オワリカラ|Skream! インタビュー
今、東京・新宿で沸々と盛り上がりを見せているシーン、TOKYO NEW WAVE。そのシーンの先陣を切っているのがオワリカラだ。タカハシヒョウリを核として突出したメンバーが己の個性をぶつけ合う、生々しいライヴが印象的な彼ら。各夏フェスへの出演、ワンマン・ライヴと目まぐるしい活動の中、待望の1stアルバム『ドアたち』がリリースされる。激動の最中、オワリカラの見つめる“今”と“これから”について、タカハシヒョウリを直撃した。
オワリカラ : Official-Site myspace
タカハシヒョウリ(Vo&Gt)
INTERVIEWER : 山田 美央
-生の音で触れていたであろう80、90年代のロックを飛び越えて、60、70年代の音楽により色濃く影響を感じます。まずは、バンドのバックグラウンドについてお聞かせください。
オワリカラは、メンバー四人の音楽のバックグラウンドが本当にバラバラだから、なんというかバンド全体でコレという影響を受けた物はあまりないです。四人の必殺技の出し合いで成り立ってるバンド、という感じなので。僕はボウイや陽水とか、ベースの津田君はフリー・ジャズやアヴァンギャルドから川本真琴、鍵盤の亀田君はダフトパンクから緻密なポップスまで、めちゃくちゃなんです。
-なるほど。これまでの企画などを見ていても、あがた森魚との対バンなど自分たちのいいと思ってる音楽を積極的に若い世代に伝えようとしている印象を受けます。自分たちの音楽の中に取り込んでいる音を広く聴いてもらいたいと思う気持ちは強いのでしょうか?また、自分たちの音楽が世の中に与える影響はどんなものであって欲しいでしょうか?
僕はロックバンドというのはドアみたいなものであってほしいな、と思っています。自分の高校時代とか、僕は音楽を通して、それまでにない新しい感覚をもらったし、そこからつながるいろいろな文化に、自分の知らない世界があるんだ!と本当にワクワクさせられました。僕の音楽も誰かにとって、新しい感覚でも、新しい音楽でも、新しい友達でも、なんか新しいつながりになるドアのような物になったらすごくうれしいです。
-最近、オワリカラがサイケデリック・ロックにカテゴライズされているのをよく見ますが、個人的にはかなりロック色が強いように思います。ご自身では“オワリカラ”というバンドをどのように捉えているのでしょうか?
オワリカラは“自分の思うロック・バンドをやりたい”という気持ちで組んだバンドです。僕の思うロック・バンドというのは音楽性というより、そのたたずまいのことです。四人のメンバーが100%ずつを持ち寄ってぶつかり合い、400%になってしまっているというイメージ。メンバーひとりひとりがバンドのコアになるようなミュージシャンで、それが四人集まっている、それこそレッドツェッペリンのようなバンド。それがオワリカラです。
-Far FranceやSuiseiNoboAzなど同じ方向を向いて活動している “TOKYO NEW WAVE”。 このシーンに共通しているのは、ものすごく実直で熱いと同時に、核にあるものは実は結構醒めたリアリズムだと思います。でも、ライヴを見ると分かるように、決して諦めがあるわけでもなく、その絶妙な振り切れ方が聴く人を揺さぶる原動力なのかな、と思います。
“TOKYO NEW WAVE”のバンドは全バンドが違うヴィジョンで音楽をやっています。ほかのバンドはわからないけど、オワリカラはできるだけ正直な目線で音楽もライブもやりたいと思っています。僕はライブハウスでのライトに包まれて輝かしい時間はもちろん、それが終わることも、機材が片づけられて、ただの地下室になるまでも全部音楽にしたい。それは絶望をことさらに投げかけるのでもないし、見せかけのハッピーを歌うのでもない、その表裏一体のところを音楽にできたら、それが今の自分には一番正直な物だと思っています。そのうえで聴いてる人にポジティブな物を与えられたら、と思っています。
-今回、1stアルバム『ドアたち』をリリースするにあたって自らレーベルを設立されていますが、なぜレーベルを設立されたのでしょうか?
できるだけ身軽に、ダイレクトに聴き手に届けたかったからです。オワリカラの音楽は、もともとライブハウスでの活動と、自主制作盤だけで成り立っていたので、今回のリリースもできるだけ自分たちからダイレクトに出せる環境を選びました。
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ドアたち
Price:¥2500 → ¥2320 by AmazonRelease : 2010-08-04
気が付けば、ノストラダムスの予言から11年が経過した訳で、私たちは変わりない毎日を生きている。けれど、恐怖に包まれた1999年以降、あけすけに幸せが充満した音楽に紛れ、シニカルな音楽が着実に育まれてきたように思う。そんな2010年に産み落とされたオワリカラの1stアルバム『ドアたち』。暴力的なまで引きずり込む熱気と、浮遊感あるノスタルジックな余韻が全身を圧倒する。中でも、「団地」は衝撃であった。人々の生活空間を“ハコ”という完結かつ閉鎖された空間となみす客観視の鋭さと、そこに存在する生活をいとおしいと感じる主観的な温もり。そして、最終的には逃れることの出来ない結末を受容する微妙な矛盾。衝動や焦燥感を伴った不安定な感覚は、限界まで掘り下げられ、吟味・咀嚼され、再構築された上で吐き出される。そこには、日常性を剥き出しにするタカハシヒョウリその人の人間性が、色濃く凝縮されているように思う。そして、練り上げた感情を実体として解放できるのは、強烈にストイックな4 つの音が存在しているからだ。誰もが全力で一点を目指す。“全員が4番”というサウンドが互いに音を磨ぎ合うからこそ、言葉が突き刺さるように弾けるのだろう。彼らをサイケデリック・ロックと言うジャンルで括ってしまうのは、どうも解せない。おそらくは、音楽性のカテゴライズというよりも、もっと深いそれ以上の世界を彼らは捉えているのだ。“オワリカラ”始まる“コレカラ”。まばたきする一瞬さえも惜しい。
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