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INTERVIEW

Japanese

BLUE ENCOUNT

2016年07月号掲載

BLUE ENCOUNT

メンバー:田邊 駿一(Vo/Gt) 江口 雄也(Gt) 辻村 勇太(Ba) 高村 佳秀(Dr)

インタビュアー:石角 友香

"だいじょうぶ"――勇気づけられる言葉でもあるし、シングルのタイトルやテーマにするにはデリケートな言葉でもある。だが、2016年のBLUE ENCOUNTが心の底から発するのはこの言葉しかなかったんじゃないだろうか。しかも、弱い自分を鼓舞するためじゃなく、ここまで共に歩いてきたファンや、新たにその仲間に加わったあらゆるファンに向けての包容力のある"だいじょうぶ"。それに加え、細胞の隅々に行き渡る言葉をある種、原点回帰的なファストなナンバーで走りきる彼ららしいバンドの矜持。目下、ツアー中の4人に心境を訊いた。

-今回のシングルの表題曲「だいじょうぶ」(Track.1)は武道館(※2016年10月9日に開催する初の日本武道館公演"LIVER'S 武道館")に向けての意識が大きいんですか?

高村:"武道館公演のテーマ・ソング"が裏テーマだったので、"武道館に来てくれたみんなと一緒になって歌いたい"という思いは強くありました。で、それを目標に作った曲ではありましたね。

-制作したのはいつごろだったんですか?

田邊:『Survivor』(2016年3月にリリースしたメジャー4thシングル)をリリースしたときぐらいで、その前後で新曲をいろいろ作っていたんです。その新曲を作ってたときに、"やっぱり武道館でみんなで歌うテーマ・ソング的なものは絶対欲しいよな"と思って。で、僕らの中では『はじまり』(2016年1月にリリースしたメジャー3rdシングル)と『Survivor』を出させてもらって、改めて"BLUE ENCOUNTとは何か?"ということを考えて、それを1曲として表したかったので、3月中は曲を作り続けてましたね。

-こんなことは絶対ありえないんですけど、武道館に入ったらもうこの曲が流れていそうな(笑)、ウェルカム・ソング的なイメージもあって。

一同:(笑)

-そして"だいじょうぶ"というタイトルや歌詞も決まってたものだと思うんですが、4月に熊本地震が起こって意味合いが濃くなった印象がありました。

田邊:この曲を録る前日に地震が起きたんですよ。曲自体は2年前からあって、歌詞は今年の3月末~4月頭くらいに完成させてたんです。だから本当に、"あぁ、熊本に生まれたのは運命なんだな"とすごく思いました。レコーディングすることは、何度も"やめようか?"って話し合ってたんですけど、僕たちは音楽しかない4人組だし。それこそ東日本大震災のときに東京で活動してて、周りのアーティストさんがいろんな行動を起こしてる中、"俺らもなんかやろう"って探したんですけど、全然何もできなくて。"やっても誰かに届くのかな?"みたいな感じだったんです。自分の体裁ばっかりを気にしてて、すごく足踏みをしていた時期だったので。それに、そのときはバンドの状態も全然良くなかったんです。で、今回、自分たちの大事なシングルを出す前後で、地元で未曾有の災害が起きて、そんな中で改めて自分たちの"バンドとしての生き方"を考え直すきっかけになったなとすごく思いました。しかも震災が起きた翌週に九州ツアーがすでに決まってたんですけど、"予定どおりやったら誹謗中傷がヤバイんじゃないか?"とか体裁を気にする癖が出てしまったんですよね。これはもう、ライヴ前日ぐらいまで話し合ったよね?

高村:うん。

田邊:でも、ここで諦めたら言ってることとやってることが全然違うなと思ったし。何より東日本大震災のときにできなかったことを、今だからやるべきだなと思ったんで、すべての動きをまったく止めずにやらせていただいたんです。そしたら、レコーディングではすごく最高なテイクが録れて。歌詞も震災支援のために作ったってわけでもなく、もとからできあがっていたものだったので、逆に言うと、僕らがいつもやってる誰かの背中を押すこと。それはもうBLUE ENCOUNTとしてずっと変わらないことなんだなぁと思いました。九州ツアーも結果的にチケットの払い戻しをする人の方が少なくて、各会場、ぎっちりお客さんが入ってて。熊本からもきつい状態なのに来てくれた子がいたりとか、すべてが現場に行かないとわからないこととか、やらないとわからないことばっかりだったので、よりこの曲に重みが増した感じがしました。

-もちろん、九州ツアーはバンドだけでできることじゃないと思うので、気持ちだけで行きたいって突っ走るのも危険が伴うでしょうし。震災が起こったあとのバンドのTwitterを拝見してたんですが、周りのスタッフの方やプロモーターの方の決断をすごく感じて。

田邊:そうですね。うん。

-それでもみなさんがプロとして仕事を完遂しようとする一連の流れを見た思いがするんですね。対バンで出演していたフレデリックや忘れらんねえよも、よりBLUE ENCOUNTが好きになったんじゃないかなと思うし。

田邊:九州ツアーを一緒に回ってくれたバンドのみんなには、本当によく決断してくれたなって思いましたね。今おっしゃっていただいたようにイベンターさんやプロモーターさん、レコード会社の人、周りのチームの人、仲間が増えたからこそできることが多くなったという実感はすごくあります。今まではBLUE ENCOUNTだけでやろうとしすぎてたんだなと思ったし、もっともっと周りの力を借りたら見えてくるものがあったんだなとも思いました。