鴉|Skream!インタビュー | カラス

2010.08.16.

鴉|Skream! インタビュー

鴉|Skream!インタビュー

メジャー・デビュー・シングル『夢』、そして2ndシングル『風のメロディ』と、自らのアイデンティティである“激情”を根底に持ちながら、新たな表現の可能性を鴉(からす)は模索してきた。東京での2度目のワンマン・ライヴとなった6月19日・下北沢SHELTERを熱狂で締めくくり、バンドとしてたくましさをさらに増した彼らが放つニュー・シングル『黒髪ストレンジャー』も、“激情”のイメージだけには収められない意欲作だ。その「黒髪ストレンジャー」を披露した下北沢SHELTERライヴをあらためて振り返りながら、現在の彼らがどんなマインドいるのかを探ってみよう。

近野 淳一:(Vo&Gt)一関 卓:(Ba)渡邉 光彦:(Dr)

INTERVIEWER : 道明 利友


-「黒髪ストレンジャー」は、先月号でレポートした下北沢シェルターワンマンでも聴かせてもらいました。イントロの長いセッションも新鮮だったんですけど、ああいう試みは鴉としては珍しいんじゃないですか?

一関:はい。初めてやりましたね。ああいう試みを、人前で。

近野:練習中とかに、本当にたまにやることはあって。でも、それを人前に持っていくつもりもなかったんですけど……。曲を普通に、機械的に繰り返してやるんじゃなくて、とっさの瞬発力みたいなものがちょっと欲しくなってきて、やってみたんですよね。

渡邉:スタジオでも何回もやったんですけど、演奏は毎回違うし、むしろ、毎回違うふうにしようって気持ちもあったし……。でも、意外と手くせみたいなのは決まってきちゃったりもして、まだまだネタ不足だなぁと(笑)。もっともっと、色んなものが出せないと。

-ネタは多く貯めておかないと、いざというときに出せないでしょうからね。とっさに面白いものが出せる、瞬発力が必要だと。

渡邉:そう。あと、それを出す勇気が(笑)。

近野:ウチのメンバー自体全員共通してるのは、たぶんそれかなって。もしかしたら、心の中にはウズウズしてるものはあるけど、それが出るには時間がかかったり、ずっと出してなかったりして……。それをライヴで実際にやってみて、俺はふたりから色んなものが見えたし、自分に対しても色んなものが見えたし。いい経験だったよね。

一関:うん!

渡邉:面白かったっす!

-ファンの反応も温かかったですね。激しくもちろん盛り上がり、曲を本当にしっかり受け止めていた感じがしました。

一関:あの反応は、ちょっとウチらの予想を超えてましたね。鴉のライヴってこんなんだっけ? ぐらいな(笑)。

近野:そうだね。でも、だから、かなり純粋にぶつかっていけたっていうのはあるかもしれない。ああいう雰囲気が初体験だったからこそ、本気で……。アゲられるところはアゲられて、でも、こっちはヘタらないように、“絶対曲げない!”って部分もありつつ。

一関:SEが鳴って出て行った瞬間から、雰囲気がなんか違ったしね。なんか、押し迫るようなものが客席からあって。

近野:図太い感じはしたかな、声援が。まぁ単純に、男子比率が高かったせいもあると思うんですけど(笑)。声援の太さがいつもと全然違うけど、“これは、新しい何かが……”っていう感じはありましたね。

渡邉:で、出て行って、1曲目から新曲だったんですけど……。なんか、思ったより緊張しなくて、わりと大きな気持ちでやれたような気はして。プレイの精度うんぬんはおいといて、わりと視野を広く、大きな気持ちで演奏できたような気はするんで……。いい感じで次につなげたいですね。

-その1曲目も含めて、まだ正式にタイトルもついてない新曲があの日はかなり多くて。その新曲群の中に、「黒髪ストレンジャー」もあったわけですけど……。まずは、タイトルの由来はぜひ聞いてみたいです。インパクトのあるフレーズなので。

近野:これは、俺がたまたまライヴハウスとかに遊びに行ったときかな? フリーペーパーとかを見てたときに、“なんとかストレンジャー”みたいな文字が目に入って、“ストレンジャー”ってなんだろ?なんかカッコいいな“と思って。カッコよくもありつつ、なんかこう……。そのフリーペーパーかなんかにもカタカナで書いてあったんですけど、なんともいえないダサさとカッコよさが融合してて(笑)。古くさい感じ? 俺の好きな古くささっていうのがそこにはあって、これ使いたいなと単純に思ったんです。俺の中では、カタカナはギリありなんで。

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黒髪ストレンジャー

Price:¥1000 → ¥909  by Amazon

Release : 2010-08-11


古いアナログレコードに針を落とし、チリチリとノイズが響く。そこへ加わるのは、ジャジーなスウィングビート。レトロなムード漂う幕開けから、これまでの鴉のどの作品とも異なる作品だということが色濃く伝わってくる。そして、いきなり響くサビのメロディーが、楽曲のテンションを冒頭からピークに持っていく。ファルセット、ささやきくようなか細い声、そして、激情を乗せた叫び……。1 曲の中で様々な表情を見せる今野のボーカルも、今作の大きな注目ポイントだ。表現力をさらに増したその歌声は、“黒髪” に惹かれる主人公の心の動きを繊細に描き出す。楽曲のストーリーをよりドラマチックに、より躍動的なグルーヴとともに表現する音物語――。艶やかで激しい、鴉の新たな魅力を体現する新境地作の完成だ。

(道明 利友)

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