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INTERVIEW

Japanese

ココロオークション

2015年09月号掲載

ココロオークション

Member:粟子 真行(Vo/Gt) 大野 裕司(Ba) 井川 聡(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

「蝉時雨」のMVの再生回数が59万回を超え、サーキット・イベントでは軒並み入場規制。今年5月に2,000枚限定でリリースされた両A面シングル『ターニングデイ/プリズム』は予約殺到のため急遽3,000枚に増産し、ほぼソールド・アウトと、2011年の"eo Music Try 2011"でグランプリを獲得してから着実にその人気や知名度をものにしている大阪発の3人組ココロオークションが、1stフル・アルバム『Relight』をリリースする。前述のシングルの2曲を含む全8曲は、サウンド面にも様々な挑戦が表れている。Skream!初登場、昨年リリースされた初の全国流通盤『七色のダイス』からの軌跡を追いながら、今作について訊く。

-ココロオークションは2011年に"eo Music Try 2011"でグランプリを獲得し、精力的な活動を続けて、昨年待望の初の全国流通盤『七色のダイス』をリリースしました。あの作品はみなさんにとってどんな作品になっていますか?

粟子:あの作品は当時のインディーズ・ベスト的な意味合いもあって、ココロオークション入門編という感じでもあって。あのアルバムがあったから出会ってくれた人もたくさんおって......。ひとつの出会いをたくさんくれたアルバム、という感じですね。

井川:うん、ほんまにそうですね。

大野:ミニ・アルバムの3作目にもなるんですけど、まずココロオークションを知ってもらうにはこの作品から聴いてもらえると嬉しいですね。ライヴでやる曲もいっぱいあるので。

-『七色のダイス』リリース後にギターの冨山さんが脱退なさって、歩みを止めないまま10月には5曲入りの4thミニ・アルバム『ヘッドフォンミュージック』をリリースなさって。

大野:ツアー中での脱退だったので、ツアーに関しては何とか乗り切って。『ヘッドフォンミュージック』は「ヘッドフォントリガー」(Track.1)だけ前のメンバーと録って、あとの曲は今サポートしてくれてる子と一緒に録りました。

粟子:ギターが抜けてしまったので、僕がギターを考えることもちょっと増えたりとか......。

井川:スケジュールもタイトでしんどかった時期ではあるけど――。

大野:スケジュールがタイトなのはいつものことなので(笑)。自分たち的にはいつも通りコンスタントに作りましたね。

-今年5月には今作『Relight』にも収録されている3rdシングル『ターニングデイ/プリズム』がリリースされ、こちらは2,000枚限定だったものが好評に応えて3000枚に増盤。初めて東京と名古屋と広島でワンマン・ライヴを開催するという、2015年はココロオークションにとってとても充実の時期に見えます。

粟子:大阪ではワンマンをずっとやってたんですけど、初めて東京と名古屋と広島でワンマンをやって......それが僕にとってはすごく大きくて。聴いてくれている人のために、ゴールを目指して走っていくという感じでした。忙しくもありましたけど、目標がちゃんとあったので、そこに意識を向けて活動してきましたね。

井川:大阪以外でワンマンができたのは本当に嬉しくて。大阪以上に喜んでくれた地方もあったりしたんです。これからもそういう地域がもっと増えてくれたらなと思いますね。

大野:今年の頭に『ヘッドフォンミュージック』のレコ発ツアー・ファイナルをやって、5月にシングルをリリースして......CDいっぱい作ってるなと思いますね(笑)。シングルのときはフェスやイベントもあったので、ツアーの本数がいつもよりだいぶ少なくて、今回の『Relight』もライヴの合間にレコーディングしていくという。ライヴの本数が少ないときはレコーディングして、ワンマン・ツアーのときはツアーで準備をして。ライヴと制作とスタジオのバランスがいい感じにできて、成長できたかなと思います。

-ニュー・アルバム『Relight』は『ターニングデイ/プリズム』と繋がる世界観を持っていますが、シングルの時点でアルバムの構想はあったのでしょうか?

大野:シングルを出した段階で、このシングルを含むアルバムを早いとこ出したいなーと思ったんですよね。でも『Relight』全体の構想は、シングルが全部できてから見えたことでもあるんです。それから"あ、この2曲があるならこんな感じの曲をやろうかな"とか、そんな感じでできていきました。

粟子:Track.3「ターニングデイ」とTrack.6「プリズム」はサウンド的には離れてるんですけど、歌詞の内容とかは同じことを違う角度から歌っていて......それに作ってから気づいて。そのときの自分なりのテーマや伝えたいことが反映するんやなと。この2曲が今回の"Relight"というテーマを持ってきてくれたという感じですね。それできらきらしていたり、輝いていたり、光を思わせる楽曲を作っていって......それから曲の声に耳を傾けて歌詞を書いていくというか。自ずと道が開かれていきました。

-粟子さんはもともと"光"にどんなイメージを抱いていましたか?

粟子:そうですね......あんまり考えたことはなかったですけど、聞かれて思うのは"身近にある大切なもの""消えないで欲しいけど、消えてしまうもの"。そういうニュアンスですね。だから"再び光を灯す"という意味で"Relight"とつけたんです。身近にある大切なものに気づかず、失くしがちやけど、それにちゃんと気づけるように......という意味合いもあって。特にTrack.1「day by day」はこのアルバムをテーマに書いた曲で。このアルバムはこんなアルバムだよと紹介できる、アルバムを象徴する曲が作りたかったんですよね。

-そうですね。「day by day」は"午前4時"で、ラストのTrack.8「Orange」は夕焼けですから。

粟子:時間軸が、朝から夜になっていく......という感じですね。そういう曲順になっています。