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INTERVIEW

Japanese

dummy-xD

2015年03月号掲載

dummy-xD

Member:アンクー(Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

きらびやかなギター2本のアルペジオが連鎖する、倍音を主軸にしたポスト・ロックに、日常にある孤独、精神の深淵の自分だけの孤独を歌う悲痛な歌詞と、中性的なヴォーカル。心に宿る憂鬱を極限にまで美しく、鋭く描くのがdummy-xDというバンドだ。2010年結成、2012年に現在のメンバーに。昨年12月から今年の2月まで自主企画イベントを毎月開催し、作品も2枚リリースするなど、精力的な活動を行い、今後はさらに活動の幅を広げるようだ。ライヴ会場では12月からリリースされているEP『magiqlogic』が、満を持して2月25日に全国リリース。バンドについて、新譜について、バンドの中心人物アンクーに訊いた。

-まず、dummy-xDというバンドについて伺いたいと思います。2010年に結成し、現在のメンバーになったのは2012年だそうですね。

もともと名古屋でパンク・バンドをやっていて。でも抜けて当時友達だった別のバンドのベースと一緒に東京に来て、メンバーを探してたんですけど......そのベースが"お医者さんになる"と言って名古屋に帰っちゃって、ひとりになっちゃって。そのあとにメンバーがふたり見つかって、スリー・ピースで(dummy-xDが2010年に)始まって。だけどそのメンバーも地元の名古屋に帰っちゃって。そのときにベースの(市川)憲人が、"一緒にやろうよ"って声をかけてくれて。憲人がやってたバンドも解散してしまってたんです。ギターの(高麗)匠は、突如知り合いになって、CD聴かせたら"やりたい"と言ってくれて加入が決まりました。ドラムのShintaroは、僕がギターで参加していた"munimuni"というバンドのドラムで、そこから"一緒にやろう"と加入に至った感じです。

-もともとパンク・バンドで、それが今のようなポスト・ロックやエレクトロニカの音楽性になったのは?

名古屋はDISCHARGEみたいなハードコア・パンクが盛んというか、流行っていて。僕はどっちかというとJOY DIVISIONみたいな初期パンクとかニュー・ウェーブが好きで。でもそういうバンドをやっている人が全然いなかったんです。で、そういうものをやろう!と思ったんですけど、そういうものを歌える友達も、そういうものが好きな人も周りに全然いなくて。だから名古屋じゃないところで自分でやろうと思って始めたんです。

-それで上京なさったんですね。メンバーが変わって、バンドにも大きな変化が出たと思いますが、いかがでしょう。

それはもう、めちゃくちゃ変わって。メンバー・チェンジ前はドラムがいなくて、打ち込みでやってたんで、電子音がたくさん入っていたんです。子供のころTVゲームが好きだったので、そっち系のピコピコした感じで。でも今のメンバーになってそれが全部楽器になったので、それは1番大きな変化です。匠も打ち込みなしで行きたい感じで、彼もエレクトロな音楽は好きなんですけど、僕も絶対ピコピコさせていこうと思ってたわけじゃなかったし、じゃあいっそのことまったく入れないようにしようと思って。

-それでまったくデジタル音を使わないアプローチを始めたんですね。そして2014年12月から月に1回自主企画ライヴを行い、作品もリリースと、精力的な活動だと思いました。

2014年の前半のことはもうほとんど覚えてないです。自主企画は"この人たちと一緒に対バンできたらいいよね"と話して、企画していきました。基本的に全部自分たちでやっているので、それまでの作品はミックスも匠がやってたんです。でも今回の『magiqlogic』というEPは、"違う人にミックスをやってもらったらどうなるのかな?"と思って、初めて(THE NOVEMBERSやART-SCHOOL等を手掛けるTRIPLE TIME STUDIOの)岩田さんという人に頼んで。"ドラムの音色をこんな感じにしたい"みたいなイメージをちょっと言ったら、予想を上回るものをいきなり作っていただけたので。すごくいいのができて嬉しかったなあ、という記憶が強いです。

-dummy-xDの制作はどのように進むのでしょうか?

だいたい僕か匠がデモを作ります。デモの段階で結構細かく作ってあるので、それをメンバー全員でスタジオで何回か合わせて、完成します。

-『magiqlogic』に収録されている「analogic」と「1,2,3」は、どちらもメランコリックですがとても強い意志がこめられているように感じました。曲を作るときは、自分の気持ちを吐き出すような感覚なのでしょうか。

曲作りの仕方はあんまり説明しようがないんですけど、感情を爆発させて作ることはほとんどないので、そういう作り方はわからないです。曲は、できるときに作る感じというか。あ、でも、大体の曲は生活の中で腹が立つことがあって、そこから作るパターンが多い気がします。曲を作るときは曲を書いてから歌詞を書くパターンも逆のパターンもどっちもあって。今回の曲はどれも同時進行です。

-確かに、2曲とも歌詞と音が同じメッセージを発していると思います。

でもそんなに、深く考えて曲を作っているわけではないんです。メンバーも、持っていったらすぐ"かっこいい!"と言ってくれました。