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INTERVIEW

Japanese

Marmalade butcher × ATLANTIS AIRPORT

2015年11月号掲載

Marmalade butcher × ATLANTIS AIRPORT

Member:Marmalade butcher:にえぬ(Gt) J氏(Gt) ATLANTIS AIRPORT:y0den(Key)

Interviewer:岡本 貴之

10月28日にスプリット盤『Rembrandt Rays』をリリースするMarmalade butcher(通称"マ肉")とATLANTIS AIRPORT。かたやインスト・バンド、かたや女性ヴォーカリストを擁するポップス・バンドと、アウトプットされる表現方法は異なるものの、緻密な音作りとハイセンスなサウンド・アプローチで一部の音楽ファンから共に圧倒的な支持を生み出している。今回は両バンドのコンポーザーであるマ肉のにえぬ(Gt)、ATLANTIS AIRPORTのy0den(Key)に加え、両バンドを繋ぐ役割を担ったマ肉のJ氏(Gt)が参加しての鼎談で、両者の個性が凝縮された今作について思う存分語ってもらった。

-スプリット盤『Rembrandt Rays』はどのような経緯で実現したのでしょうか。

にえぬ:最初は同人即売会に一緒に出そうということで制作が始まった感じですね。もともと僕がバンドをやる前から同人即売会に出ていて、次に出展するにあたって誰かと一緒にやりたいなと思いまして。それでJ氏がサポートをしているATLANTIS AIRPORTに話を投げたらとんとん拍子に話が進んで。

J氏:ATLANTISとは対バンさせていただいたり、交流はちょいちょいあって。ATLANTISにはギターがいないということでサポートをしているんですけど、今回リーダー(にえぬ)から話があったので、間を取り持ちました。

にえぬ:最初は"M3-2015秋"で販売する目的で制作していたので、僕は流通させるとかはあんまり考えていなくて。気がついたら結構大がかりになっていました(笑)。

y0den:僕も、ボカロを少しかじっていた時期があって、ニッチな中にも好きなボカロPとかいたりしたんで"M3"(※音系・メディアミックス同人即売会)にちょっと興味があったんです。今はニコニコとかアイドルとかの棲み分けがすごくされているので、その中で新規開拓をしたかったというのと、マ肉(※Marmalade butcherの通称)ってちょっと異端な存在というか(笑)。そういう意味では異文化交流としてはうってつけだなと思いましたし、面白いからやってみたいなと。

にえぬ:なるほど、そうだったんですね。初耳です。何も考えずに参加してくれたのかと(笑)。

y0den:まあ、結構ノリは軽かったです(笑)。

-お互いのバンドにはどんな印象を持っていたんですか?

にえぬ:僕は対バンする前からATLANTISの音源を聴いていて、最初に聴いたときは他にない唯一無二のサウンドを持っているバンドだなと思いましたね。初対バンのときには"企画出てくれませんか?"って誘うくらいどっぷりみたいな感じでしたね。

y0den:ありがとうございます。2バンドとも、渋谷にあった残響shopにCDを置かせていただいていたのがそもそもの繋がりなんですけど、残響shopにあったマ肉のCDに変なキャッチ・コピーが書いてあって。"これ聴くなら〇〇聴くわ"っていう(笑)。

にえぬ:自分で書いているんですけど(笑)。

y0den:それが衝撃的で。当時の残響shopの店長さんもすごく評価していて。それで気になっていたんですけど、対バンしたときも(演奏が)超絶でしたからね。まだにえぬ君とはそんなに話したことはないんですけど、J氏を介していろいろ情報を聞くたびに、どんどんにえぬ君に親近感が湧いてきて。NUMBER GIRLが好きだったりCOALTAR OF THE DEEPERSが好きだったりというところで近いモノを持っているなと。

にえぬ:なんと(笑)。俺は何もしゃべってないのに知ってるのが怖いんですけど(笑)。

-おふたりでガッツリ話したことはないんですか?

にえぬ:それが、ないんですよ。

y0den:お互い引きこもっているんで(笑)。

にえぬ:そこにシンパシーを感じますね(笑)。正直、僕もひとりで音楽作るくらいなので、誰かと何かをするのが苦手なんですよ。だからそれこそ他の人が介入しないと、滅多にこういうことはないでしょうね。僕からはほとんど動かないですから。

J氏:リーダーが今回、"こういうのをやりたいんだけど"って言ってきたので、"たぶんATLANTISとか気が合うんじゃない?"って。気質が似ているし、どっちも僕のリーダーなので(笑)、いいんじゃないかなって。

y0den:お互いこういう気質なので、腰が重いんですよね(笑)。やりたいと思うけど、それまでのプロセスを考えるとどうしても。

にえぬ:そうですね。

y0den:だからJ氏が間に入って動いてくれて、きっかけをくれたのはありがたいなと思います。いろいろ大変だったけど、こうしてCDにすることができたので。

にえぬ:今日初めて完成品を見ましたけど、ホッとしましたね(笑)。

y0den:安堵感がありますよね(笑)。

-"Rembrandt Rays"というタイトルはどんな意味でつけられたんでしょう。

y0den:まずはざっくりとしたコンセプトとして、明るい曲と暗い曲を2曲ずつ作ろうって決めたんですよ。そこから、題名をどうしようかという話になって、いろいろ候補を出したんですけど。

にえぬ:それがなかなか決まらなくて(笑)。

y0den:最終的に、うちのsonezaki(Vo)が、"光""光線"というところで、"Rembrandt Rays"がいいんじゃないのって。マ肉とATLANTISのイメージを壊さずに汲んだものになっていると思います。ジャケットで言うと、今までマ肉のジャケはにえぬ君がイラストを担当していたんですけど、今回はお互いの作品ということで僕の知り合いに頼んで、ATLANTISのメイン・ヴィジュアルともいえる飛行機と、マ肉のメイン・ヴィジュアル......って言っていいのかな(笑)?

にえぬ:オタクなんで毎回ジャケットに女の子を入れてしまうんですけど(笑)。

y0den:(笑)ジャケットに女の子を入れてくれっていう要望をもらって。それと僕らのこれからのコンセプトとして未来っぽいものをやるっていうことがあったので、そういうことを含めた折衷というか、コラボレーションになっています。

にえぬ:モノが上がってくる前はどうなるかと思ったけど、できたのを見たら両方の個性が汲まれたものになっていていいですね。