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INTERVIEW

Japanese

Gotch

2014年04月号掲載

Gotch

Interviewer:石角 友香

後藤正文がGotch名義でソロ・アルバムをリリースする。ファンやリスナーはそこに様々な対比を見てしまうだろう。ASIAN KUNG-FU GENERATIONとの、もしくは彼が紹介する海外のインディー・ロックとの対比を。でもそれは悪いことじゃない気もする。それだけGotchのこれまでの音楽や存在感が強く、発信しているものが届いているからだ。そしてこのアルバム『Can't Be Forever Young』は、これ単体で存在している。おどけた素振りでさらりと辛辣なことを歌い、軽やかな聴感の中に新鮮な音像がある。当のGotchのテンションはどうなんだろう?ソロの始まりの時期から話題をスタートさせてみた。

-私は後藤さんのソロを初めて見たのは新宿LOFTでの"HINATABOCCO#01"(2011年3月30日)だったんですよ。

あの時が弾き語りが初めてってワケじゃなかったんですけどね。あの頃はそんなにやることもなかったし(笑)、ああいう場所ではひとりのミュージシャンに立ち返るしかなかったっていうかね。日向(秀和)くんの企画にみんなで集まってきて、深くは考えてなかったです。

-ライヴがかけがえのない時期だったなと思い出して。

そうですね。あの時期から比べれば、現場もひと通りは......別の問題を抱えてるかも知れないけれども、日常的に音楽が鳴らせるまでに戻ったっていうのは、忘れてしまいがちだけど、すごいことだと思いますけどね。

-確かに普通のことじゃなかったですからね。

そういう感じはありました、当時。もう、廃業するしかないのかな?っていう(苦笑)。ねぇ?不安もあったと思いますよ、正直なところ。計画停電とか、電気もどうなるのかわからないし、原発もどうなるのかわからないし、なんなんだ?っていう。いろんなものの情報量がすごすぎちゃってね。

-後藤さんがソロを作る理由は重層的だと思うんです。

でも基本的には震災がどうとかっていうよりは、普通に今のタイミングだったんだろうなぁとは思いますけどね。『マジックディスク』自体もそういうニュアンスで作ってたんで。自分でデモをかなり作り込んでいって、バンドに落とすっていう。

-確かにそういう作り方のアルバムでしたね。じゃあ、ソロ・アルバムを出そうと思ったのはいつ頃ですか?

いつだっけな? でも『ランドマーク』終わった頃には、もう言ってた気はしますね。『ランドマーク』から『今を生きて』まででなんとなくひと区切りな感じはしてたので、ちょっとやっぱここでソロを作りたいなって気持ちはあって。

-それは音楽的なアウトプットが必要だったから?

そう。音楽的なアウトプット。もう、ちょっとアジカンに持ち込んでいいのか?って気持ちもね。たとえば自分のインディー・ロック趣味というか、志向みたいなヤツを。それはもうちょっと無理があるものもあったり、プレイヤビリティでも無理があるのかもしれないし。あと状況的にもたとえば昨日の夜みたいに(インタビュー前日の3月10日にソロ曲「Route 6」をSoundCloudにアップ)曲をアップできないでしょ?アジカンの曲では絶対。

-自由度がない。

そういう意味ではバンドの活動とはまた別にセパレートしていかないと、今現在の音楽の発表の仕方の有り様に、うまく自分がアジャストできてない部分があって。

-確かにそうですよね。そして今回のサウンド・プロダクションで特徴的だなと思ったのが、ビートは全部、打ち込みですよね?

そうですね。

-ドラムレスっていうこととか、何か音作りの起点になるものはあったんですか?

特にそれに関してはないですけどね。どうしてドラムがいないか?って言ったら、D.I.Yでやる以上は自分で叩けないし、あとはそうだね......予算的にも増えるから。厳しくはないんだけど、ドラマー雇うとおおごとなんですよ。

-全体像のイメージも変わるだろうし。

信頼できる人がいればいいのかもしれないけど、ドラマーはちょっとキツイな、みたいな。セッションとかやるとなると、もうそんなめんどくさいんだったらアジカンに持ってくわっていう(笑)。