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DISC REVIEW

Japanese

2016年07月号掲載

Recoil

ARTIFACT OF INSTANT

『Recoil』

Release Date : 2016-08-03
Label : THE EIGYO RECORD

当たり前だが、いくら音楽が好きだろうと四六時中、耳にイヤホンを挿しているわけにはいかないし、終演後にはライヴハウスを出なければならない。そのため瞬発的な快楽や上辺だけの一体感にはかえって虚しさを感じてしまうし、互いの何もかもを曝し合い、"この歌が終わったあと"も各自で闘っていくための勇気を得られるような音楽に強く惹かれる(というか、あなただってそうでしょ?)。このARTIFACT OF INSTANTはまさにそういうことをやってきたバンドだが、本作でいよいよその真価を発揮し始めたようだ。希望、憤り、やるせなさ、愛情。原色のままの感情は、あなたの胸に深く突き刺さることだろう。だから今、あなたの意志で彼らに出会ってほしいと心から思う。(蜂須賀 ちなみ)

宮崎を拠点に活動する男女混成4人組ギター・ロック・バンド、ARTIFACT OF INSTANTが1年ぶりにリリースする3枚目のミニ・アルバム。人間の闇を見据え、そこに溜まる膿をえぐるように楽曲を生み出す飯干達郎(Vo/Gt)の退廃的な世界観は、今作でさらに深みへと達した。殺伐としたコミュニケーション、生きることと同義の諦念。どこまでも広がる絶望の果てで光を見つけるまでの物語が『Recoil』というアルバムだ。虚無的な愛を綴るTrack.1「From Jacqueline」から、本当の意味で愛の尊さに気づくTrack.7「Dear Jacqueline」へ。人は人に傷つけられて、人の優しさに気づく、そんな矛盾に満ちた真理をアルバム・タイトルの"Recoil(=銃を撃つときに起こる"反動")"という言葉が端的に表している。奈良のMORGスタジオで6日間におよぶ合宿を行い完成させたという、研ぎ澄まされた音にも注目。 (秦 理絵)


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Recoil

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宮崎を拠点に活動する男女混成4人組ギター・ロック・バンド、ARTIFACT OF INSTANTが1年ぶりにリリースする3枚目のミニ・アルバム。人間の闇を見据え、そこに溜まる膿をえぐるように楽曲を生み出す飯干達郎(Vo/Gt)の退廃的な世界観は、今作でさらに深みへと達した。殺伐としたコミュニケーション、生きることと同義の諦念。どこまでも広がる絶望の果てで光を見つけるまでの物語が『Recoil』というアルバムだ。虚無的な愛を綴るTrack.1「From Jacqueline」から、本当の意味で愛の尊さに気づくTrack.7「Dear Jacqueline」へ。人は人に傷つけられて、人の優しさに気づく、そんな矛盾に満ちた真理をアルバム・タイトルの"Recoil(=銃を撃つときに起こる"反動")"という言葉が端的に表している。奈良のMORGスタジオで6日間におよぶ合宿を行い完成させたという、研ぎ澄まされた音にも注目。 (秦 理絵)


モラトリアム

宮崎出身の4人組、ARTIFACT OF INSTANTの1stミニ・アルバム。静と動を行き来する構築的なバンド・アンサンブルの上をまっすぐに流れるエモーショナルなメロディと歌は、おそらく実体験をもとにしたであろう"別れ"や"喪失感"、"後悔"、そしてその先にある"再生"と"旅立ち"をモチーフに、どこまでもパーソナルな心象を、その音の中に描き出す。サウンドも詞も、すべてがあまりに赤裸々で、どこか痛々しく、でも切実。まるで赤の他人のフォト・アルバムでも見せられているかのような気分になる、そのぐらい剥き出しの作品である。しかしだからこそ、"音"にすることでしか昇華できない想いというものが、この世界にあることを教えてくれる音楽でもある。デビュー当初のLOST IN TIMEを思い出した。(天野 史彬)



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