Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

THE BAWDIES

THE BAWDIES

Member:MARCY (Dr & Cho) / TAXMAN (Gt & Cho & Vo) / ROY (Vo & Ba) /JIM (Gt & Cho)

Interviewer:佐々木 健治

今年4月に発売された『THIS IS MY STORY』で新たなモードに突入したTHE BAWDIES。だが、それは新境地というよりも、THE BAWDIES独自のサウンドを表現するという意味でのスタート地点とも言える作品だった。ルーツ・ミュージックを掘り下げ、ロックンロールの基盤を築いた上で、オリジナルな表現へと突き進み始めたTHE BAWDIESが放つ、シングル『IT’S TOO LATE』。『THIS IS MY STORY』からまたさらに前進した痛快なロックンロール・ナンバーだ。

-今年の4月に『THIS IS MY STORY』を出してから、約半年でのシングル・リリースとなりますが、今回の「IT’S TOO LATE」は、いつ頃できた曲ですか?

ROY:『THIS IS MY STORY』を出してから、『THIS IS MY STORY』ツアーを回って、フェスに向けての準備期間中に出来た曲です。7月11日がツアー・ファイナルだったんですが、その後に書いたので、7月の半ばくらいです。

-楽曲としては、『THIS IS MY STORY』の延長線上にあるR&Rだと思います。NAOKIさんが引き続きプロデュースされていますね。

ROY:『THIS IS MY STORY』の延長線上ではありつつも、『THIS IS MY STORY』の中に入っている一曲のようなものは絶対に嫌だったんですね。そこから何か新しいものに進んでいかなければ、意味がないと思っていたので。『THIS IS MY STORY』はTHE BAWDIES・サウンドを確立できたアルバムなので、僕達にとってとても重要なんです。これまでは、THE BAWDIES・サウンドを確立する為に進んできたところがあったので、いざ自分達の中でTHE BAWDIES・サウンドがある程度できた時に、そこがスタートラインじゃないですか?

-そうですね。

ROY:スタートラインに立った時に、「じゃあ、どうやって進んでいこうか」と初めてなったんですね。目標が変わるというか。THE BAWDIES・サウンドが出来て最初の一歩だから、これまでと見え方も違うし、同じようなものを作っても意味がないなと。そこで、初めてこれまでと違うものを見ることができたんですよね。正直、何をやったらいいか分からなかったんですが、逆に何をやってもTHE BAWDIES・サウンドになるだろうという自信が、今回のアルバムとツアーで出来たので。こういう曲をやってみようというよりも、感じるままにやって自然と出てくる音楽というのが、THE BAWDIES・サウンドが出る形としては、一番素晴らしいので、感じるままにやってみようというのが、コンセプトですね。

-『THIS IS MY STORY』でTHE BAWDIES・サウンドを確立できたということですが、今振り返ってみて、どういうところでそのことを感じることができましたか?

ROY:今まで、ルーツ・ミュージックというものを凄く大事にしてきたんですけれど・・・だからといって、ルーツ・ミュージック・バンドになりたかったわけではなかったんです。例えば、THE BEATLESやTHE ROLLING STONESがそうですけれど、ルーツを大事にしつつも、やっぱり彼らは彼らでしかないんですよね。THE BAWDIESがTHE BAWDIESでしかないっていうものを作りたいってなった時に、やっぱり最初にルーツ・ミュージックを自分達に染み付けて、土台に作るということをしないと、オリジナリティは何もないところからは絶対に生まれないので。土台があってこそ、ルーツ・ミュージックっていうフィルターを通した上で、自分達のオリジナリティを出せる。
そこを凄く大事にして一歩ずつ進んでいくっていうことをやってきたんですね。そして、やっとそのルーツ・ミュージックの土台がしっかりとできて、その自分達らしさをもうちょっと出していくというこを考えるようになってきたんです。じゃあ、自分達らしさって何だろうとなった時に、僕達は60年代の人間じゃないから。今、この時代に生きている僕達にしかない感覚ってあるはずだから。
今までは、ルーツ・ミュージックを大事にしてきたので、今の自分達らしさっていう感覚を伏せてきたんです。それを出し過ぎることで、そのルーツ・ミュージックっていう土台がぶれたり、崩れたりすることを恐れていたんです。でも、『THIS IS MY STORY』を作る前の段階で、それはもう必要ないんじゃないかなって自分達でも思ったし、NAOKIさんも「君達が考えているルーツ・ミュージック感っていうのはもう出ているから、好きなようにやってごらん」と言ってくれて。「そうすれば、自然とTHE BAWDIES・サウンドっていうのは出てくるから」と。僕達もそういう風に感じていたので、じゃあ、自然に出してみようと。そして、アルバムを作る前に大事にしたことは、ルーツ・ミュージックと自分達ならではの感覚の割合というか。自分達らしさを出しすぎて崩れてしまうことを気にしてしまったけど、NAOKIさんが「もっとやってごらん」と言ってくれて、その結果としてTHE BAWDIES・サウンドって言えるものができたんです。自然にやることで、THE BAWDIESらしさが出てくるということを学んだのが、『THIS IS MY STORY』だったんです。そういうことを学びながら作ったというのが大きかった。
そして、今回の「IT’S TOO LATE」は学びながらではなくて、学んだことを一気に開放できた。一発目から探らずに、感じたままに出すということをやったんです。そのルーツと自分達の感覚の割合も含めて、どうミックスするとかそういうことではなくて、それも含めて好きなように僕達らしさを表現するということができたんですね。