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DISC REVIEW

Japanese

2016年06月号掲載

yours

phyxmoment

『yours』

Release Date :

昨年末にリリースした初の全国流通盤『to surrender』で、自身のルーツであるグランジ、シューゲイザー、ポスト・ロックなどをポップで味つけした独自の音楽性を明示してみせたphyxmoment。半年ぶりの新作となる今回の2ndシングルには、"夜"をテーマにした3つの物語が収められている。空間系のイノセントなギターが疾走感のある楽曲を解放的なものへと導く「yours」に始まり、訥々と歌われる"落ちた"、"溺れたいな"といった暗い詞と全体を支配する不協和音に呑み込まれそうになる「night/fiction」、そして得意のシューゲイズ・サウンドが感情の昂ぶりとともにボリュームを上げていく「atmosphere」でフィナーレ。ここで描かれる夜は"不安"の象徴であるかのように、全編、閉鎖的で傷心的。でも、儚いほどに美しい。(松井 恵梨菜)


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Honey's Dead

"ねえルナ?"とひたすら語り掛ける「Honey's Dead」、"Annie/まばたきが終わるまで/此処にいて"と想いを募らせる「Annie」。それぞれ中心にひとつの愛しい存在を描いた空想的な2曲は、エフェクティヴなギターを主軸に作り上げるドリーミーなサウンドも相まって、聴き手をロマンチックな世界へと招待する、眩しい光に満ちている。前作『yours』ではバンドの影の部分を大胆に見せた彼らだっただけに、今作での揺るぎない輝きが一層際立っていた。さらに「Annie」ではオルタナティヴ・ロック・バンド Kill My 27のHITOMIをゲスト・ヴォーカルに迎え、透明度の高いコーラス・ワークで彩ることで、楽曲のピュアな響きを助長。そんななか、"Honey's Dead"というタイトルが物語るとおり、一抹の哀切が胸を締めつける愛しい1枚。(松井 恵梨菜)


yours

昨年末にリリースした初の全国流通盤『to surrender』で、自身のルーツであるグランジ、シューゲイザー、ポスト・ロックなどをポップで味つけした独自の音楽性を明示してみせたphyxmoment。半年ぶりの新作となる今回の2ndシングルには、"夜"をテーマにした3つの物語が収められている。空間系のイノセントなギターが疾走感のある楽曲を解放的なものへと導く「yours」に始まり、訥々と歌われる"落ちた"、"溺れたいな"といった暗い詞と全体を支配する不協和音に呑み込まれそうになる「night/fiction」、そして得意のシューゲイズ・サウンドが感情の昂ぶりとともにボリュームを上げていく「atmosphere」でフィナーレ。ここで描かれる夜は"不安"の象徴であるかのように、全編、閉鎖的で傷心的。でも、儚いほどに美しい。(松井 恵梨菜)


to surrender

大阪にて結成されたオルタナティヴ・ロック・バンドphyxmomentが、初の全国流通盤となる1stシングル『to surrender』をリリース。今作は、やわらかなアルペジオの中を漂う市川(Vo/Gt)の甘美な歌声が心地よいTrack.1「darkless」から始まり、メンバーのルーツでもあるオルタナ/グランジ色が濃く出た表題曲「to surrender」では、間奏部分でエフェクトの効いた轟音が洪水のように襲いくる。そしてTrack.3「rubysparks」では、淡い光にふわりと包まれるようなあたたかさとポップさを兼ね備えたサウンドでいなくなっ た"あなた"への思いを歌う。3曲それぞれが特徴的で、phyxmomentの持つ激しさと繊細さが見事に表現された名刺代わりの1枚だ。(増田 思織)