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INTERVIEW

Japanese

fhána

2016年08月号掲載

fhána

メンバー:佐藤 純一(Key/Cho) yuxuki waga(Gt) kevin mitsunaga(PC/Sampler) towana(Vo)

インタビュアー:吉羽 さおり

-歌詞はお馴染みの林英樹さんですが、アニメ主題歌ということと、fhánaとしてのメッセージというのは今回も重視しているんでしょうか。

佐藤:基本はアニメのための曲でもあるので、物語に寄り添いながら、同時に今のfhánaの状況や言いたいことをアニメの物語にもインスパイアされつつ反映していくといういつものスタイルです。アルバム制作中に作った最初のデモには、歌詞がなくて。歌詞を書いて歌を録ったのは、アルバム発売後のツアーの最中だったんです。ちょうどfhánaともリンクした歌詞になりましたね。歌詞の"旅の途中"というのは、アニメの主人公たちの旅の途中でもあるし、fhánaというバンドの旅の途中でもある。2ndアルバム『What a Wonderful World Line』のテーマは、"生きてることに意味はないから自分自身で意味を見いだそう"とか、"この世界は灰色だから自分で色彩を与えよう"とか、虚無感から始まって最終的にポジティヴな"希望"というところに落ち着くんですけど、そんなテーマからも繋がっていて。fhánaの使命としては、これからも音楽を作り続けてライヴでも演奏し続けていく――それは大変なことではあるけれど、今の自分たちのいるこの場所は、自分たちの手で掴んだものなので、これからもともに頑張っていこうというようなことですね。

-やはりバンドの状況とシンクロしていて、より重みのあるものになっていますね。2ndアルバムのときは、疲れたとか、疲弊感があってということをインタビューでも語っていましたが、リリースとツアーを経て、今はまた違ったベクトルにも向かっているところがありますか?

佐藤:まぁでも、僕は基本的に疲れているんですけどね(笑)。ただ今回のアルバムのツアー、特に追加公演(※6月4日に開催されたZepp DiverCity TOKYO公演)にすごく手応えがあったんです。自分でもライヴをしながら、"今日はいいライヴだな"と思えたんですよね。そのライヴの時間に魔法がかかってる感じがしたっていうか、今、特別な時間が流れてるぞっていう。デビューしてから今までそれなりに、ライヴ・バンドとまではいかないですけど、そこそこライヴをやってきて。初めてに近いくらい、ちゃんといいと思えたライヴができたんですよね。そういういいライヴは、自分たちだけの力ではなく、そのタイミングやお客さんなど、今までのもの全部が積み重なってできているんです。今はそのツアーが終わって、しばらく腑抜けになって、復活してきたところですけど(笑)。

-みなさんは、ツアーの手応えはどうでしたか?

yuxuki:ライヴ自体も良かったし、ツアーをやって得るものは多かったなと思いますね。まだまだですけど、やりたいライヴができるようになってきたなという感じがします。

-今fhánaとして、ライヴで魅せたいところ、大事にしていることっていうのはどんなことなんですか?

yuxuki:いろいろな曲があって、それぞれメッセージ性も強いので、それはちゃんと伝えられればと思いますね。ただ盛り上げればいいっていうものでもないし。曲の中にみんなで入り込む、そういう空間になればいいなと。

佐藤:例えば映画は、すべての要素が合わさって、そのバランスで成り立ってるものじゃないですか。ライヴも同じように、演奏や照明、その空間も含めた総合的なものだから。fhánaの"音楽を共有する"という感じが一番大事なんじゃないかなと思っていて、それがこの間の追加公演でもできたので。演奏面だと、あそこ間違えたなとか細かくありますけど、特別な空気になったのはお客さんと感覚を共有できたからなんじゃないかなと思います。パッと見は、最初のツアーの方が盛り上がってるように見えるかもしれない。でもそれはfhánaの音楽、fhánaという物語や世界観を共有しているというよりは、好きな曲が流れて単純に盛り上がるみたいな側面が大きかったと思うんです。でもわりと今回は、じっくりと聴いてくれてるお客さんが多くて、盛り上がっているけれど、音楽に込められた思いも共有できてたなと思います。

-fhánaの世界観が好きで、みんなライヴに足を運んでくれていると?

佐藤:どういうふうに盛り上がってくれてもいいんですけどね。実際ライヴに来て、世界に浸って、もっと深く好きになってくれたらいいなと思うんです。

-こうしてライヴを重ねてきても、いざ新たな曲や作品を作るとなったとき、決してライヴのノリ的なところに落とし込んでない感じがありますよね。作品は作品としてパッケージするという思いが強いような気がします。そこはfhánaとしてもこだわりがありますか?

yuxuki:逆に、作り込んだ曲をいい意味でライヴでぶっ壊していった方がインパクトがあると思うんですね。最初からライヴっぽい作りにしちゃうと、そこで終わっちゃうんですけど。こうきたかっていう驚きが欲しいなと思うんです。

-そして今回のシングルには、アーティスト盤とアニメ盤の2パターンがあって、カップリングの収録曲に違いがあります。まずアーティスト盤のカップリングには、2ndアルバム『What a Wonderful World Line』に収録されていた「Relief」の日本語バージョン(Track.2)が入っています。アルバムに入っている英語バージョンは、最初に日本語詞があってそれを英語詞にしたものだということでしたが、今回の日本語バージョンは、その最初にあった日本語詞なんですか?

佐藤:そうと言えばそうなんですけど、実はこれには3段階くらいあって。まず最初に、メロディの数と言葉が一致してないけれど、日本語の歌詞を林君が作って。その内容を理解してもらって改めて英語詞を作ったのがもともとアルバムに入っていた英語バージョンの「Relief」で。それを踏まえて、日本語詞にしたのが今回のバージョンなんです。

-なぜ今回また改めて、日本語詞で出すことになったんですか?

佐藤:アルバムに英語詞の曲を入れたいという話をしていた時点で、海外のお客さんを含めて、サウンド的にもtowanaのヴォーカル的にも新しいものを見せていきたいというのがあって。もともとプロデューサーとは、日本語バージョンも公開しようという話をしていたんです。あとは、英語の曲をアルバムで出したらファンの方の反響が結構大きくて。最初は対訳を公開していなかったんですが、頑張って日本語に訳してくれるファンの子がいたり、日本語バージョンを聴きたいという声もあって。求められて作っている感じもあるし、英語、日本語とふたつのバージョンがあるというのもいいかなと。