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INTERVIEW

Japanese

sleepy.ab

2013年02月号掲載

sleepy.ab

Member:成山剛 (Vo/Gt)

Interviewer:石角 友香

『paratroop』(2009年)、『Mother Goose』(2011年)の2枚の後、再びインディーズに戻ったsleepy.ab。この間、ドラムの津波秀樹の脱退という、バンドにとって初めての事態も迎えながら2年ぶり、オリジナルとしては7作目となるアルバム『neuron』を完成。北海道出身・在住ならではの空気感を持ったサウンドスケープが魅力の彼らだが、良質で静謐なポスト・ロックというイメージをいい意味で凌駕するタフネスや実験的なアレンジ、リズムにアプローチした新作はバンドの明らかに新章を実感させる。マイ・ペースに見えるバンドに起こった“変わること”への素直な希求を成山剛のインタビューで届ける。

-時間が経ちましたが、昨年の“新譜録音経過報告行脚”ツアーの初日を拝見できて良かったです。新曲って何曲やりましたっけ?

新曲は「euphoria」「ハーメルン」「undo」「earth」……と「アンドロメダ」ですかね。

-「undo」すごかったですよ。

捩れてて(笑)?

-(笑)、いや、今までにない感じのテンションで。その後、ツアーはいかがでしたか?

(新宿)LOFTが1発目で、すごいガチガチというか、特に前の3人のほうが緊張してる感じはありましたね。お客さんもすごく緊張感のある顔してましたね。ステージを見たいけど見たくない、みたいな(笑)。特に最前列の人からそれが伝わってきてさらに緊張して。でもどんどん良くなっていきましたね。ちょっとデコボコしたところが馴染んでったなという。

-さて、今回でオリジナルは7枚目で。割と早い段階に新曲「アンドロメダ」が発表されて、予告を見た印象があったんですが、そこからアルバム完成までは長かったですね。

「アンドロメダ」をシングルとして出す頃に5曲ぐらいできてたんです。「lump」と「darkness」と「torus」とか。でもその後また長いストップがあるんです、津波が脱退するという。

-ちなみにsleepy.abにとってのメジャーでの活動は、その後に何を残したと思いますか?

う~ん……けっこう自分たちで“メジャーはこうだ”とかっていうのを決めつけ過ぎて、勝手に背負ってたというのはあったかもしれないですね。

-具体的にはなんでしょう?

レコード会社の人はメジャーだからって“ポップにしたほうがいいんじゃない?”なんて(笑)、絶対言わなかったし、“北海道から東京に来て”とも言わなかったし。けどそれを自分たちで“けど、メジャーだしな”って……露骨には思ってないですけど、勝手に解釈をしたというか。

-自分たちに気負いがあった?

そうですね。でもそうじゃないとできなかった曲もあって、シングルの「君と背景」とかは。それはいい経験だったなと思ってますけどね。

-そこで学んだことの今回のアルバムへの影響はある?

なんかその……内容もそうですけど、見え方のバランスだったりが、変わるんだろうなと思いますけどね、今回は。

ディレクター:“考えない”ってことを学んだんじゃない?

ああ(笑)。例えば、考えて“sleepy.abはシーンのここら辺に行きたい”とか、今まで考えたことないクセに、メジャーに行ったことによって、ちょっと利口になろうというか、意識し出したんですよね。けどその考え方が元々ちょっと見当違いだったりするんで、自分たちでは追っててもずっとすれ違ってる雰囲気もあったし。

-見当違いなんだっていうことを言葉にして確認したと。

その……極端ですけど、考えるのをやめて好きなものをやるしかないというか、sleepy.abをなぜ続けたいか? やる意味というか。世界観みたいなものを見せるっていうのが唯一なんとか生き残れるところかな? って、すごい話し合いましたね。やっぱりそれは津波の脱退っていうのが、このバンドについて考えるいいきっかけになったところはありますね。

-特にバンドのどんな面について話したんですか?

なんとなく続いていく感じというか、マンネリな部分っていうか。特にライヴに関しては繰り返していくうちにそういうものが続いてたっていうのはありますね。