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INTERVIEW

Japanese

惑星アブノーマル

2015年08月号掲載

惑星アブノーマル

Member:アレックスたねこ (歌) テナ・オンディーヌ (Syn/Key)

Interviewer:吉羽 さおり

アレックスたねこが描く毒っぽくポップで多彩な感情が跳ね踊るような音楽世界や、心の機微を、テナ・オンディーヌが丁寧に忠実にすくい取るという形でできあがっていたのが、惑星アブノーマルの饒舌でアヴァンギャルドな音楽絵巻。3rdミニ・アルバム『ココロココニ』では、いきものがかりやYUI等を手掛けるアレンジャー鈴木Daichi秀行を迎え、激情を極彩色の音と立体的なサウンド構成で、さらに全方位でふたりのポップ性で響かせるものとなった。色とりどりの面白さがありつつ、むき出しの刃をすっと隠し、狙いを定めて一発で斬るようなクレバーさと鮮やかさが際立つアルバムだ。

-3作目のミニ・アルバム『ココロココニ』が完成しました。前作から約2年ほど時間があきましたが、その時間はバンドにとってどんな時間だったんですか。

アレックスたねこ(以下:アレックス):結構、修業期間というか。ライヴ経験が浅いのが、私たちの中で課題になっていたので、ライヴを中心にやっていました。あとは、制作の期間でもありましたね。いろいろ、準備する期間をいただきました。

-いろんな方とライヴをした、テナさんはドレスコーズのキーボードとしての活動を経験したり、曲作りの時間もたくさんある中で、試行錯誤もあったかと思いますが、これが今の惑星アブノーマルだな、やりたいことだなと掴めたものっていうのはありましたか。

テナ:理想とする形にまた一歩近づけたかなっていうのは、思います。

ら アレックス:うん、でもたぶんやってもやっても満足しない性格な気がして(笑)。今やりたいことの理想形には近づいているなって思っているんですけど、まだまだやりたいことがいっぱいあって。それを試すまでは、"これだ!"っていうふうには言えないかなと思います。10月8日にワンマンがあるので、そのときに完璧に"これが惑星アブノーマルだ!"みたいなものが提示できたらいいなって思ってます。

-ぼんやりとでも理想像っていうのは頭にあるんですね。

テナ:その時々で、目的としてるものがたねこの中で変わるので。それを追いかけていく期間が短かったりして――。

アレックス:心変りが激しいんです(笑)。

テナ:パパパパパって展開していくんです。それで、本人が満足するっていう実感に追いつくまでいかない場合もあったんです。それが瞬間的に、これだと思ったものがこうなるみたいなものが早くできたら、本人も納得いくものができるんじゃないかなと思うんです。
アレックス:"こうだ!"っていう提示もしたいですし、私の中では決まってるんですけど、お客さんに喜ばれないと意味がないので。そういう意味でまだ完成してないっていのはあります。お客さんに"これが惑星アブノーマルか"って喜んでもらえたら、それが私たちの形だって、決定を出せるかなっていう感じなんです。

-そのような中で今回の『ココロココニ』での曲はいつごろから制作を始めたんですか。

アレックス:2ndミニ・アルバムの『アナタソナタ』が終わって、準備自体はすぐに始めようってなったんですけど。今回は鈴木Daichi秀行さんと一緒にやっているんですけど、そのアレンジャー探しに結構時間がかかって。

-鈴木さんはどういう選択で一緒にやることになったんですか。

アレックス:もともとゆかりがあって。最初に、今回の「美術Ⅱ」(Track.4)という曲をやってもらったのかな。

テナ:うん、たしかそうかな。

アレックス:そしたら、すごくいいなってなって、それでDaichiさんにお願いすることになったんです。

-鈴木さんは、ポップ性ということでは、ものすごく際立ったアレンジをしていて。いい意味でのこのバンドのカオスさが出ている(笑)。

アレックス:(笑)途中、途中でふざける感じがすごく好きで。ワンコーラスはガチで真剣なのに、ブリッジ部分でふざけたシンセが入ってくるみたいな。おとぼけというか。そういうギャップのあるポップさもありますね。あとは、話し合いがしやすいのもよかった。どのアレンジャーさんでも話し合いはできますけど、Daichiさんだと感性が近いじゃないですけど、引き出しも多いので、私が言ったことをわかってくれるのでよかったです。

-テナさんとたねこさんの間での、曲作りでの意思疎通はばっちりなんですか。

テナ:私自身がそもそも、たねこの再現したい音を作るのを助けてあげている一員だと考えているので。最終判断はたねこに任せていて、その点に関しては、たねこが納得するならじゃあそれでっていう考え方なんです。だから、どんなことをしたいんですかっていうことを話し合って、じゃあこうしましょうかとか話を聞き合ったりはしますね。

-先ほど言っていた、その都度のモードにしっかり食らいついていく感覚なんですね。下手したらたねこさんだけ発想がどんどん先にいってしまって、みんながそこに追いつくころには次のところに行ってしまってるってことも往々にしてあるわけですよね。

アレックス:そうですね、ご迷惑をおかけしてます(笑)。
テナ:はははは。

アレックス:すごくせっかちで。それは、何度もありましたね(笑)。