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INTERVIEW

Japanese

TRASH AUDIO

2016年06月号掲載

TRASH AUDIO

Member:長谷川 力族(Vo/Gt) 桑尾 哲郎(Gt) Andy(Ba) 西村 一晟(Dr)

Interviewer:松井 恵梨菜

2014年に北海道の夏フェス"JOIN ALIVE"のメイン・ステージにオープニング・アクトとして出演した経験を持つ札幌発の4ピース・ロック・バンド TRASH AUDIO。彼らが、全国流通盤としては初となるミニ・アルバム『One of the Timeless』を完成させた。ド頭から一貫して普遍性を持たせた歌詞やメロディは、熱を冷ますことなく聴き手に送られ続け、"飾らないまっすぐな言葉"が、ひたむきに"あなた"へメッセージを伝える全6曲。そんなふうに命が吹き込まれた楽曲たちに、このバンドが託す思いとは?

-Skream!初登場となりますので、まずはTRASH AUDIOについてお話をうかがいたいと思います。もともと、桑尾さんとAndyさんのおふたりで結成されたそうですが、初めはどんな音楽性のバンドを目指していたのでしょうか?

桑尾:僕とベースのAndyはもともと中学校の同級生で、一緒に学祭バンドをやったことがあったんです。そのときはレミオロメンとアンダーグラフのコピーをやっていて、お互い別々の高校へ進学したんです。それからほぼ連絡を取っていなかったんですが、高校卒業のタイミングでたまたま中学校の同窓会があって、そこで話したらAndyも同じ進学先で札幌に出るってことでバンドを組んだんですね。ふたりとも高校ではギター・ロックにハマッていて、バンドを組んだときもギター・フレーズを中心としたわりとエモーショナルなロックを目指していました。

-それからメンバー・チェンジがあり、いろいろな経緯があって長谷川さん、西村さんが加入。桑尾さんとAndyさんから見た加入前のおふたりのイメージと、反対に長谷川さん、西村さんから見た当時のTRASH AUDIOの印象を教えてください。

桑尾:よし君(長谷川)はライヴハウスで初めて出会ったんですが、圧倒的に声が良くて、"このヴォーカルとバンドをやりたい"って直感で思いました。西村は専門学校の後輩でとってもパワフルなドラマー、でもキャラが天然でめんこいなーって(笑)。そのギャップが魅力です。

Andy:西村は学校の後輩で、"かわいい顔してパワフルなドラムを叩くなぁ"ってのが第一印象ですかね。あと、よし君の第一印象は、ひと言で言うと"イケイケな人"でしたね。ただ、当時の僕は田舎から出てきた人見知りの少年だったので、緊張してあまり覚えていないんです(笑)。

西村:その当時は、バンドのライヴを観た経験がほとんどなかったのですが、TRASH AUDIOは周りからひとつ頭が抜けていました。演奏力、ライヴ・パフォーマンスが圧倒的で、素直にカッコいいと感じていました。専門学校時代は全然話したことがなくて、雰囲気から"怖い先輩"という印象でしたね。まさか自分が加入することになるなんて当時はまったく考えてなかったです。

長谷川:ふたり(桑尾、Andy)とも最初はめっちゃ地味で同い年とは思えなかったかも(笑)。Andyはいつも同じ服着てたし(笑)。でも、初めて一緒にスタジオに入ったとき、みんな上手いなーと思いました。

-今もみなさんの地元・北海道を拠点に活動されているそうですね。北海道はたくさんのバンドを輩出している土地でもありますが、北海道の音楽シーンについてどのように思われますか? また、それをふまえ、TRASH AUDIOはどういう活動をしていきたいと思っていますか?

西村:今、道内出身の若手のバンドをメディアで多く見かけるようになって、そういう若手バンドをきっかけにこれから北海道の音楽シーンが盛り上がってくると思いますし、盛り上がってほしいです。たくさんの人にライヴハウスに足を運んでほしいと願っていますし、自分たちも北海道出身としてそのシーンを盛り上げるひとつとなるために、まずは広大な北海道のあらゆる土地へ自ら行き、TRASH AUDIOとその音楽を直接知ってもらいたいですね。道内のみならず道外でもライヴをして、TRASH AUDIOとその音楽をコンスタントに届けていきたいと思っています。

-2014年に"JOIN ALIVE"のオープニング・アクトとして出演された経歴をお持ちとのことですが、ステージに立ったときの感想、手応えなどはいかがでしたか?

長谷川:もう感無量でした。メイン・ステージだったので、僕たちの次がSiM、BIGMAMAなど......普段僕がひとりのリスナーとして尊敬している豪華アーティストと同じステージに立てるだなんて本当に嬉しいとか、そういう言葉では言い表せないくらいの思いでした。あのときのステージからの景色もバックヤードの雰囲気も全部覚えてますし、"今度はオープニング・アクトじゃなくて、絶対に本出演できるように帰ってくるからな"と今でも野心を絶やさず持っています。

-昨年、TOWER RECORDS限定で初の全国流通盤『NEW WORLD』をリリースされましたが、自分たちの音楽が北海道から全国へ届けられることについてどう思いましたか?

Andy:これまで、自分たちの音楽を全国に届けるためには、自分たちの足でその場所に行ってライヴをすることを繰り返すしかなかったんで、全国流通で東京や大阪などのTOWER RECORDSに、自分たちのCDが実際に置かれているっていうのは、感動的でした。

-前回はシングルでしたが、今回リリースの『One of the Timeless』はミニ・アルバムですので、前作以上にTRASH AUDIOというバンドを表現できる1枚になったのではないかと思います。総じて、どんな作品に仕上がったと思いますか?

長谷川:ライヴのセットリストのような1枚になったと思っています。今までライヴでやってきた曲とこのアルバムに向けて作った新曲が交ざっているので、今までとこれからのTRASH AUDIOをどっちも感じてもらえると思います。

-既発作品からTrack.4「失った蒼」(2012年リリースのミニ・アルバム『First Contact』収録)、Track.5「春風」(2014年リリースの3曲入り音源『無名のランナー』収録)の2曲も収録されていますが、この2曲はどのような意図で今作に入れられたのでしょうか?

長谷川:今だからこそ曲に合った別のアレンジができると思ったのと、「失った蒼」が入っている『First Contact』(2012年リリースの新体制初ミニ・アルバム)は早い段階で在庫がなくなったのですが、未だにファンの方々からの"「失った蒼」が聴きたい"という声が多いんです。あとはこれから僕らが進んでいきたい音楽性にこの2曲がすごくフィットしたからですね。

-1枚を通して聴いて、演奏面で言えば、サウンドひとつひとつにエッジが効いていて各パートが粒立っているように思いました。メンバーそれぞれ、影響を受けたバンドやミュージシャンを教えていただけますか?

長谷川:僕は音楽を始めるきっかけになったコブクロとELLEGARDENですね。

桑尾:父の影響で70年代のハード・ロックがとても好きで、中でもLED ZEPPELINが大好きです。Jimmy Pageは僕のヒーローですね。

Andy:ストレイテナーです。ベースの音やライヴの雰囲気などなど、自分のベース・プレイを改めて考えたきっかけのアーティストです。

西村:僕がドラマーとして影響を受けたミュージシャンは、Scars Boroughの高橋宏貴さん(THE PREDATORS/ELLEGARDEN)、TOTALFATのbuntaさん、ONE OK ROCKのTomoyaさんです。みなさん魅力的で大好きな3人なので選びきれないです(笑)。