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INTERVIEW

Japanese

ベイビーレイズJAPAN

2016年10月号掲載

ベイビーレイズJAPAN

Member:大矢 梨華子 傳谷 英里香 林 愛夏 高見 奈央 渡邊 璃生

Interviewer:沖 さやこ

"デビューから2年後までに日本武道館公演ができなければ解散"という公約のもとに行った、2014年12月の日本武道館でのワンマン・ライヴ、ひとつの大きな目標を乗り越えたあと急遽訪れた改名――1stフル・アルバム『自虎紹介』からの約2年間は、ベイビーレイズJAPANにとって怒濤とも言うべき期間だっただろう。今作『ニッポンChu!Chu!Chu!』は、彼女たちの2年間を凝縮したような、非常にエネルギッシュなアルバムだ。どんな困難にも真っ向から立ち向かい、自分たちを更新し続けるという高いポテンシャルを持つ彼女たちの生き様こそ、 "EMOTIONAL IDOROCK"なのではないだろうか。

-今年の夏は"JAPAN EXPO 2016"に出演するなど、グループとして大きな経験がたくさん得られたかと思いますが、いかがでしょうか?

傳谷:今年の夏は今まで以上に気合いが入った夏になりました。"今日のステージはこういうお客さんでこういう環境だから、こういうアプローチにしよう"とか、"どこに向けて歌う?"とか、ステージひとつひとつで"こういうライヴをしたい"というテーマを全員で話し合って臨むことができました。だから1回1回で最高を更新する、熱いライヴができたと思います。

大矢:毎年夏にはたくさんライヴをやらせていただいていて。その中でも、今年の夏は"今ベイビーレイズJAPANのライヴが観たい!"と思ってくださっている方がこれまで以上に多かったので、仲間が増えるチャンスだなと思いました。だから、どのライヴでも"観てくださる方々の期待値を超えていこう、確実に(観客の心を)掴んでいこう!"という気持ちでした。期待値は毎回超えていかなければいけないので、私個人としては"ここはもっといいものができたな"と泣きそうになるくらい悔しい想いをしたライヴもあって――そういう経験はこの夏が初めてでした。そのぶん強くなれたんじゃないかなと思います。

林:夏は私たちアイドルを含めアーティストに一番スポットが当たる季節だと思うので、今年の夏も"勝負だ!"という気持ちで臨みました。"JAPAN EXPO"や"TOKYO IDOL FESTIVAL"みたいな、本当にたくさんのお客さんがいる場所で、自分たちが成長できる機会をたくさんいただけて。......でも、私たちの夏のゴールは10月の"EMOTIONAL IDOROCK FES."(※ベイビーレイズJAPAN が10月6~9日の4日間69時間に渡り新宿ReNYにて開催する主催フェス)なので、まだ夏の途中なんです(笑)。ベイビーレイズJAPANというチームがさらに成長できるように、いろんなものを吸収していきたいです。

高見:個人的に10代最後の夏だったので、"次の日も絶対楽しまなきゃ!"とギラギラしてました(笑)。家に帰ったら栄養補給をしつつすぐに寝て体力を温存して、次の日もライヴに全力を注ぐというサイクルだったので、1日1日がすごく早く過ぎ去っていきました。今年の夏は寝るのが早かったです(笑)。

渡邊:たくさんのイベント出演やレコーディングがあったんですけど、計画的にお休みもいただけたので、すごく健康的に過ごせたかなと思います。誰かが倒れちゃったり、救急車で運ばれちゃったりすることもなかったので――ちょっと危なかったメンバーはいたんですけど。

-えっ......? たしかに真昼の野外なんて、立っているだけでも暑すぎてつらいですものね。

傳谷:肘とか、変なところから汗が噴き出してました(笑)。短い時間ですべてをそこに捧げるから、みんな"白い光が見えた"、"川が見えた"、"死んだおじいちゃんが見えた"とか......本当に倒れる寸前のところまでいきました。でもその経験があって、"EMOTIONAL IDOROCK FES."もいけるな、という自信にもなったんです。

-りおトン(渡邊)は大丈夫でした? おじいちゃんが見えませんでしたか?

渡邊:見えませんでした。ひいおじいちゃんまで生きているので(笑)。

高見:さすが、りおトンは若いからね(※渡邊は2000年生まれ)。ひいおじいちゃん、会場にいたかもよ?

