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INTERVIEW

Japanese

LACCO TOWER

2015年06月号掲載

LACCO TOWER

Member:松川ケイスケ (Vo) 塩﨑啓示 (Ba)

Interviewer:山口 智男

日本のロックの伝統を受け継ぎ、今の時代にふさわしい激情、熱情とともに奏でる5人組、LACCO TOWER。2002年の結成以来、インディーで活動しながら一歩一歩前進してきた彼らが、前作から約1年ぶり、5枚目となるアルバム『非幸福論』をリリース。7年ぶりに復活したロックの名門レーベル、TRIADからメジャー・デビューを飾る。メジャー・デビューという、これまで以上に多くのリスナーに聴いてもらえるチャンスを生かすために彼らが今回、挑んだこととは? バンドを代表して、松川ケイスケ(Vo)と塩﨑啓示(Ba)のふたりに訊いた。

-新作、すごくよかったです。攻めているなぁという第一印象があったので、あれ、LACCO TOWERってこんなにアグレッシヴなバンドだったかなと思い、前作『狂想演奏家』を聴き返してみたら、僕が記憶していた以上にアグレッシヴで。だから攻めているという第一印象が正しいのかわからないんですけど。

松川:ああ。でも、メジャーからの第1弾だからって、何かに気を遣ってるってことは全然ないですね。

-そうですね。それは感じました。

松川:今まで僕らがやってきたことを、前作からさらに深掘りしたという印象はあります。

-今、話にも出ましたけど、今回からメジャーじゃないですか。もちろん、LACCO TOWERが作る音楽が変わるわけではなくて、どう届けるかっていう方法が変わるということだと思うんですけど、これまでインディーで活動してきて、自主レーベルからの第1弾として前作をリリースしたことを考えると、なぜ、このタイミングでメジャー移籍だったんですか?

塩﨑:"これがLACCO TOWERなんだ"って言える作品を、前回、『狂想演奏家』というタイトルでリリースしたとき、"俺たちまだまだやれることあるよな""まだまだ夢あるよな"って思ったちょうどそのタイミングでTRIADさんが復活すると聞いて、もうここでしょう、と思ったんです。

松川:同時に自分たちで会社を作って、前作をリリースしたときに単純に足りないものも見えたんです。プラス、それを自分たちで埋めていくには時間がかかることもわかりました。バンドって旬があるものだと思うんですけど、会社を作ったばかりでまだまだよちよち歩きの自分たちではそれに追いつけなかったです。前作はそれでもなんとかリリースしたんですけど、それのひとつ上を行くという意味では、TRIADさんから声をかけてもらったタイミングがよかったということもあるし、いただいた話の中で、レーベルとバンドどちらかに比重が偏ってるってこともなかったんです。お互いのいいところをミックス・アップしていけるような関係が築けそうだったので、ぜひお願いしますということになりました。

-今までメジャーからの誘いってあったんですか?

塩﨑:3、4回あったのかな。中途半端な話もあったし、自分たちが不甲斐ないばかりに話がまとまらなかったこともあるし、正直だまされたこともあるし。だから"アンチ・メジャー"だった時期もありましたね。

-『狂想演奏家』でLACCO TOWERの音楽性の打ち出し方をひとつ完成できたことが自信になったということもあるんじゃないですか?

塩﨑:そうですね。それは確実に自信になりました。『狂想演奏家』は勢いのある曲だけではなく、バラードも含め、"これがLACCO TOWERです"って言える作品になりましたからね。それもあったから、今回、攻めているって印象があるのかもしれないです。今回も聴いていただけるとわかると思うんですけど......。

-そうなんですよね。今回もバラードも含め、勢いだけではないんですよね。

塩﨑:そうなんです(笑)。

-『非幸福論』の制作にはいつごろから取り組み始めたんですか?

松川:前作のツアー・ファイナルが終わった直後ぐらいだったかな。

塩﨑:そのときにはTRIADさんからお話をもらってたんですよ。次の作品はメジャーでやることが決まっていたので、かなり意気込んで制作は開始したつもりだったんですけど、1周しました。"どうしよう? メジャーから初めてリリースするんだから次の作品ホント大事だよ"って考えた時期もあったんですけど、それで変わりすぎるのもイヤだし、ブレたくないしと思って、それこそ1stアルバムから聴きなおしました。自分たちのことだからわかっていたつもりなんですけど、ここに至るまでのいきさつを、もう1度辿ってから制作に突入しました。

松川:制作期間中も周りの変化がめまぐるしくて。それこそ契約書にサインすることを始め、いろいろなことが具体的になっていく中で、やっとメジャーからリリースするっていう実感が湧いてきて、そこでもう1回、意識的に曲を見つめなおすってこともやりました。

-見つめなおしたうえで、今回、1番意識したことは何だったんですか?

塩﨑:ブレないこと。LACCO節っていうのがもう見えてたので、特にTrack.2の「葡萄」なんかはもう、みんなのアイディアをまとめる真一ジェット(Key)が曲の原型を持ってきた段階で、メンバー全員、"これだ! LACCO TOWERの果物系、つまりリードになるような曲! これぞLACCO節だ"って思えたんで、そこはすんなりと。