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INTERVIEW

Japanese

Mrs. GREEN APPLE

2015年07月号掲載

Mrs. GREEN APPLE

Member:大森元貴 (Gt/Vo) 若井滉斗 (Gt) 山中綾華 (Dr) 藤澤涼架 (Key) 髙野清宗 (Ba)

Interviewer:石角 友香

18歳のフロントマン、大森元貴の方法論――メッセージを届けるためのいい曲という話を聞いていると"北風と太陽"のエピソードを思い出してしまった。それがどういうことなのかはメジャー・デビュー・ミニ・アルバム『Variety』を聴いてもらえば一目(聴)瞭然だと思うのだが、まぁとにかく新しいメカニズムで成立しているバンドだ。2015年後半、ロック・バンドもバンド・シーンというカテゴリーも越えて、10代のフラジャイルな心に最速でリーチするバンドだ。

-今回のメジャー・デビューにあたっての資料に大森さんはミュージシャンからの影響を挙げてないところからして、ちょっと背景とかを語りたくない人なのかな?と(笑)。

大森:あ、いや、そんなことないです!面白い話ができないだけで。あの、メンバーで1番、ミュージシャンに詳しくないんで(笑)。

-でも何か影響がなくて曲は書けないですよね?なんだったんですか?最初は。

大森:最初......最初はなんだったんでしょうね。小6のときに承認欲求でたぶん音楽を始めたので。きっかけがたまたま音楽だったという。今はDTMでそれぞれ楽器を入れて、結構完成形のデモを作ってしまうんですけど。なんとなく頭に鳴ってるものがあるので、それをまず形にしないとメンバーとお話ができないかなということで、そうしてますね。

-Mrs. GREEN APPLEのすでに上がってる動画とか、今回のアルバムの楽曲を聴いて、もう物心ついたときにはサカナクションとかもいてて、みんなそういうのもひっくり返して行くみたいな、鼻っ柱の強いイメージが......。

大森:ははは! どうだろう? でもサカナクションとかはもう中学のとき全然ポピュラーで。RADWIMPSとかONE OK ROCKとかももちろんいたので。ま、なんかこういうことできたら面白いなとかはイメージしやすかったですね。結構いろんな方がいて、いろんなジャンルが世の中にあったので。

-すごく面白い。そうやって今の5人に。よく出会いましたね。

大森:涼ちゃんと綾華は事務所が一緒で。養成所を兼ねているようなところなんですけど、ま、そこでなんかそれぞれ"赤レンジャー"になりたい人を誘ったって感じですね。

藤澤:大森の存在もバンド誘ってもらう前から、僕は知ってたんで。"この歳でこの曲作っちゃうんだ?"っていう、"怖いな"と。自分も音楽やりたかったひとりなんで、怖い存在だったんで、逆に誘ってもらったのは自分にとっては大きなきっかけだなと思ってました。お話してても人として面白いというか、達観してる部分があるなと感じてたので、そういう部分は絶対、今の自分に勉強になるというか。一緒にやる意味は絶対あると思ったので、OKしちゃいましたね。

-何が達観してるように見えたんですか?

藤澤:年下なんですけど、言ってることがなんかちょっと突き刺さるぐらい正しい、ちゃんと物事を見ているし、ちゃんと言ってくれるから。

-例えばどういうことを?

大森:自分のやりたいことと、できることは違うよ~、とか。

-すごいな(笑)。大森さんは自分の実感として言ってるんですよね?

大森:はい。要はソロじゃできなかったんですよ、音楽。ていうのは自分でわかってたんで。なんか足りないと思ってたんですよ。自分ひとりじゃ収まらないっていうのをある時点で感じて。

-新しいメカニズムを持ってるバンドですね。

大森:あんまバンドってイメージもないですけど、自分らの中で。表現方法としてみんなちゃんと同じ目標持って、集まってやってることがたまたまこの表現方法だったってニュアンスで捉えてるので、自分らが"ミュージシャンだ!"って、良くも悪くもあんまないし。

-とはいえバンドになっていくプロセスにいると思うんで、"バンドになってきたな"と思える出来事はありますか?

大森:去年の年末にサーキットに出て、そこらへんからだよね? お客さんがちょっとずつ手挙げて、ジャンプして、声だしてくれるようになってきて。で、全国盤のCDリリースが今年2月にあったんで、それでガラッと変わったよね? お客さんがついてきて、お客さんとライヴ上でキャッチボールしていくたびに、"あ、バンドにちょっとずつなれてんのかな?"じゃないけど、お客さんがいろいろ教えてくれることが多いので。