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INTERVIEW

Overseas

THE VACCINES

2011年05月号掲載

THE VACCINES

Member:Freddie Cowan(Gt) Arni Arnason(Ba)

Interviewer:山口智男

FUJI ROCK FESTIVALから5ヶ月、THE VACCINESが再び日本にやってきた。2011年3月にリリースしたデビュー・アルバム『What Did You Expect From The Vaccines?』のヒットによって、人気と評価を決定的なものにしたロンドンの4人組。ようやく実現した今回の単独来日公演でも日本のファンが“UKギター・ロックの救世主”と謳われる彼らに寄せる大きな期待と、バンドの熱演が一つになり、幸福感に満ちた熱狂を作り出していた。東京公演の前日、Freddie Cowan(Gt)とArni Arnason(Ba)にインタビュー。甘美な白日夢を思わせるTHE VACCINESサウンドがいかに生まれたものなのかその秘密を教えてくれた。

-延び延びになっていた単独来日公演が今回、遂に実現しますね。

Freddie Cowan(以下F):昨年、FUJI ROCK FESTIVALで来た時もうれしかったけど、今回は時差ボケがない、万全のコンディションでライヴに臨めるから、よりうれしいよ。昔から東京に来るのが夢だったんだ。去年、来た時は東京に6時間ぐらいしかいられなかったし、時差ボケもつらかったしね(苦笑)。今回は昨日、日本に着いて、今日一日、のんびりさせてもらって……まぁ、こうやっていくつか取材は受けているけど、夜はHOWLERっていう友達のバンドのライヴも観にいけるし、新幹線で大阪にも行けるし……思いっきり楽しもうと思って、今から興奮しているよ(笑)。

-フジで演奏してみて、日本のオーディエンスの印象は?

F:もちろん、最高だったよ!

Arni Arnason(以下A):フジは何よりも景色がカラフルだったな。僕が生まれ育ったところでは、ああいう深緑色した山々はほとんど見ることができないからね。その山々を背景にして、まるでシリアルをぶちまけたみたいに色とりどりの格好をした、たくさんのオーディエンスがびっしり、ずーっと向こうまで続いている。まずその光景にびっくりさせられたよ。何を期待していいかわからないまま、ステージに上がったんだけど、フジのライヴは最高の体験になった。そういうとき、日本語ではヤバーイって言うんだろ?(笑)

-明日の東京公演、明後日の大阪公演ともに、きっとものすごく盛り上がりますよ。

F:ホントに? そうだといいね。

-実は僕はまだTHE VACCINESのライヴを観たことがないので、今回のライヴをとても楽しみにしているんですけど、噂によると、ライヴではアルバムよりも演奏がさらにダイナミックになるそうですね?

F:アルバムを作ってからけっこう時間も経っているし、アルバムを作った時は未熟だった俺達もそこから成長しているしね。

-ライヴで演奏する時は、どんなことを心がけているんですか?

A:自分達たちが作った音源を、何かしら新しいものにできるよう意識しているよ。

F:それとバンドとして一つになることかな。“音楽的にはもちろん、精神的にも肉体的にも一つになって突き進んでいく。”それがライヴの目標だよ。もちろん、それができるようになるには時間と経験、それに猛練習が必要だけど、ライヴを重ねてきたことで、アルバムを作った時は未熟だったバンドもバンドが奏でるサウンドも進化しているよ。そういう進化や成長の結果が次のアルバムにちゃんと表れたらいいね。

-バンドとして一つになるという話が出ましたけど、THE VACCINESって幼馴染みや学校の友達が結成したバンドではないですよね。4人のメンバーが出会った時にはすでにミュージシャンとして、それぞれに活動歴があった。そういう4人が出会った時、お互いにどんなところを認めあって、この連中となら一緒にバンドができると考えたんですか?

F:最初はJustin (Young / Vo)と俺と、その後辞めてしまった、もう一人のメンバーと始めたんだけど、俺達たちは共通の使命を持っていたんだよ。Arniも出会ったとき、同じようなことを自分の使命だと考えていた。つまり俺達たちが出会ったのは偶然ではあるんだけど、必然でもあったんだ。Justin、Arni、ドラムのPete(Robertson)、そして俺――今の4人が揃ったとき、4人は出会うべくして出会ったという感覚が確かにあったのさ。その後、リズム隊の2人が生むグルーヴに俺が何て言うか、ユラユラした音色のギターを加えると、そのミスマッチなところから、いいケミストリーが生まれるってことが段々、わかってきたてね。そんなふうに最初、種だったものがライヴを重ね、やがて花を開いていったんだ。4人が出会ったことによって、新しい音楽が生まれたという実感もあるしね。この4人が出会ったのは、やっぱり偶然なんかじゃなくて、必然だったんだよ。