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INTERVIEW

Japanese

FLiP

2013年07月号掲載

FLiP

メンバー:Sachiko (Vo/Gt)

インタビュアー:沖 さやこ

精力的なライヴ活動を行い続けている4ピース、ガールズ・エモ・ロック・バンド、FLiPが3rdフル・アルバム『LOVE TOXiCiTY』を完成させた。“愛の毒性”という意味のタイトルが掲げられた今作は、全曲セルフ・プロデュース。FLiPというバンドの人となりが色濃く出た、生々しい作品だ。音に対する本気の愛情が漲る今作について、アルバムの全作詞を手掛けたSachiko(Vo/Gt)に語って頂いた。

-まず今作が全曲セルフ・プロデュースになった経緯を教えて頂けますか?

2nd(アルバム『XX emotion』)までに積み上げてきた、わたしたち自身が築いたFLiPの壁があって。それは……きっと、ちょっと偏ったものだったんじゃないかと思ったんです。これ、言葉にするのは難しいんですけど……2ndまでは“曲の幅を広げよう”“FLiPというバンドでどういう曲が作れるんだろう”という、自分たち自身を試している感じがあって。いろんなタイプの曲を作ってきて、いろんなことをチャレンジしたからこそ今回の3rdでもう一度自分たちのバンドの本質と向き合おう、きっと抑え込んでいた部分もあっただろう、と思ったんです。自分たちの根底にあるサウンドの匂いをもう一度体に纏いたい。もう一度思い出したい。そういうことを2ndを作った後に強く思ったんです。だから……3rdを作るにあたって、これは4人でしっかり話し合って、4人でジャッジしていって、4人が思い描く音を作っていけば、自分たちが納得する1曲1曲が出来るだろうという思いからセルフにしました。だから、精神論から入ったんです。万人に受けようとしてしまったら、オリジナリティはどこかに行ってしまう、薄れてしまうというのを感じたんですよね。2ndまでは“みんなにFLiPの曲を好きになってほしい”“嫌われたくない”と思っていたんです。でもそれが自分の中で中途半端で。どう聴いてほしいか、どう聴かれるかを想像するのではなく、自分たちが何をどう聴かせたいか――日々生活していく中でそういう気持ちが出てきて、ちょっと視点が変わり始めたんです。もっと荒い感情を出したいのになぜか綺麗に収めようとしているという、理想と現実のギャップがあって、今回その帳尻を合わせたくて。

-綺麗に収めようとしていたのは、嫌われたくないからですか?

きっとそうだと思います。例えば「タランチュラ」の歌詞にある“排泄”という言葉とか、「カミングアウト」にある“首を絞めて”とか……自分の中にある“欲”を出すと引かれるんじゃないか?FLiPチームさえも“サチコ、それは良くないんじゃない?”と言うんじゃないか……そういう恐怖心もあったし。だからそういうことを音楽で表現することを躊躇ってたんです。でも今回は“そういうところを解放していいよ、もっとあなたのパーソナルな部分を撒き散らかして吐き散らかしなさい”と(チームの)みんなが言ってくれて。それなりに自分自身の覚悟も必要だったんですけど、いろいろ考えた末に腹を括って“最高のものを作ってやろう”と思って挑みました。

-インディーズ時代には自分をさらけ出すことは出来ていたのではないでしょうか。

逆にインディーの頃は自分をさらけ出すことしかしていなかったんです。失恋した直後に泣きながら作った曲とかもあるし。だからインディーの頃は“思い”しか歌ってなかったんですよね。でも今回はその“思い”を今の自分でもっと表現したかったんです。今作は個人としてもバンドとしても、主観的要素がとても強いアルバムだと思います。

-『LOVE TOXiCiTY』は恋愛だけでなく、女の子の気持ちを詰め込んだアルバムだと感じました。「二十億光年の漂流」は背中を押してくれるような曲ですね。

FLiPの音を聴いてくれる人の背中を、ちょっとでもいいから押してあげたくて。言葉やサウンドが持つエネルギー、それが音楽だと思うんです。わたし自身が音楽から元気をもらったり“もっと頑張らないと”と思う感情を聴く人にも感じてほしいと思うので。わたし自身も好きなことには突っ走らないと気が済まないタイプなので。たまに立ち止まったり、諦めそうになることもありますけど……“自分が歩んでいる人生の中で掴みたいものがあるなら、がむしゃらになるべきだよ!”と、自分が自分に言いたいことでもありますね。