クリープハイプ|Skream! インタビュー
身を切るようにリアルな日常性。少年のようなハイトーン・ヴォイス。その独特な楽曲により、ジワジワとその名を広めつつあるクリープハイプ。尾崎世界観、一人のユニットから新メンバーを迎えてのバンドの再出発。そして、待望の1stアルバム『踊り場から愛を込めて』のリリース。新たに回転を始めた歯車を前にして、今ナニを思うのか。尾崎世界観にその真意を問うた。
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尾崎世界観(Vo&Gt)
INTERVIEWER : 山田 美央
-本誌でのインタビューが初なので、まずはバンドについてお聞かせください。バンド名や個人名義に意味はあったりするんですか?
尾崎世界観(以下 尾崎):バンド名は映画の台詞とかでたまたまあったものを合わせたりして、そんなに意味はないですね。“世界観”ていう名前は、「世界観があるよね」って言われてもよく分からないじゃないですか、世界観て。その時は、適当によく分からないものを「世界観があるよね」って言っておけばいいのかなって解釈していた時期で。だからもうふざけて名前にしてみようって。そしたらそれが定着してしまった感じで。
-なるほど(笑)。今回のアルバムの前に、バンドから一人でのユニットを経て、去年末から再びバンドとして活動されて、楽曲制作の面で一人の時とは違った変化はありましたか?
一人の時は、自分で全部お金も払って練習しなければいけないので回数も限られて、出来る限り少ない時間でできるようにある程度固めて、やってくれる人にイメージを伝えるって感じだったんですけど、ちゃんとしたメンバーになってやってもらうと、もっと前の段階から一緒に出来るのでよかったですね。やりやすいと言うか。歌を作って歌詞を書くこと以外の先の作業っていうのはそんなに執着がないんです。やっぱり最初の曲を作るところに注力すると言うか。そこが一番大事なので、そこから先は他の人たちとやった方が楽しいですね。
-アルバムのタイトル『踊り場から愛を込めて』にはどういったメッセージが込められているのでしょうか?
僕がいつも書いてる日記のタイトルをふざけてつけてて、内容とは別の全然関係ないタイトルにしているんですけど、そのタイトルからつけてもいいんじゃないかって。見直してみて「踊り場から愛を込めて」って言う言葉があって、それいいんじゃないかなって。「踊り場から愛を込めて」っていうのは、僕、警備のバイトをしてたんですけどそれがすごい暇で、よく誰も来ない階段の踊り場で座って日記書いたりしてたんですよ(笑)。そのバイトしてる半年間くらい、ヒマな時にずっと今回のアルバムに入る曲の歌詞を詰めたりとか、レコーディングまでどうしようかなってずっと考えてたんで、それも繋がってていいかなって。
-尾崎さんのルーツとしてかぐや姫や南こうせつなど日本のフォーク色が強いイメージがあったんですが、本作はフォーク色を感じさせつつもバラエティ豊かな曲が並んでいるなぁと言う印象を受けたのですが、どういった変化があったのでしょうか?
メンバーが固まって、そういう演奏が出来るっていう引き出しが増えたというか、ちゃんといっぱい引き出しがあるのにそれを使わないっていうのはもったいないので。今まではやっぱりそこまで技術が足りなかったのかなっていうのはあって。なんでも出来るものは貪欲に取り込んでいこうみたいな。あとは、メンバーも楽しませたいっていうのはあります。メンバーもその方が楽しくやれるならいろんなことやってもらって。歌に関しては、自分の中で固まっているので音がちょっと変わっても全然問題ないなって思います。
-歌詞に関しては、全体を通して恋愛やパーソナルな部分に触れた楽曲が多いですよね。
恋愛の歌が多いのは、実はそこまでそんなに恋愛の曲を書きたいって言う気はないんですよね。歌詞としてはそうなんですけど、恋人って言う距離感が一番理想な距離感なので、人と人のその距離感を伝えたいというか。繋がっている感じというか。たまたま男女の関係が一番自分が歌いたい距離感だから、恋愛になっているとは思うんですけど。そんなに意識としては、恋愛の曲を書いているっていう意識はないですね。
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踊り場から愛を込めて
Price:¥2300 → ¥2149 by AmazonRelease : 2010-09-08
耳に突き刺さるように飛び込んでくるハイトーン・ボイス。特異なまでに男女の視点が交錯し、息遣いが聴こえるほどにリアルな日常。ロックと呼ぶには余りに繊細で、フォークと呼ぶには余りに生々しい。尾崎世界観(Vo&Gt)の描く歌詞は、自分の身を守る術を知らない子供のように無防備だ。その無防備さゆえに、鋭利でやや暴力的に人間関係の核心にするりと迫っている。そして、平常のうちに一瞬ギラリと光る瞬間を切り取り、現在の時間軸とは別に独立させて捉える。だからこそ、特定の個人の時間軸・経験の延長上にあるのではなく切り離されたものとして、非常にリアルでありながらも一種の“物語” として、どの瞬間に対しても私たちは入り込むことが出来るのだろう。世の中を動かしたいだとか、世界を救いたいだとか、尾崎の言葉の中には大義名分はない。今そこにある人間関係を描いているからこそ、ヘッドフォンから流れる搾り出すようにギリギリの歌声は、確かに心を打ち震わせ、閉まっていた思いを直接的に揺さぶる。“人と人との繋がりを描きたい”という尾崎の言葉が、レコードを通して4人と私たちとを繋ぐのだ。
(山田 美央)- 2012.05.01
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Skream! Interview





































