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INTERVIEW

Japanese

ハルカトミユキ

2015年12月号掲載

ハルカトミユキ

ハルカトミユキ

Official Site

メンバー:ハルカ(Vo/Gt) ミユキ(Key/Cho)

インタビュアー:金子 厚武

元旦に"毎月新曲発表"というマニフェストを掲げ、2015年をものすごい勢いで駆け抜けてきたハルカトミユキ。10月3日には日比谷野外大音楽堂でフリー・ライヴ"ひと×3000"を決行し、堂々たるステージでその場にいたひとりひとりの孤独を肯定して見せた。それでも、ふたりの歩みは止まることなく、さらに勢いを増し、野音のステージで2016年に全国47都道府県を回るツアーの開催を宣言。そのツアー・ファイナルとして、9月24日に再び野音のステージに立つことも発表された。ここにまたひとつ、"1対1"の約束が交わされたのだ。

-まずはそれぞれ10月の野音のライヴを振り返っていただけますか?

ハルカ:3,000人のフリー・ライヴっていうのは私たちにとってかなり無謀な挑戦だったので、かと言って大きな宣伝ができるわけでもないから、とにかく当日まで自分たちにできることは全部やろうってことで、路上ライヴをやったり、飛び入りでライヴハウスで歌わせてもらったりして。無料なんだけどチケットを作って、約束のチケットと名づけていろんなところで配ったんですけど、当日までどれだけの人が集まるかはホントにわからなくて。実際誰も来てくれないんじゃないかって、恐怖でしたね。でも、本番でステージに出て行ったら人で溢れてたから、単純にびっくりしましたね。ライヴ自体は、フリー・ライヴっていうのもあって、"はじめまして"の人に対してもしっかり伝えたくて。だからデビュー・ライヴのような気持ちで。結果として、これからの課題がたくさん見えたライヴになりました。でも、あの場で伝えたかったこととか、気合いみたいなものだけは、最大限見せられたと思います。

ミユキ:まずは、約束のチケットを受け取ってくれた人、そして当日本当に集まってくれた人にホントに感謝してます。ありがとう! 私もとにかく当日まで不安でしょうがなかったんですけど、ライヴをやってるときは必死で、我を忘れてました。終わってから振り返ってみると、自分が理想とするようなライヴにはまだまだ全然遠かったから、反省しちゃうかと思いきや、逆にやる気がフツフツと湧き上がってきましたね(笑)。

-多くの人に支えられ、これからの課題が見えたライヴだったとはいえ、僕が観た中では過去最高の素晴らしいライヴだったと思います。あの日に向けて、どんなことを意識しながら活動をしてきたのでしょうか?

ハルカ:野音でのフリー・ライヴ開催を発表してから4ヶ月くらいあって、そこからリハと曲作りとレコーディングを平行してやってたんですけど、"今のままでホントに野音でワンマンができるんだろうか?"っていう状態が続いてて、実際何か奇跡が起きないと野音なんて埋まるわけないし、だいたい今の自分にその力があるのかなって、野音でやってる姿が全然見えなかったんです。でも、何かやらなきゃ、自分に革命を起こすぐらいの気持ちがなきゃダメだぞって思ってて。とにかくできることは全部、的外れなことも含めて、なんでもかんでもやりながら毎日過ごしてました。それでもまだ気合いが足りんとか思って、不安になっちゃうんですよね。それで、ギリギリまで自分を追いつめてみたりして、結局倒れちゃってみんなに迷惑かけちゃうんですが。そのときは、"今の自分を壊さねば爆発できんぞ"とかね(笑)。実際、その極限状態のまんま当日を迎えたというか。その成果が野音で100パーセント出せたかはわからないんですけど、その結果があの日の野音だったのかなって。

ミユキ:私は"お客さんと一緒に盛り上がりたい"っていう気持ちがどんどん強くなってきてて、"今ひとつになってる"っていう感覚がどうやったら感じられるのかなって思って、ずっとやってきました。結局どうすればいいって答えは出ないんですけど、その思いを持って野音にぶつかったら、「嘘ツキ」(2015年4月リリースの1stミニ・アルバム『世界』収録)でみんなでライトを光らせた瞬間とか、後半になるにつれてどんどん後ろの方までみんな手を上げてくれて、私が思い描いていた瞬間が一瞬垣間見えた。この感じをこれからのライヴにどう活かすか、これからですね。

-2015年は1月の「世界」から毎月新曲を発表してきましたが、i-depのナカムラヒロシさんが制作に加わったこともあって、ハルカさんの中で表現とフィジカルの結びつきが強くなり、その成果も野音で出たのではないかと感じました。

ハルカ:野音の広いステージを動き回ったり、客席の後ろの方まで声を届かせようとしたり、肉体から始まって、そこに気持ちや表現がついていくというか。頭で考えるよりもまず身体で感じるっていうのはあったと思います。

-その変化のきっかけが去年の11月に東名阪で行われたワンマン・ツアーだったと思うんですけど、そこから具体的にどのような変化がありましたか?

ハルカ:去年のワンマンのときは、自分では思いもしなかった大きな声で歌ってたとか、その自分の声に反応して、涙がこぼれたり、感情が爆発するっていう体験に自分でもびっくりして。それ以来"この瞬間を探していきたい"とずっと思ってました。ただ、それこそ気持ちも身体も極限状態にまで持っていかないとあの瞬間っていうのは味わえなくて、小手先でやってもああはならないってことも突きつけられました。一生懸命やればいいって領域じゃないんだな、と。野音の直前に大阪でライヴがあって、自分ではそこそこ良くなってきてるな、と手応えがあったんですけど、表から見ると"何がやりたいのかわからない"みたいな。そこからさらに自分を追い詰めたときに、やっと何かが見えてきた。野音でその感覚が少しでも伝わってたらいいのですが。

-やっぱり、野音で手応えを掴んだというよりは、まだまだ模索の途中だと。

ハルカ:実際、自分がこの状態を体験するのは初めてだから、とにかく当日はグチャグチャな状態で、自分ではよくわからない。あの日がどんな日だったのかは、ちゃんと自分が理解していかないといけないんですけど。

-ミユキさんから、ステージのハルカさんはどう見えていましたか?

ミユキ:単純に、今までで1番楽しそうだなって思ったし、私も楽しかったです。興奮のさらに先というか、"あ、今!"っていう瞬間が何度かあって、そういうときは私もバンド・メンバーも"ハルカに負けちゃいけない"って気持ちになるので、そういう瞬間がもっと増えれば、よりいいライヴになるんだろうなって。

-ハルカさんが中心になって、ステージ全体が渦になるような感じかもしれないですね。

ミユキ:「火の鳥」(2015年9月リリースの2ndミニ・アルバム『LIFE』収録)でハルカが太鼓を叩く場面があって、もちろんリハでもやってたんですけど、当日は手がもげるんじゃないかってぐらいすごくて(笑)。それは興奮のその先まで行ってたからだと思うんです。