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Japanese

BiSH

2016年09月号掲載

BiSH

沖 さやこ

BiSを作り上げた、そのマネージャーである渡辺淳之介とサウンド・プロデューサーの松隈ケンタが"BiSをもう一度始める"と言い再びタッグを組み、プロデュースを担当している"楽器を持たないパンク・バンド"BiSH。今年5月のメジャー・デビューも記憶に新しい彼女たちが、早くもメジャー1stフル・アルバム『KiLLER BiSH』をリリースする。フィジカル盤は3形態で10月5日リリース、iTunesではその1ヶ月前となる9月5日に先行配信が開始――というのはよくあるパターンにも思えるが、BiSHは常識破りのプロジェクトである。iTunes、9月5日当日限定で全13曲をたったの300円でダウンロードできるというのだ。どんなことも恐れず果敢に限界へ挑戦する姿勢は、彼女たちだけでなく、彼女たちを取り巻くチームも同様である。BiSHへの自信と期待、世間をあっと驚かせたいという気持ちが、チーム全体をそうさせるのだ。
そういえば、BiSHがメジャー・デビューしてから約4ヶ月、それはそれはいろんなことがあったものだ。まずデビュー2日前の5月2日、メジャー・デビュー記念24時間連続販促イベント"24 Hour Party BiSH"を横浜BAY HALLにて開催。彼女たちは見事イベントを完遂する。その2日後、99秒のパンク・ナンバーを表題に据えたメジャー・デビュー・シングル『DEADMAN』をリリース。カップリングには小室哲哉が作曲したことでも話題になった「earth」も収録され、オリコン・デイリー・チャート3位、ウィークリー・チャート5位を獲得するという快挙を成し遂げる。

オリジナル・メンバーの脱退、新メンバーの加入――
尋常ではないスピードで駆け抜ける強く若き女子たち

私も実際、彼女たちにインタビューをして、"メジャー・デビューしてからもこの6人でどんどん面白いことを仕掛けていくぞ!"という気合いを6人全員から感じていた。だが、デビューから8日後の5月12日、オリジナル・メンバーであるハグ・ミィの脱退と新メンバー・オーディションの開催を発表。やはりハグ・ミィの脱退はショッキングだったが、全国デビュー作をリリースする前にメンバーが1名脱退した過去を持つグループでもあるので、なんだかこういうタイミングもBiSHのキャラクターのひとつなのかもしれないな、と寂しい気持ちを落ち着かせた。
6月2日、渋さ知らズオーケストラとの赤坂BLITZでの対バン・イベント"BiSH presents ~地底からコンニチワ~"を最後にハグ・ミィが脱退。私もこのライヴを観に行ったが、彼女たちは涙をこらえながら気丈に振る舞い、いつもどおりのパワフルなステージを届けようとライヴを全うした。アンコールでハグ・ミィが感謝の念を伝え、「ALL YOU NEED IS LOVE」を披露すると、間髪いれずに「BiSH-星が瞬く夜に-」が始まった。するとその場にはもうハグ・ミィの姿はなく、アイナ・ジ・エンドが"BiSHは終わらないぞ!!"と叫び、5人のBiSHが産声を上げていた。"別れの余韻に浸ることも許されないのか"とショックもあったが、BiSHはもともと常人なら短くとも3年はかける物事をたった1年で駆け抜けたグループだ。彼女たちがこの日のうちに次に進むのは必然だった。
その2日後の6月4日、メンバー5人体制で新たなツアー"BiSH Less than SEX TOUR"を横浜BAY HALLを皮切りにスタート。8月1日には新メンバー アユニ・Dの加入を発表し、新体制初ステージとなるワンマン・ライヴ"TOKYO BiSH SHiNE repetition"を8月24日にZepp Tokyoにて行った。ちなみにこの23日間もアユニ・D以外の5人は、全国ツアーだけでなく8月5~7日にお台場にて開催された世界最大規模のアイドル・フェス"TOKYO IDOL FESTIVAL 2016"に2日間出演するなど止まることはなかった。
そんな目まぐるしい活動の中で生まれたのが、この13曲入りメジャー1stフル・アルバムの『KiLLER BiSH』だ。
BiSHはメンバーが自ら作詞を手掛けることもあり、ダンスも自分たちで考えている。今作ももちろんそうで、リンリン、モモコグミカンパニー、アイナ・ジ・エンド、そして新メンバーであるアユニ・Dがその手腕を発揮している。まずリンリンはTrack.2「ファーストキッチンライフ」、Track.8「Am I FRENZY??」、Track.9「My distinction」の3曲の作詞を担当。衝動的且つ自由奔放に言葉を並べていく彼女は、強さも弱さも猟奇的だ。その言葉からも、ライヴで耳をつんざくようなシャウトをかます彼女の姿がぼんやり浮かんでくる。モモコグミカンパニーはTrack.7「KNAVE」(※JxSxKとの共作)と、英語詞のTrack.10「summertime」の2曲の作詞を担当。素朴で等身大の若者の気持ちが素直に綴られた2曲は、爽やかさのあるBiSHのメンバーの声とも相性がいい。アイナ・ジ・エンドはTrack.11「Hey gate」とTrack.12「Throw away」の作詞を担当。彼女流のいたずらっ子的なユーモアが効いた内容なので、歌詞カードを読んだ人間は思わず失笑してしまうだろう。アユニ・Dが作詞をしたのはTrack.6「本当本気」で、17歳から20歳になり、成人ながらも子供でも大人でもない立場の人間の心情をリアルに綴っている。
そしてサウンド面は『DEADMAN』でBiSHを知った人間を、いい意味で大きく裏切る内容になっている。Track.1「DEADMAN」、「ファーストキッチンライフ」と高速パンク・ナンバーが畳み掛けるため、このテンションのまま突っ走るのかと思いきや、リード曲のTrack.3「オーケストラ」はしっとりと幕を開ける、高速ドラムとストリングスとピアノが織りなす爽やかながらに切ない別れの歌である。セントチヒロ・チッチは少女性、アイナ・ジ・エンドは涙をこらえるようなハスキー・ヴォイス、ハシヤスメ・アツコは大人びた声質など、メンバーごとに異なるヴォーカル・スタイルが活きる楽曲だ。それはTrack.4「Stairway to me」も同様で、同曲はアコースティック・ギターの弦の上を指が滑る音まで聴こえる、涙腺を刺激する名バラード。彼女たちの聴かせるヴォーカルも要注目だが、約3分に渡るアウトロも素晴らしい。その余韻を切らすことなく壮大な音像を作り出したかと思いきや、途中から急にロックなアプローチに変わり、しまいには楽器隊のソロ回しに突入するという、躍動的なバンド・サウンドを堪能することができる。BiSHの6人を差し置いてバンド・メンバーが楽しみすぎなところも痛快だ。ライヴではこの音に負けないダンスを6人が披露してくれるはずだろう。
というわけで4曲目まででもかなり大きなインパクトを残してくれるアルバムである。竜宮寺育作詞、NIGHTMARE/The LEGENDARY SIX NINEのRUKA作曲のTrack.5「IDOL is SHiT」は空耳アワー的な歌詞とヴォーカルにも注目だ。燃え上がる炎のような情熱的なロック、切ないポップ系のバンド・サウンドやAvril Lavigne的なパワー・ポップ、細かいギミックの効いた感傷的なメロディ、ファスト・ナンバーからスロー・バラードまで、様々な楽曲を楽しんで全力で歌っている6人の声は非常に瑞々しい。"BiSH Less than SEX TOUR"のファイナル、10月8日の日比谷野外大音楽堂公演"帝王切開"への期待を煽る作品ではないだろうか。



