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DISC REVIEW

Overseas

2016年10月号掲載

Stay Together

KAISER CHIEFS

『Stay Together』

Release Date : 2016-10-07
Label : Hostess Entertainment

"Brit Awards"の常連であり、2012年のロンドン五輪の閉会式でプレイするなど、すっかりイギリスの国民的バンドとしての貫禄を身につけているKAISER CHIEFS。キャリアにあぐらをかくことなく常に先進的な音を追求し、ロック・ミュージックの野心と、ポップスとしての貪欲なモダンさと、キャッチーさやUKバンドらしいアンセム感とを丹念に磨いたのが、2年ぶりの6thアルバムだ。各曲、個にスポットを当て掘り下げ、その多様なドラマを大らかに抱き締めるようなサウンドのスケール感がある。Michael JacksonやTaylor Swift、THE WEEKENDなどの作品を手掛けるミキサー Serban Gheneaを迎え、彼らの持つ細やかな遊び心、そしてダイナミズムを盤に刻み込んだ。(吉羽 さおり)


Related DISC REVIEW

Kaiser Chiefs' Easy Eighth Album

20年を超えるキャリアを持ちつつ軽快に新しいサウンドにチャレンジするあたりにアフター・ブリットポップのバンドの中でもユニークな色を見てしまうこのバンド。約5年ぶりのアルバムはNile Rodgersと共作したオープナー「Feeling Alright」や「How 2 Dance」にバンドのオリジンと、Nileのファンキーなカッティングが同居して違和感なし。また、本作はSam Smith、Ed Sheeran、CHARLI XCXらを手掛けるAmir Amorがプロデューサーを務めており、「The Job Centre Shuffle」は初期のニュアンスとシンセ・サウンドの出会いが楽しいし、ディスコ・ファンクとディスコ・パンクの中間点っぽい「Sentimental Love Songs」、哀愁メロもキャッチーな「Noel Groove」もいい。いい意味で重鎮化しないUKロックのひとつのモデル。(石角 友香)


Stay Together

"Brit Awards"の常連であり、2012年のロンドン五輪の閉会式でプレイするなど、すっかりイギリスの国民的バンドとしての貫禄を身につけているKAISER CHIEFS。キャリアにあぐらをかくことなく常に先進的な音を追求し、ロック・ミュージックの野心と、ポップスとしての貪欲なモダンさと、キャッチーさやUKバンドらしいアンセム感とを丹念に磨いたのが、2年ぶりの6thアルバムだ。各曲、個にスポットを当て掘り下げ、その多様なドラマを大らかに抱き締めるようなサウンドのスケール感がある。Michael JacksonやTaylor Swift、THE WEEKENDなどの作品を手掛けるミキサー Serban Gheneaを迎え、彼らの持つ細やかな遊び心、そしてダイナミズムを盤に刻み込んだ。(吉羽 さおり)


Souvenir: The Singles 2004-2012

英国の国民的人気バンドKAISER CHIEFS初となるシングル・ベストが登場。04年のデビュー以降「Oh My God」、「Ruby」等、英国的なサウンドとキャッチーなメロディでアンセムそしてヒットを飛ばして来た彼ら。日本では若干他のバンドで埋もれがちな印象はあるものの、これまでのアルバムすべてがトップ10入りヒットするなど凄いバンドなのだ。改めて聴き返すと一曲の破壊力というかポップ・ポテンシャルに驚かされる。すぐ口ずさめそうなサビとフック満載でデビュー当時はポストBLURと言われたのも納得の完成度。シングル集なので1stの「Na Na Na Na Naa」が入ってないのは残念だが、今回収録された新曲も良くお得な一枚といっていいだろう。(遠藤 孝行)


The Future Is Medieval

"脱"国民的バンド、というヒネリからか?約3年のインターバルから突如として帰還した5人組は、英国伝統の歌心になにやら不穏な空気を纏っていた。それは単にダークとして片付けられない、独創的なサイケデリア。紛うことなく、これまでのイメージを覆すKAISER CHIEFSの新境地だ。通算4枚目の野心作『The Future Is Medieval』。エレクトロのダンス・ビートに力点を置いた前作での作りは後退し、オープニングのインスト(日本盤のみ)に象徴されるが、あらゆる音響のグラデーションから絶妙なニュアンスを模索するように、空間的な意匠を強く感じる。「Starts With Nothing」はまるでSPIRITUALIZEDが描く宇宙遊泳のような音響構築を拡げ、「Out Of Focus」ではMGMTへ回答するかのトリップ感が......この変化と勇気に、結果これまで以上に愛される存在となるであろう。(伊藤 洋輔)