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Japanese

底なしの愛

アンテナ

『底なしの愛』

Release Date : 2016-02-17
Label : NKV RECORDS

もしもあなたの心の中に音楽にしか洗い流せない部分があるのならば、一度聴いてみて欲しい。私も実際そういう人間なんだけど、このバンドの音楽が自分の内側から離れてくれなくて困っている最中だからだ。言うならば、あたたかな痛みを残されたような感覚。困っていると言いながら正直嬉しかったりするんだけど。様々な形の"愛"をコンセプトにしたミニ・アルバム――とはいっても、そこにファンタジックな甘さはない。少々ひねくれた視点で人間の喜怒哀楽を捉える歌詞と、"正統派"を自ら掲げるサウンドはネガもポジも飾らずに鳴らす。自らの性格をそのまま落とし込んだ全7曲。ある意味残酷だがこの上なく人間臭くピュアな行為がどうしても憎めないし、それこそが彼らの等身大の魅力だ。(蜂須賀 ちなみ)


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あさやけ

配信シングル「未来を待てない」、「花空」を含むANTENAの3rdミニ・アルバム『あさやけ』。インスト曲を経てオープニングを飾るのは"東京はやばいんです"のフレーズが癖になる「Jibunmakase」。夜から朝になるように、アーバンなサウンドは時間経過とともに温かみを増し、アコースティック・ギターやピアノの音色、バンドの有機的なアンサンブルも表出。開けたところへと向かっていく。歌詞には自分自身や身近にいる人を大切に思う気持ちが表れており、昨年から続くコロナ禍における渡辺 諒(Vo/Gt)の心情が色濃く落とし込まれている印象。夏場ぼーっとしている瞬間からふと始まる考え事、無常観までを滑らかに描いた「みんみん」のさりげないすごさにも注目したい。(蜂須賀 ちなみ)


風吹く方へ

讃美歌のように神秘的な「光」で幕を開ける、ANTENAのメジャー1stフル・アルバム。渡辺 諒のファルセット・ヴォイスと、キーボードの浮遊感には、ふわふわとした心地よさがあるが、彼らが提唱しているコンセプトは"ライフソング"。つまり、私たちの生活やリアルを感じられる芯が貫かれているのだ。"酔っ払って寄っかかって 傾いた電車で"というフレーズを、これ以上ないほど美しく歌う「あなたが眠るまで」は、彼らならではだと思う。また、「ごきげんよう」や「入道雲」で、今の時代にかつてのシティ・ポップ感を真っ正面から鳴らしているところも興味深い。さらに、大人になる切なさを"ラララララ"と力強くシンガロングする「風吹く方へ」には、今の彼らの意志が表れていると思う。(高橋 美穂)


深い 深い 青

渡辺 諒(Vo/Gt/Key)の療養のため2018年4月より活動休止していたアンテナが、無事復活し、ミニ・アルバムをリリース。無理に希望を目指すでもなく、かといってやたら斜めに構えるわけでもなくフラットで素直な作品だ。平熱に近い楽曲たちを聴いて、休止期間中に彼らは有意義な時間を過ごすことができたのだろうと思った。まずそれが嬉しい。ビートの打ち方や洋邦のミックス感など、前作『モーンガータ』で見られた方向性も踏襲しつつ、コーラス・ワークなどに新たな要素を取り入れ、浮遊感と透明感のあるサウンドを実現。それがヴォーカルの声質、人生の光と影を見つめる歌詞の筆致にもよく合っている。新鮮さと恐ろしさを纏った冬の朝に散歩しながら聴くのがおすすめ。(蜂須賀 ちなみ)


モーンガータ

仙台の4ピース・バンド、アンテナがメジャー・デビュー。前作からバンド・サウンドにシンセサイザーを取り入れ始めたこと、そして本作ではBUMP OF CHICKENやTRICERATOPSなどを手掛けた木崎賢治氏をプロデューサーに迎えたことが影響し、サウンドは洋楽からの影響を吸収したテイストに変貌。それでも7曲すべてがアンテナの曲として響いているのは、自問自答に苦しむ人の姿を時間軸に沿って描く"夜"の物語と、"自分たちらしさ"を探し、紆余曲折の道を歩んできたこのバンドの歴史がピッタリと重なっているからだろう。回り道と思っていた日々だって、かけがえのない財産に変えることができる。身をもってそれを実感した彼らが、"似た者同士"なあなたへ贈る歌。(蜂須賀 ちなみ)


天国なんて全部嘘さ

Track.1「おはよう」、Track.4「ピザ取るから」など収録曲のタイトルを見ただけでも察せられるように、歌の内容はこれまでよりも生活に寄り添ったものに。さらにシンセ・サウンドを大胆に取り入れたTrack.5「天国なんて全部嘘さ」が象徴するように、4人で鳴らすサウンドの幅もグッと広がった。つまり、端的に言うと変化作。それでもむしろ"やっと出会えた"と感じてしまうのは、いい意味で欲深くなったというか、自分の人生にも相手の人生にももっと踏み込んでいきたいんだ、という彼らなりの覚悟が読み取れるからだ。波乱の1年を乗り越えた先で本作を作り上げたことに拍手を送りたい。ここからもっといいバンドになっていきそうだ。(蜂須賀 ちなみ)


底なしの愛

もしもあなたの心の中に音楽にしか洗い流せない部分があるのならば、一度聴いてみて欲しい。私も実際そういう人間なんだけど、このバンドの音楽が自分の内側から離れてくれなくて困っている最中だからだ。言うならば、あたたかな痛みを残されたような感覚。困っていると言いながら正直嬉しかったりするんだけど。様々な形の"愛"をコンセプトにしたミニ・アルバム――とはいっても、そこにファンタジックな甘さはない。少々ひねくれた視点で人間の喜怒哀楽を捉える歌詞と、"正統派"を自ら掲げるサウンドはネガもポジも飾らずに鳴らす。自らの性格をそのまま落とし込んだ全7曲。ある意味残酷だがこの上なく人間臭くピュアな行為がどうしても憎めないし、それこそが彼らの等身大の魅力だ。(蜂須賀 ちなみ)


バースデー

2010年に仙台で結成された4人組バンド、アンテナ。TOWER RECORDS限定でリリースされた1stミニ・アルバムが仙台店ウィークリー・ランキング1位を獲得したり、"ARABAKI ROCK FEST.12"ではメイン・ステージにも立った経験を持つ彼らが3年ぶりに新作をリリースする。渡辺諒(Gt/Vo)の甘い歌声で歌われるどこか懐かしいメロディは心地よく、親しみやすさに溢れている。流れる日常に思いを馳せるような優しい気持ちになれる「バースデー」、力強いビートが印象的な「サニーデイ」、これまでライヴでも披露されており、彼らのアンセムとも言えそうな「ブックメーカー」など、多彩な全6曲を収録。彼らの可能性を示す名刺代わりの1枚になることは間違いない。(齋藤 日穂)



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