるんじゃないかと思う。それに伴って湧いてくる感情があるんだよ。

-私はPRINCE(※2016年4月に逝去)の大ファンだったんですが、彼が亡くなったあと、あなたがInstagramでPRINCEの写真と彼についてのコメントをしてくれていて嬉しかったです。今作の制作中に、彼の死について考えたりしましたか?

PRINCEについて書いた歌詞はないけど、このアルバムの「Somewhere Now」(Track.1)の一節に、"俺たちは常に3人まとまって死ぬ"っていうアメリカでよく知られてることわざを使ってて、人が死ぬときはいつも3人一緒に逝くっていう意味なんだ。この1年で、たくさんのアーティストが亡くなった。

-亡くなりすぎです。

亡くなりすぎだよね。俺がPRINCEから学んだことがあるとしたら、自分自身のやり方でやるってこと、思慮深くなること、創造的になること、オリジナルでいること、だね。

-真にオリジナルでしたね。GREEN DAYも本当にオリジナルですからね。

うん。あと、チビでもいいってことも学んだよ(笑)。

-(笑)そうですね。

"チビ同士団結しましょう"って。

-でも彼のようにヒールの靴は履いてないですね(笑)。

そう、厚底靴だけだよ(笑)。