BiSH Less than SEX TOUR FiNAL "帝王切開"


2016年10月8日(土)日比谷野外大音楽堂

OPEN 17:00 / START 18:00


チケット

S席 ¥30,000(税込) ※当日限定SPECIAL LIVE鑑賞権+お土産

A席 ¥10,000(税込) ※お土産付き

B席 ¥5,000(税込)

プレイガイド:チケットぴあ





▼リリース情報
BiSH
メジャー1stアルバム
『KiLLER BiSH』
2016.10.05 ON SALE
[avex trax]

killerbish_live.jpg
■ALBUM+DVD "-LIVE初回盤-" ※デジパック仕様
AVCD-93453BX/¥5,980(税別)
amazon | TOWER


■ALBUM+DVD "-LIVE盤-"
AVCD-93453/B/¥5,980(税別)
TOWER | HMV

killerbish_CD.jpg
■ALBUM
AVCD-93454/¥3,000(税別)
amazon | TOWER | HMV

killerbish_loppiHMV.jpg
■ALBUM+DVD "-Loppi・HMV限定盤-"
AVC1-93485/B/¥4,000(税別)
Disc-2[DVD]:BiSHキャノンボール、「オーケストラ」ミュージック・ビデオ収録
※luteにて未公開のシーンも収録
HMV

Disc-1[CD]
1. DEADMAN
2. ファーストキッチンライフ
3. オーケストラ
4. Stairway to me
5. IDOL is SHiT
6. 本当本気
7. KNAVE
8. Am I FRENZY??
9. My distinction
10. summertime
11. Hey gate
12. Throw away
13. 生きててよかったというのなら 

Disc-2[DVD] ※"-LIVE盤-"のみ
2016.3.27 @ Shinagawa Stellarball
"IDOL SWINDLE TOUR FINAL"
1. beautifulさ
2. ウォント
3. MONSTERS
4. BUDOKANかもしくはTAMANEGI
5. Lonely girl
6. NO THANK YOU
7. スパーク
8. カラダ・イデオロギー
9. Is this call??
10. Primitive
11. SCHOOL GIRLS,BANG BANG
12. HUG ME
13. DA DANCE!!
14. Story Brighter
15. OTNK
16. Dear...
17. デパーチャーズ
18. 身勝手あいにーじゅー
19. TOUMIN SHOJO
20. ぴらぴろ
21. サラバかな
22. ALL YOU NEED IS LOVE
Encore
23. DEADMAN
24. BiSH-星が瞬く夜に-
25. BiSH-星が瞬く夜に-
26. BiSH-星が瞬く夜に-
27. BiSH-星が瞬く夜に-
28. BiSH-星が瞬く夜に-
29. BiSH-星が瞬く夜に-



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