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INTERVIEW

Japanese

ヒトリエ

2014年01月号掲載

ヒトリエ

Member:wowaka (Vo/Gt) シノダ (Gt) イガラシ (Ba) ゆーまお (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-3ピースで活動を始め、のちにギタリストやギター・ヴォーカルとしてもニコニコ動画などで精力的な活動をなさっていたシノダさんが加入なさった。

シノダ:同人系やボカロ系のライヴ・イベントがあると、取り敢えず見に行ってたんです。最初の接点は、(イガラシとゆーまおの)ふたりがライヴ1回のために同じステージに立って演奏していたライヴに客として行って、で、なぜか最終的にそのライヴの打ち上げに参加していて。

ゆーまお:何となく認識はあったんだよね。シノダって奴がいて、ギター弾いてて、名古屋に住んでるって。

イガラシ:ライヴ見るためにわざわざ名古屋から品川に来てるって言うからかわいそうだなーと思って(笑)、打ち上げくらい呼んであげようかなって軽い気持ちで呼んだら、その場でいろんな人に爪跡を残して、いろんな人の記憶に残って......本当あの打ち上げ呼ばなきゃ良かったよね。

一同:(爆笑)

シノダ:そのときは荒々しかった時期で、フラストレーションも死ぬほどあって、結構がんがん行ってる人たちが集まる場だったし、せっかく来たからちょっと俺も......と思って。その結果がいまなんじゃないかなと(笑)。

wowaka:僕はその打ち上げにはいなかったんですけど、そういうことが積み重なった結果、なぜか僕も彼の存在を知っているという状態ができたんですよね(笑)。"なんか名前よく聞くな!?"っていう状態。3人でオリジナルを作ったり、もう少し音楽的なことをやっていくにあたって、どうしても"もうひとり必要だな"と思ったんです。僕も会ったことはないけどこの人を知っている状態で、ふたりはそれなりに繋がりがある。それで彼の動画を見たり、ふたりの話を聞いて"それなら一緒にやっていけそうだろう"と思って。

シノダ:それで一緒にやってみようかって話になってスタジオに入ることになったときに、初めて(wowakaと)会ったんです。勿論存在は知ってたし、曲も聴いてたんですけど。

wowaka:やっぱりバンドとして自分の頭のなかに鳴っている音はギターが2本以上あるんですよね。"じゃあなんで3人で始めたの?"ってことになると思うけど(笑)、それは"バンドやりたい!"の衝動が大きかったから。だから彼が入ってくれたことでバンドとしてしっかり機能し始めた気がしています。

-とても健全なスタートなんですね。語弊があるかもしれないですが、もともとインターネット・シーンを拠点に活動していた方々が、そうやって肉体的なプロセスを踏み、純粋な感情でバンドを始めるのはすごく興味深いです。

wowaka:それは僕も思っていて。こういう世代なのに、やっていることはそういう地の繋がりが多いんですよね。ネットで曲や動画が広まっている裏で、ちゃんとした人間的な繋がりがあって、その時点で交友ができていた。――いま世にいるバンドは僕らみたいな文脈ではないと思うんです。でもそういうところから健全なものが始まっていくのが面白いなというのは無意識的に感じていたことでもありますね。

-4人でヒトリエを始めてから"地に足の着いた活動をするために、敢えてインターネットと一定距離を置いた"とのことですが。

wowaka:自分が(バンド活動を)やっていることを確かめる的な意味で、ちゃんとバンドの曲を作って、セッションして合わせて、それをライヴでお客さんの目を見て、共有しながら演奏するという活動を、まずちゃんとできるようになりたかったんです。それをやらないまま自分の曲が世の中に広まっている感覚があったので、純粋に生で演奏する力だったり、歌う力だったり、やり取りをする力だったり......そこに対して体がついていってない気がしたんですよね。そこがないと今後、大げさかもしれないですけど、生きていけないなと思ったんです。だからインターネットを使った活動はひとまずやり尽くしたから、今度は生身の活動をまずちゃんとやろうというところに意識が向いたんですよね。

イガラシ:ライヴは演奏がうまいとかだけじゃなくて、ライヴの空気がかっこよくないと、いくらかっこいいものを発表しても......バンドをやっている意味がないというか。それはなりたかったものではないと思うので。

ゆーまお:完成したものをインターネットで聴いて、個人が良し悪しを判断して、それを評価されて――というところで留まってると思っているのは個人個人だけなので。弾いたり作ったりする僕らからすれば、それを人前でやったり、生音を聴きに来る人がいるのはとても自然なことだと思うので。それを忘れがちな状態はできていると思うんですけど、あるべきことをやっているだけですね。