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DISC REVIEW

Japanese

2017年09月号掲載

視線

odol

『視線』

Release Date : 2017-09-20
Label : UK.PROJECT

前作で感じた普遍性だとかポップ・ミュージックだとか、そんな言葉だけではとても形容しがたい音楽に進化していて、彼らのポテンシャルの高さをまざまざと見せつけられた気分だ。まず、オープナーの「GREEN」から穏やかじゃない。流麗な鍵盤と耳をつんざくようなノイズ、緊迫感のあるドラムに憂いを帯びたストリングスと、一見相容れないようなサウンドが、絶妙なバランスでアンサンブルとして成立している。何より、時折トゲのある言葉を突きつけてくる歌詞も含め、彼らがこんなヒリついた音楽を鳴らすようになったことに驚いた。対して、ラストの「虹の端」はどこか民族音楽的な趣のあるギターと歌(サビの童謡を思わせる合唱がいい!)のみで紡がれる異色のナンバー。トレンドに見向きもしない独自性と、もはやアートな音の配置にため息が出る。(松井 恵梨菜)


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視線

前作で感じた普遍性だとかポップ・ミュージックだとか、そんな言葉だけではとても形容しがたい音楽に進化していて、彼らのポテンシャルの高さをまざまざと見せつけられた気分だ。まず、オープナーの「GREEN」から穏やかじゃない。流麗な鍵盤と耳をつんざくようなノイズ、緊迫感のあるドラムに憂いを帯びたストリングスと、一見相容れないようなサウンドが、絶妙なバランスでアンサンブルとして成立している。何より、時折トゲのある言葉を突きつけてくる歌詞も含め、彼らがこんなヒリついた音楽を鳴らすようになったことに驚いた。対して、ラストの「虹の端」はどこか民族音楽的な趣のあるギターと歌(サビの童謡を思わせる合唱がいい!)のみで紡がれる異色のナンバー。トレンドに見向きもしない独自性と、もはやアートな音の配置にため息が出る。(松井 恵梨菜)


YEARS

20代前半という、大人の年齢でありながらまだ大人になりきれないモラトリアムな年頃の主人公。その何気ない日常における君と僕の日々を丁寧に切り取り、詩的に紡いだ8つの物語からなる短編集――odolが1年ぶりに完成させたアルバムは、前作以上に多くの人に向け開けた、より聴き手に寄り添う1枚に仕上がっていた。幕開けで、これから届ける"あの日からのこと"を"話させてよ"と歌う、普遍性を湛えたバラード「years」に、歪んだギター・サウンドと美しいピアノが瑞々しく協奏する「綺麗な人」、精巧なバンド・アンサンブルによって豊潤で立体感のあるメロディを作り上げた「退屈」など、多彩なアレンジが全編を通して光る。そのうえで彼らが鳴らしたいのは、あくまでポピュラー・ミュージックなのだ。(松井 恵梨菜)


odol

odol(読み:オドル)は2014年に結成され、同年7月には"FUJI ROCK FESTIVAL'14 ROOKIE A GO-GO"のステージに立ったという5人組オルタナティヴ・ロック・バンド。美しいピアノの旋律が印象的なポスト・ロック・テイストのTrack.4「君は、笑う」や轟音シューゲイザー的アプローチのTrack.6「愛している」など、たしかにこの振れ幅はオルタナティヴだなと思わず頷く。とはいえ、この1stアルバム『odol』は青い衝動に満ちていて、且つどこまでもポップだ。深く歪んだギターは周囲のノイズをかき消すように、柔らかく傷つきやすい心を守るように響き、そしてそこにミゾベリョウ(Vo/Gt)のあまりに無垢な透き通った歌声がのる。まだまだ底の知れないポテンシャルを秘めた1枚。(山元 翔一)



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