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INTERVIEW

Japanese

indigo la End

2015年02月号掲載

indigo la End

メンバー:川谷 絵音 (Vo/Gt)

インタビュアー:沖 さやこ

サポート・メンバーだったベーシストの後鳥亮介が昨年夏に正式加入し、本当の意味でバンドとしての歯車が回り始めたindigo la End。4人によるバンドとしての地盤のもと完成した待望のフル・アルバム『幸せが溢れたら』には、後鳥の加入が招いたアンサンブルの変化が随所に表れている。そしてゲスの極み乙女。と並行して休む間もなく目まぐるしい活動を続ける川谷絵音の歌にも、大きな変化が生まれていた。彼は未来を見据えながら、メンバーとともに今しかできないこと―今やりたいと思うことを現実にしていく、強い意志と行動力がある。彼の音楽的意識の高さや才能とセンスは、一体どこまでいくのだろうか。そんな恐怖にも近い歓喜に、奮えが止まらないのだ。

-今までのindigo la Endは作品で映画を見せてくれるような音景だったのに対し、『幸せが溢れたら』は1曲1曲で写真のアルバムを1枚1枚をめくるような、とある一瞬の景色に浸るような感覚があったので、とても新鮮でした。2枚のシングル『瞳に映らない』、『さよならベル』で描いた世界をさらに深めるものでもありますが、この2枚はアルバムを見据えての制作だったのでしょうか?

『瞳に映らない』は(ベーシストの)後鳥(亮介)さんが加入したから音源を出したいというのがあって。だからアルバムがどうというよりは"4人で初めて作った音源を出す"という目的で作ったシングルですね。『さよならベル』に関してはアルバムのレコーディングのときに録っていて――本当は出すつもりなかったんですけど、ものすごくいい曲がいっぱいできてるから、2月(のアルバム・リリース)まで温存しておくのはもったいないなと思って。

-『幸せが溢れたら』は失恋がテーマになっていますが、そうなった経緯は?

去年の10月26日に出したゲスの極み乙女。のアルバム『魅力がすごいよ』のレコーディングを6~7月くらいにやっていて。それが終わって"indigoのアルバムどうしようかな?"と考えていて――フェスにいっぱい出すぎたことによって、自分の中で飽和しちゃったんで。盛り上がるとかそういうことは全然一切抜きにして、歌を中心に据えたものを作りたくて。『魅力がすごいよ』というアルバムは、indigoの『あの街レコード』(2014年4月2日リリースのメジャー・デビュー・ミニ・アルバム)で出した自分のプリミティヴなところや精神世界をフィード・バックしたものなので、『魅力がすごいよ』を作ったことで自分にも自信がついて、その出来に自分も満足して。またそれをindigoにもフィード・バックできるなと思って、今回"歌もの"の作品にしようと。だからなんとなくテーマが欲しいなと思って――僕ずっとaikoさんを聴いてて、aikoさんは失恋の歌が多いんです。最近ラヴ・ソングを歌うバンドがあまりいないなと思って、今indigoがやったら響くんじゃないかなと、なんとなく"ラヴ・ソング""失恋"というのをテーマにアルバムを作り始めて。それに沿って歌詞を書いていったらどんどんはまっていったから、"ああ、これで良かったんだ"と。僕の場合、やりたいと思ったらすぐやらないと、すぐ次のリリースが来ちゃうんで......だから"やるなら今しかない"と思って当たっていきました。

-「瞳に映らない」で描かれているのも叶わぬ恋でしたし、失恋と繋がる部分もありますしね。ラヴ・ソングを書こうと思って、なぜそのベクトルが幸せな恋愛を描くものではなく、悲恋へ向かったのでしょうか。

......幸せな作品は、聴いてもあんまり響かないじゃないですか(笑)。

-ははは。もし自分が幸せの渦中にいれば響くかもしれないけど、そうでないと置いてきぼりを食らう部分はありますね。

だから僕は幸せな作品を作りたいとはあんまり思わなくて。ハッピーな感じはあまり得意ではないから(笑)、そういう曲を書いたことがないし。だから自然と失恋になっていきました。

-失恋ソングは聴き手の過去にできた心の傷に沁みたり、癒すことができるので、最終的に感傷も含めて幸せに繋がっていきますしね。『幸せが溢れたら』の楽曲たちは、絵音さんがindigoでもゲスでも自分を出すことに抵抗がなくなったからこそのリアリティなのではと思いましたが、いかがでしょうか。

......どうなんでしょうね(笑)?

-例えばTrack.1「ワンダーテンダー」は"あの街"という言葉から始まって、途中に"歌詞"という言葉が出てきたりと、明らかに絵音さんという人物像が重なる歌詞だと思いますし。

大学生のときに大きな失恋があって、わりとそれをずっと引きずってるというか......。よく歌詞に"坂道"と書くんですけど、それは大学生のときに住んでいたところの景色で。これまでもこの景色で何度も曲を書いたりしてるんですよね。今回はその実体験を使ったり、そうじゃないところだったり、ですね。年齢的にもそういうもの(恋愛)に達観できるようにもなったかなと思うんで。