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INTERVIEW

Japanese

或るミイ

2014年10月号掲載

或るミイ

Member:タカハシ ツトム (Vo/Syn) 田中 裕貴 (Gt/ Cho) 根本 勝一郎 (Ba) 村川 貴則 (Dr/Cho)

Interviewer:齋藤 日穂

どれだけ楽しい夏でも、どれだけ退屈な夏でも、必ず終わりは来るし季節は簡単に巡ってしまう。どんな季節よりも、過ぎ去ってしまうのが寂しいのは間違いなく夏だ。夏も過ぎ去った10月8日、或るミイがそんなノスタルジーを見事に表現したミニ・アルバム『サマタイム×サマタイム』をリリースする。ヴォーカルの交代というバンドにとって大きな変化を経た彼らは、今までの或るミイとは一線を画したメロディやリズムで私たちに進化を見せつけた。そんな新生或るミイのメンバーにメール・インタビューを敢行。バンド結成から今作の制作まで話を訊いた。

-Skream!初登場ですので、まずはバンドについてお伺いします。結成から今に至るまでの経緯を教えてください。

田中:活動を開始したのは2009年で、もともと或るミイを始める前から一緒にバンドをやっていた根本と共にメンバーを探して結成しました。ジャンル問わず色々な音楽を吸収したバンドがやりたくて。そこから地元の千葉を中心にライヴ活動開始、2012年夏に1stフル・アルバム・リリース、2013年春にヴォーカル脱退、夏にツトムさん加入って流れですね。

-前任ヴォーカルの脱退、タカハシツトムさんの加入というメンバー交代はバンドにとって大きな変化だったと想像しますが、実際のところいかがでしたか?

田中:前作をリリースしてからわりとすぐに前ヴォーカルからバンドを辞めたいって話をされて、受け入れるまで多少時間はかかったんですけど無理に引き止めてもなぁ......と思って諦めて。でもまだまだ或るミイとしてやりたいことがたくさんあったので、そのまま解散って気持ちにはならなかったです。新しいヴォーカル探すか、自分が歌うか、どうしようかなーって考えてたときに、ツトムさんが暇そうだったのでダメ元で声かけました。もともとツトムさんは地元千葉で活動していたバンドの先輩で、或るミイのメンバー全員そのバンドのファンだったんです。でもそのバンドは活動休止してて、ツトムさんは2年ぐらい音楽活動をやってなかったんです。自分たちからしたら憧れみたいな人だったしもう音楽辞めてた人だからOKしてくれるか不安だったけど、ヴォーカルが変わるっていうバンドにとって大事件みたいなことを一緒に乗り越えるにはツトムさんしかいないかなーと思って声をかけました。それからスタジオ何回か入って、加入OKしてもらったときは心底嬉しかったですね。

-或るミイという一風変わったバンド名ですが、どのような由来がありますか?

田中:意味自体は特にありませんが、バンド名決めるときになんとなく"或る"って言葉カッコイイよねって話から"或る○○"にしようってことになって、最終的に根本が"或るミイ"がいいって言い出しました。ミイはムーミンのキャラから取りました。

-オフィシャル・サイトにもあるようにオルタナ、ダブ、シューゲイザーなど様々な音楽の要素を随所に感じますが、現在の或るミイの音楽性は皆さんが影響を受けてきた音楽とリンクしていますか?また、具体的に影響されたアーティストがいましたら教えてください。

タカハシ:うーん、難しい質問ですね(笑)。僕が加入する前の或るミイは田中主体で楽曲を制作していたので、そういう意味での分かりやすさというか、一貫性があったと思いますが、僕が加入してからはソングライターがふたりになって。それも、太陽と月くらい感覚の違うふたりなので、楽曲を纏めていくときも誰かが主体というより、4人それぞれの気持ちいいという感覚を尊重することが多いです。様々な音楽の要素が見えるのも、きっとそのゆるさというか自由さに起因してる気がする。かっこ良ければいいね、みたいな。

田中:個人的に多大な影響を受けたのはフィッシュマンズです。あと自分とツトムさんと根本が共通して好きなのはTHE SMASHING PUMPKINSです。

タカハシ:あ、僕はYUKIやCHARAなどの女性アーティストかな。村川君はDIR EN GREY!!

-7月にはYUEYとのスプリット・ツアー"We fight together"を行っていましたが、YUEYから刺激を受けたり、得るものがありましたか?

田中:YUEYは尊敬してる千葉の先輩バンドでライヴが毎回めちゃめちゃいいんです。一緒にツアーで地方へ行ってもブレずに毎回全力でライヴやってて、すごく刺激になりました。ホームもアウェイも関係ないなって。

-それでは本題に入りたいと思います。1stミニ・アルバム『サマタイム×サマタイム』リリースおめでとうございます。10月8日のリリースに向けて今どのような気持ちですか?

田中:とてもいいアルバムができたのでとにかく嬉しいですね。

タカハシ:個人的だけど、アルバムを1枚作った。というより、或るミイに入れてもらって、1年やってきて、やっと辿り着けた本当のスタート・ラインって気持ちです。

-今作は自主レーベル"Haneno Records"を立ち上げてのリリースになりますが、なぜ自主レーベルからリリースすることになったのでしょうか?また、新体制になってから初のリリースということで心機一転という気持ちが込められているのでしょうか?

田中:心機一転の意味合いは強いですね。1度すべてのことをこのメンバー4人で考えて、自分たちのやりたいことをやりたいようにやってみたいと思い、今回は自主レーベルからのリリースにしました。バンドの底力をつけたかったという意味もあります。今後ずっと自主でやっていきたいというこだわりがあるわけではないのですが、何にしても或るミイをこの先続けていくうえで、人任せにしすぎず自分たちで考えて行動する力というのは必ず大事になっていくと思ったので。