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INTERVIEW

Japanese

MAGIC OF LiFE × SHE'S × Shout it Out

2016年09月号掲載

MAGIC OF LiFE × SHE'S × Shout it Out

MAGIC OF LiFE:高津戸 信幸(Vo/Gt)
SHE'S:井上 竜馬(Key/Vo)
Shout it Out:山内 彰馬(Vo/Gt)
インタビュアー:沖 さやこ

-ありがとうございます。ではライヴについてのお話も聞きたいのですが、フェスやサーキット・イベント、ワンマンやツーマンが盛んな今日この頃、"HAMMER EGG"のようにライヴハウスに3、4組が出演するイベントの良さとは?

高津戸:シャリラ(Shout it Out)と初めて対バンしたのはRhythmic Toy Worldの九州ツアー(※2016年7月24日に開催された"「HEY!」の「HEY!」による「HEY!」の為のツアー"大分club SPOT公演)なんですけど、バンドが3、4組くらい出演してて、青春そのものだなって。最近は結構ワンマンが多かったのもあって、すごく楽しかったし、いろいろと刺激にもなりました。3、4組だと一番仲良くなれるかも。

山内:それくらいの規模やと、お客さんからもバンド同士の関係性は見えやすいですよね。ツーマンは対決感があるけど、3、4組くらいやとやってる側も観てる側も楽しいし、ちょうどいい。出番が最初の方やとそのあとのライヴを観て悔しくなって、出番が最後の方やと燃えます(笑)。

井上:それ、わかるわ~(笑)。やってる側も観てる側も刺激があるし、出会いも生まれる組み合わせなんかな、とライヴをしていて思います。ワンマンは自分たちのお客さんしかいないから、悪い意味でちょっと甘えちゃう部分もあると思うんですよね。僕もそういうライヴをしちゃったこともあったし。でもツーマン以上の対バンをやると、ライヴを観て"うわ! 負けたらいかん!"と思う。それを積み重ねていくことで、演者としてキュッと引き締まる。お客さんも目当てのバンドを観に行って、対バンでその人の"好き"が増えるのはすごくいいことだと思います。

-各々がライヴで重んじていることとは?

山内:やっぱり"歌詞もMCも言葉"ですね。それはライヴだけでなく、曲を作るときからメンバー全員の共通意識として持ってます。全員がしっかり"言葉を伝える"という意識で演奏をする。それはSHE'SのライヴにもMAGIC OF LiFEのライヴにも感じています。だから"HAMMER EGG vol.4"はそういうものが見えて面白くなるだろうなと思います。

井上:(山内)彰馬の言うとおり"言葉を伝える"ということは歌やメロディを大切にしたバンドを組んだうえで意識してるんですけど、ここ1年くらいのライヴの場で気づいたのは"大袈裟に言わないと伝わらんな"ということです。言ってるつもりでも、思ったほど伝わってないことがすごく多かったんですよね。だから大袈裟に自分を出さないと伝わらへんし、"この曲のここを伝えたい!"と思ったら、パフォーマンスも含めそこに全身全霊を込める。そういうことを考えながらライヴをしていますね。

高津戸:僕は来てくださったオーディエンスのみなさんの顔を見ることが一番かなぁ。喜んでくれてたり、感動してくれてるのを見て僕らも高揚する。だからお客さんを見るというのを大切にしていますね。

-最近、SHE'SとShout it Outは先輩バンドと対バンをする機会が多いように見受けられますが、先輩から受ける刺激はどういうものがありますか?

山内:先輩たちと対バンしすぎて満身創痍です(笑)。先輩たちのライヴがめちゃくちゃ楽しいんですよ。最初は先輩から学べそうなものを学ぼう、奪えそうなものは奪おうと思ってライヴを観るんですけど、観ているうちに手とか上げちゃったりして、"あ、俺、普通に楽しんでる! 悔しい!"って......(笑)。ということは、そのバンドは興味のないお客さんも引き込む力を持っている人たちなんですよね。キャリアだけではないと思うんですけど、そういう力を持っている人は言葉も音楽も重みが違うんですよ。そこに圧倒的な差を感じて悔しいし、頑張ろ!と思いますね。SHE'SもMAGIC OF LiFEも音楽そのものに"歌"を感じる。"歌はひとりで歌うものじゃない、バンド全体で歌うものなんだ"という意識を持てたのは先輩の背中を見続けてきたからだと思います。

井上:ここ1週間(※取材日は7月29日)で先輩3バンド(cinema staff、雨のパレード、GLIM SPANKY)を呼んで東名阪ツアーを回ったんですけど、出番ギリギリまで先輩のライヴをずっと観ながら、自分たちはここから何を吸収できるのか?を考えて、悔しいも楽しいもいっぱいありました。勉強するつもりで観てるけど結局身体は揺れちゃうし。先輩からはマジで学ぶことしかないから、先輩と対バンできるようになった今のタイミングはほんま大事やなと思います。

高津戸:みんな真面目だね! こんなにいい音楽やってて、こんなにいい子たちだなんて、全然ふたりのこと嫌いになれないよ(笑)。

-ははは。Shout it Outは今、DIRTY OLD MENが初の全国流通盤をリリースしたころと同世代。SHE'Sは今、DIRTY OLD MENがメジャー・デビューをしたタイミングと同世代だと思います。高津戸さん、山内さんと井上さんは当時のご自分と比べていかがでしょう。

高津戸:いや~、シャリラもSHE'Sもすごいクオリティですよ! 昔の僕は自分に自信がなくておどおどしてたし、先輩のライヴを観るときもずっと"盗むところは盗む"と思って睨んでたし楽しめなかった。それなのに、ふたりはこんなに素直で純粋でいい子たちで......。僕ももっと素直に生きてればよかったなと思います(笑)。でも、ふたりの歌詞を読んでいて、当時の自分と重なるところもたくさん感じましたね。今を生きるとか、自分に自信もないし弱いけど前に進んでいくとか......。僕もそういう歌詞を書いていたし、今も書いていると思う。