傳谷:普通に観に来てくれてたって意味でね(笑)。


絶対にブレーキをかけないで、常にアクセルを踏んで走り続けたい


-(笑)今作『ニッポンChu!Chu!Chu!』はアルバムとしては2年ぶりで、ベイビーレイズJAPAN名義としては初のフル・アルバムです。この2年は日本武道館公演を行い、"ベイビーレイズ"から"ベイビーレイズJAPAN"に改名するなど激動だったかと思いますが、2年前と現在で自分たちが最も変わったと思うところとは?

大矢:一番変わったのはグループ名かな(笑)? あと、まなっちゃん(林)が金髪になった! 秋にはメンバーの5人中、4人が成人するし......。

傳谷:もう......それによって何が変わったかを答えなきゃ(笑)。まず、ベイビーレイズJAPANとベイビーレイズでは歌う内容が変わったと思います。ベイビーレイズでは"もがけ"、"ぶっ壊せ"や"負けるなベイビーレイズ"みたいな、自分たちに向けた歌が多かったんです。でも、改名してからは"勇気"、"笑顔"、"夢"、"頑張っている人"をテーマに、"私たちと一緒に手を取り合って頑張りましょう!"というメッセージ性が強い楽曲になりました。セットリストも自分たちで考えて、演出にも関わるようになったし、自分たちでライヴの土台を作るようになったからこそ、表現すべてに思い入れが強くなって、どんどん感情的になって......。ようやく"EMOTIONAL IDOROCK"という自分たちの指針に追いついた感覚もあります。改名して最初にできた曲でもある「夜明けBrand New Days」(Track.11)は場所によっても自分たちの気持ちによっても全然違う曲に変わるので、今年は"EMOTIONAL IDOROCK"を見せつけられている年でもあるのかな、と思います。

高見:私は自分たちの自由度が増したと思います。2年前はメンバー全員10代だったから、自分たちから提案したとしても、(スタッフ・チームに)ストッパーをかけられてたりして。でも、最近は私たちの提案に対して"なんで?"と聞き返してくれるし、私たちもそれに対して理由を答えられるようになってきて。それは大きな成長だと思います。

大矢:この2年でいろんな音楽を聴いて、いろんなライヴに行くようになりました。たくさん吸収して自分なりにそれを噛み砕いて、その身体で自分たちの楽曲をパフォーマンスすると、さらに"こういう表現の仕方があるな"という発見がありました。インプットすればするほど表現方法が増えていったので、1stフル・アルバム(2014年リリースの『自虎紹介』)と今回のアルバムを比べてもらえるとわかっていただけるかなと思います。2年前の自分ではできなかったことをたくさんやっていきたいです。

渡邊:活動を続けているうちに見るものも変わってきて、それぞれに"こういうものに挑戦してみたいな"というものが生まれて。それを実際、挑戦できるようになってきたというか。

林:ベイビーレイズのときよりも、情報量や経験値が――もしかしたら前と同じ量なのかもしれないけど、自分自身が変わったからなのか膨大な量な気がしていて。時間の経過もあって、前よりもいろんなものが見えるようになりました。完成されてはいないし、一生完成しないと思うんですけど、2年前はできなかったパフォーマンスができるようになっている実感はあって。日々いろんな人を驚かせていきたい気持ちもあるので、絶対にブレーキをかけないで、常にアクセルを踏んで走り続けたいなと思います。

-『ニッポンChu!Chu!Chu!』はどのようなアルバムにしようと?

傳谷:ベイビーレイズJAPANに改名したこと、("JAPAN EXPO 2016"で)フランスに行って初めての海外公演を行ったこと、あとはオリンピックの開催もあったので、ベイビーレイズJAPANの持つテーマでもある"勇気"に基づいて、"日本を応援したい、日本を明るくしたい"というコンセプトと、"私たちも日本を代表するグループになりたい"という想いとで、"日本"に特化したアルバムになっています。

-Track.1「Ride On IDOROCK」の作詞作曲が、これまでに様々なアイドルの楽曲を手掛けている前山田健一(ヒャダイン)さんで。ヒャダインさんとは今回が初タッグなんですよね。

傳谷:そうです。ついに!! という気持ちでした。ヒャダインさんとタッグを組める嬉しさと、どんな化学反応が起こるんだろうというドキドキがありました。曲を作っていただく前に、ヒャダインさんとメンバーひとりひとりで面談をしたんです。"大矢さんはどういう子?"と聞かれて、メンバーそれぞれの個性を話していく......というのを繰り返して。この1曲だけで、"ベイビーレイズJAPANとはなんぞや"も"メンバーはこういう子"もわかる曲に仕上げてもらって。やっぱりすごいな! と思いました。