Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

DISC REVIEW

Japanese

2018年03月号掲載

儚心劇化

フラスコテーション

『儚心劇化』

Release Date : 2018-03-14
Label : HIGH BEAM RECORDS

兵庫県在住、"音楽を科学する"男女混合3ピース・ロック・バンドによる4曲入り1st EP。"人の夢や心は劇と化す"という意味を込めた造語をタイトルに冠し、現役女子高生、佐藤摩実(Vo/Gt)が透明感のある切実な歌声で、今抱える苛立ちや葛藤を放つ。作品の幕開けを飾る「vivid」で最初に聴こえてくる声は、歌ではなく語り。そして今作収録曲の主人公たちが抱える苦悩は、外への怒りというより内省的なものが多い。"尖っていたい"自分と、相反する"うまくやっていきたい"自分との乖離に基づくジレンマが、10代という敏感な年齢の視点で描かれているのだ。活動開始からまだ1年も経っていないという彼女たちの、今はただ勢いのまま鳴らしていたいという初期衝動が横溢している。(稲垣 遥)


Related DISC REVIEW

呼吸の景色

年間100本以上ものライヴを重ねる神戸の若手バンド フラスコテーションが、結成4年目にして1stアルバムをついにリリースする。新曲+過去曲の再録の全15曲からなる、約1時間のフル・ボリュームの本作。新曲は、佐藤摩実(Vo/Gt)の性格や意志がより表れるようになり、今まで以上に聴き手の感情に訴え掛けるものになっているし、過去作から今聴いてほしいものや思い入れの強いものを厳選したという楽曲たちは、バンドの世界観を強めている。さらには、佐藤以外の3人のメンバーがそれぞれ手掛けたナンバーも収録と、初アルバムにしてバンドの成長と今できる最大限をこれでもかとアピールする、気合充分の15曲が揃った。そんな前のめりな意気込みが表現された、こだわりのジャケ写にも注目してほしい。(稲垣 遥)


人の為の愛、人の憂いに謳う

2017年に神戸で結成されてから、ぐんぐんと頭角を現している男女混成4ピース。このたびリリースされた3rd EPには、ソングライティングも手掛ける佐藤摩実(Vo/Gt)のポエティックな世界観と、それをポップに昇華するメンバーの技量を知らしめる3曲を収録している。特に「泣いてしまえば」は、"月"と"太陽"、"夜"と"朝"という対照的な言葉を配置し、さらに"光"という言葉を散りばめることによって1曲に芯を通し、誰もが感じられるような歌詞に仕上げている。かと思えば、"ゴミ捨て場"、"グチャグチャ"、"うるさいな"などの激しい言葉が並ぶ(でも聴き心地は爽やかな)「spark」もあり。これから、どんなバンドになっていくのか? 楽しみになる。(高橋 美穂)

前作から約1年ぶりのリリースとなる、神戸の4人組 フラスコテーションの3rd EP。タイトルの"人の為の愛、人の憂いに謳う"は、人の為と書いて"偽"と読み、人の憂いと書いて"優"と読む、という組み合わせで意味が様変わりする漢字に、人の心情の複雑さを重ねているようなところが面白い。それぞれ色の違うエモーショナルなギター・ロック・ナンバーを3曲収録した今作には、爽やかさの中にどこか憂いや寂しさのようなものが漂っているように思えるが、そこには強く生きようという確かな意志や、闇を照らすような光を感じることができる。突き抜けるようなギターの音、佐藤摩実(Vo/Gt)の澄んだ歌声はもちろん、輪郭のはっきりとした存在感のあるベースと、タイトなリズムがエモいドラムのサウンドも聴きどころだ。(三木 あゆみ)


儚心劇化

兵庫県在住、"音楽を科学する"男女混合3ピース・ロック・バンドによる4曲入り1st EP。"人の夢や心は劇と化す"という意味を込めた造語をタイトルに冠し、現役女子高生、佐藤摩実(Vo/Gt)が透明感のある切実な歌声で、今抱える苛立ちや葛藤を放つ。作品の幕開けを飾る「vivid」で最初に聴こえてくる声は、歌ではなく語り。そして今作収録曲の主人公たちが抱える苦悩は、外への怒りというより内省的なものが多い。"尖っていたい"自分と、相反する"うまくやっていきたい"自分との乖離に基づくジレンマが、10代という敏感な年齢の視点で描かれているのだ。活動開始からまだ1年も経っていないという彼女たちの、今はただ勢いのまま鳴らしていたいという初期衝動が横溢している。(稲垣 遥)



Related LIVE REPORT

HIGH BEAM RECORDS Presents "ULTRA HIGH BEAM"Vol.1

HIGH BEAM RECORDS Presents "ULTRA HIGH BEAM"Vol.1

2018.02.23 @渋谷STAR LOUNGE