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INTERVIEW

Japanese

矢沢洋子

2012年10月号掲載

矢沢洋子

Member:矢沢洋子

Interviewer:伊藤 啓太

前作からほぼ1年ぶりのリリースとなる本作は前作の矢沢洋子名義から一新、矢沢洋子&THE PLASMARSという名義でのリリースとなった。事実上のバンドとなった彼女はTHE PLASMARSという強力な仲間と共に本作『ROUTE405』というミニ・アルバムを作り上げた、今作のテーマはやはりバンド・サウンドであり“ロック”であることは間違いないだろう。『ROUTE405』という彼女にとってはある意味最初のロック・アルバムと、彼女の思い描く“ロック”について聞いた。

-制作は順調でしたか?

歌詞とかは今までにないくらい時間かかってしまって大変だったんですが、去年のリリースが8月でそれ以降台湾や中国大陸でライヴをしたり、Gacharic Spinとカップリング・ツアーを20本回ったり――その後に地方でも去年よりも精力的にライヴができているな、という感じで、その勢いに乗って新しい音ができたので良かったなと。

-海外のライヴの反応はいかがでしたか?

台湾と中国大陸は大盛り上がりでしたね。台湾にも中国大陸にも女のロックンロール・アーティストが少ないらしいので、凄く珍しかったみたいです。なので非常にやりやすかったです。MCも英語と日本語と、わずかな中国語で乗り切りました(笑)。――こんにちはと、名前と、“アガってるかい!?”っていう中国語が“ハイ・プー・ハイ”って言うんですけど、“ハイ・プー・ハーイ!!”っていうのを20回くらい言ってましたね。その度に凄い盛り上がりで(笑)。手ごたえがありましたね。それに比べると中国大陸は歌っている間は凄く静かで、これは“ヤバイ”のかな?と思っていたら、1曲1曲終わるたびに“ウワー!!”て大歓声があがって。

-日本でもそういう土地ありますよね、聴き入るというか。

そうですね、日本も場所によっては盛り上がるところと、しっかり聴き入る場所とありますよね。でも中国大陸なんかは5日間滞在していたんですが、いろんな意味で充実して大成功に終えることができました。

-今作にその影響は出ていますか?

そうですね、1作目、2作目に比べて今作は、メンバーがギターもベースもドラムもコーラスも全部やってくれたんで、よりバンドとしてのグルーヴが出たと思います。ライヴは今まで以上にグルーヴ感が出せるようになったと思います。

-今回矢沢洋子&THE PLASMARSという名義でのリリースになりますが、これはどういった経緯でこうなったのでしょうか?

この名前は私が決めたわけではなく、制作も終わり、音も録り終わったかなって時に、古河でライヴがあったんです。その時にギターウルフさんと一緒で、私プライベートでも仲が良いんですが、対バンは初めてで。ライヴが終わった時にセイジさんが、“洋子ちゃん絶対に矢沢洋子じゃなくてバンド名にした方がいいよ”って言ってくれて。でも私としては、矢沢洋子がようやく定着してきた感じがあったので。でも、以前から、ライヴハウスの店長さんや、先輩に“バンド名義にしたら?”って言われることは多々あったんですが、セイジさんに言われたらなかなか引き下がれないなって。そんな中でこの間RISING SUN ROCK FESTIVALに行ったときに、怒髪天の増子さんにも相談したんですよ。“セイジさんが矢沢洋子&THE PLASMARSでいけって言ってるんですよ”って言ったら“それいいじゃん!”みたいになって、どんどん引き下がれなくなりました(笑)。

-外堀から埋まっていった感じだ。

外堀からなんですが、私自身常にバンドでやりたいっていう気持ちは元々ありました。確かにメンバーはサポートからスタートしてるんですが、もう4~5年一緒にやっているんですね。だけど、サポートってあくまでサポートじゃないですか、それが凄く嫌だったんです。やっぱり正式メンバーの感覚でみんなにもいてほしかったし、他所でも矢沢洋子のサポートをやっているというのではなく、自分のバンドのヴォーカルが矢沢洋子だっていうくらいに、もっと中に入ってきて欲しかったので。今回面白い経緯ではありますが、矢沢洋子&THE PLASMARSになることによってみんなのテンションもグッと上っていると思います。アー写とかPVにもガッツリ入ってもらいましたしね(笑)。新曲のリハーサルも、メンバーに“もっと前に出てきてー!”みたいなやりとりが凄く楽しいですね。