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INTERVIEW

Japanese

ザ・チャレンジ × ヤバイTシャツ屋さん

2016年07月号掲載

ザ・チャレンジ × ヤバイTシャツ屋さん

ザ・チャレンジ:沢田チャレンジ(Vo/Center)
ヤバイTシャツ屋さん:こやま(Gt/Vo) しばたありぼぼ(Ba/Vo)
インタビュアー:沖 さやこ Photo by 新倉 映見

-TOKYO CALLINGはEggs経由でどんなバンドもエントリーできるので、ここから話題を集める若手も出てくる可能性があります。どうやら現段階(※取材日は6月18日)でも1,000アーティストの応募があるそうです。

沢田:TOKYO CALLINGからスタートする、という形ができるのも面白いですよね。東京でバンドを始めるとなると、ライヴハウスからスタートするんですけど、お客さん的には"ライヴハウスのブッキング・ライヴで当たり外れがあるなら、サーキット・イベントの方がお得"と思っちゃう傾向にあるし......。そういう時代にブッキング・ライヴで半年から1年活動してても、なかなかお客さんを増やすことができない。そうなると、次のステップにどうやって行ったらいいのかわからない。だからオーディションを受けたり、フェスの公募枠に応募するしか手段がなくなってくるんですよね。東京は関西みたいにイベントでステップ・アップするのが難しいのかもしれない。

こやま:東京は人がいっぱいおるんで、埋もれそう。

沢田:東京は今までライヴハウス単位で盛り上がりを作ってたんですよ。そのライヴハウスから5バンドくらいが同時に世の中に出ていって、シーンのようなものになっていたんだけど、今はそれが減ってるんですよね。だから、TOKYO CALLINGに出ることが東京の若いバンドの世に出るための最初の目標になるのはいいことですよね。

-ではお互いのライヴ観についてうかがいたいと思います。ザ・チャレンジもヤバイTシャツ屋さんも笑いが止まらなくなるほど楽しくて熱いパフォーマンスが人気ですが、ライヴで大事にしていることとは?

沢田:僕は誰も置いていきたくないなというのが一番にあるんです。でも、バンドはどうしても、何度もライヴを観てくれる人に向けてライヴをしてしまいがちなんですよね。だから、"この空間には初めて観てくれてる人が必ずいるんだ!"ということは忘れないようにしています。バンドとして大切にしてる部分を端折ったり、ライヴすることに慣れてしまうのはいけないなと気をつけてますね。サーキット・イベントはそういうことに特に気をつけるし、それはワンマンも同じです。

しばた:自己満足で終わらないようにしています。絶対にお客さんに向けて、お客さんが楽しめるように演奏するというのはすごく意識しながらやっています。

こやま:沢田さんの言うてはった"置いていかない"って大事やなと思う。"楽しい"を突き詰めていったら感動すると思うんです。たまにあるんですよ、いつもどおり"楽しい"だけでライヴしてるのに感動するときが。だから、楽しいことを突き詰めていったらいいのかなって。......いいこと言いました(笑)!

沢田:すっごく興味があるんですけど、ヤバTはライヴで自分たちが楽しみたい気持ち、あります? 楽しませることにストイックだし、親切だし。

こやま:いろんなタイプの人がいると思うんですけど、僕らは楽しくなかったらバンドを辞めてるので、(自分たちが楽しみたい気持ちは)めっちゃあります。まず楽しみたい、そのうえで楽しんでもらいたい。楽しんでもらえないと自分たちが楽しくない(笑)。沢田さんはその点どうです?

沢田:自分に負荷がかかってもお客さんが楽しんでくれれば、最終的にそれが自分の喜びになるんですよね。人に必要とされたい(笑)。だから楽しんでほしくてやってますね。自分だけが楽しければいいという気持ちはまったくない。

こやま:ライヴで伝えたいことはありますか?

沢田:それはわざわざ言わなくても、ザ・チャレンジや沢田チャレンジを見て感じてもらえればいいかなと思ってますね。"あ、この人こんなに頑張って私のこと楽しませようとしてる......"とか、"息切れてるけど大丈夫かな?"とか(笑)、そういうところで何かを感じてもらって、みんなの日常の糧になってくれたら。僕は現実を楽しくするためにロックがあるといいなと思っているので、ライヴは現実逃避の場ではなく、日常を良くするきっかけになってほしいんですよね。

こやま:なるほどー。

-ヤバTはどうですか?

こやま:僕ら、そういうことなんも考えてないんですよ。これ言うと結構叩かれるんですけど、今もサークル感覚なんですよね。でもサークルは音楽を楽しむのに一番適してる環境やと思っていて。サークルでやってるバンドは売れようとしてないし、お金のこと考えてへんし。そのやり方で(プロのフィールドで)ライヴしてるバンドがいても別にいいんちゃうかなと思っていて(笑)。そのノリのままずっとできてるのが、今は楽しいです。

沢田:そういうのいいですよね。"楽しくなくなったら明日辞めてもいいや"みたいな気持ちというか。音楽でメシを食っていこうと考えると、やりたくないことや、やらなきゃいけないことも増えてくるし。ヤバTのそういう姿勢はロックだし、誠実だなと思う。僕も楽しんで音楽をやっていきたいですね。......やっぱりね、これからはますますライヴがいいバンドが生き残る時代だと思うんです。だからTOKYO CALLINGはすごく楽しみですね。

-では最後に、TOKYO CALLINGに期待すること、望むことを教えていただけますか。

沢田:"そんな人まで出るの!?"という人が出てくれたらいいですよね。"(新宿)LOFTに布袋(寅泰)さんが出るんだ!?"とか、そういうのがあると若手には夢があるなと思うし。1年で終わらずに、10年後まで続くイベントであってほしいです。

こやま:1年で終わらずに、10年後まで続くイベントであってほしいです。

沢田:俺と同じこと言ってんじゃん(笑)! お前先輩のことバカにしてるな!

こやま:ははは! ほんまにずっと続いてほしいと思ってます。僕らは見放題がターニング・ポイントやったんで、東京にとっての見放題みたいな存在になってほしい。

沢田:あぁ、そうだね。今でこそヤバTも東京でライヴしてるけど、1年前は東京で観られる機会なんてほとんどなかったし。全国の頑張ってるバンドが東京に集結するイベントになったらいいな。