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DISC REVIEW

Japanese

メケメケ

THEラブ人間

『メケメケ』

Release Date : 2016-02-03
Label : 喫茶恋愛至上主義

約3年ぶり、新メンバーを加え6人編成になってから初となる3rdフル・アルバム。一体感のあるコーラスで勢いよく飛び出すTrack.1「コント」からエンディング曲のTrack.10「花嫁の翼」まで、終始明るくキラキラしたアレンジが並んでいる。その音像がポップに感じるのは、ギター、キーボード、ヴァイオリンが絶妙に調和したアンサンブルと共に、金田康平(歌手)が全曲を通して持ち前の性質を活かしたナチュラルなヴォーカルを聴かせていることが大きい。柴田ゆう(sympathy)とのデュエット曲「こいのおわり」(Track.5)、まつきあゆむが参加した後期THE BEATLES調の打ち込み曲「ハレルヤ」(Track.6)といった初めての試みにもチャレンジしている意欲作。(岡本 貴之)


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夢路混戦記

結成10周年を精力的に駆け抜けてきたTHEラブ人間が、その総力を結集するように放つ、4年ぶりの待望のフル・アルバム。まさに、長く続けてきたからこそ歌える言葉、鳴らせる音が詰まった1枚だ。名曲「クリームソーダ」などに連なる"飲み物連作曲"「コーラフロート」。少し過去や近い未来? まで描いた「二十才のころ」や「いつかこどもがうまれたら」。そして「砂男」、「東京」の続編となる「砂男Ⅱ」、「東京の翌日」。シアトリカルと表現していいほど、楽曲の世界観に憑依した歌や演奏。それでいて、何気ない日常で耳にして涙がこぼれてしまうようなリアリティもある。「ズタボロの君へ」や「夢老い人」が象徴的だが、今の時代を踏ん張って生き続けるすべての人に響くはずだ。(高橋 美穂)


PAST MASTERS

現メンバーと元メンバーが勢揃いしたジャケット写真から、この11人で作ったバンドだという揺るぎない想いがひしと伝わってくる。今年1月に結成10周年という節目を迎えリリースされるキャリア初のベスト・アルバム。シングル曲や表題曲を時系列に並べるという制約の曲順でありながら、なめらかにドラマが展開していくのは、バンドのぶれない芯があってこそ。ひとりの人間の成長を克明に記している。締めくくりはライヴでも長く演奏されてきた新曲。優雅なヴァイオリンがシンボリックな風通しのいいサウンド、伸びやかなメロディも相まって、苦悩と野望を描いた歌詞の一語一句が艶やかに息づいている。10年という月日が導いた"きっとでっかい花が咲く"という言葉は、バンドの未来を切り拓くであろう。(沖 さやこ)


メケメケ

約3年ぶり、新メンバーを加え6人編成になってから初となる3rdフル・アルバム。一体感のあるコーラスで勢いよく飛び出すTrack.1「コント」からエンディング曲のTrack.10「花嫁の翼」まで、終始明るくキラキラしたアレンジが並んでいる。その音像がポップに感じるのは、ギター、キーボード、ヴァイオリンが絶妙に調和したアンサンブルと共に、金田康平(歌手)が全曲を通して持ち前の性質を活かしたナチュラルなヴォーカルを聴かせていることが大きい。柴田ゆう(sympathy)とのデュエット曲「こいのおわり」(Track.5)、まつきあゆむが参加した後期THE BEATLES調の打ち込み曲「ハレルヤ」(Track.6)といった初めての試みにもチャレンジしている意欲作。(岡本 貴之)


恋は全部まぼろし

前作の「FUSHIGI DANCE」然り、今のTHEラブ人間は、谷崎航大(Violin)が奏でるストリングスの流麗な響きを活かしながら、70年代フィリー・ソウル~サルソウル系ディスコが持っていた煌びやかで博愛に満ちたフィーリングを手なづけようとしている。本作ではTrack.1「クリームソーダ」がそれにあたる。だが、これは渋谷系的な引用ではない。バンドが常に表現し続けてきた"報われない、しかし押し殺すことなど到底できない愛"を具現化するためのエッセンスとして、このストリングスの響きはある。THE VERVEばりの壮大なロック・シンフォニー、Track.5「いつまでも愛し合ってばかり」もいい。肥大するバンドのエネルギーを感じる。普段、愛を囁き合う僕らは、しかし音楽のもとではそれを叫ぶことができる。THEラブ人間の音楽のもとでは特に、だ。(天野 史彬)


きっとずっと彼女は友達

恋する気持ちの第1段階=トキメキと切なさに満ちた「FUSHIGI DANCE」、ウエスタン調が新鮮な「今夜パーティーがないのなら、どこかに映画を観にいこう」。それらの軽快さに至るバンドの道のりを辿るように、フォーク直系の金田の歌が粋な「愛だけさ」、喪失を描く「春の嵐」と1st、2ndアルバムを匂わせる楽曲が並んだ。結成5周年。その中で重ねた挑戦。ラヴ・ソングを通して人間のあらゆる感情と向き合い続ける真摯さ。酸いも甘いもポップに昇華する強さ――6人体制初のミニ・アルバムというタイミングで、バンドの本質が浮き彫りになる作品に出会えたことが心から嬉しい。最後の最後、"やっぱ必要なのは愛だけじゃん"という結論も再出発宣言として燦々と輝く。(蜂須賀 ちなみ)


じゅんあい/幸せのゴミ箱

1年半ぶりとなる全国流通盤シングル。インディーに戻り、メンバー脱退もあり、正直、この1~2年ほどはキツい期間だったと思う。でも、そんな受難の季節を経て届けられたこのシングル、もう感情丸出しお尻丸出し、ラブ人間節丸出しのド直球なラヴ・ソング集で小躍りしてしまった。だって、タイトル「じゅんあい」だよ? 結局、"君のことが好きだ"と君に伝えるための歌を歌うこと。その裏にある愛、SEX、わがまま、嘘、後悔......その全てをひっくるめて歌うこと。それがラブ人間の道であり、金田康平の道なのだ。なんと普遍的なバンドだろう。「幸せのゴミ箱」も、カップリングの「愛、ただようまま」も、喜びと痛みが飛びきりポップなメロディに乗せて歌われる極上のラヴ・ソング。おかえり。この歌を待ってたよ。(天野 史彬)


SONGS

今作『SONGS』の詞の世界観はより"歌手"金田康平のパーソナルな世界を紡ぎ、前作『恋に似ている』で歌を支えていたバンド・サウンドは1音1音がTHEラブ人間のそれとわかるほどに高精細でハイブリッドなものに進化を遂げた。彼らのパブリック・イメージであったフォーク・サウンドは完全にアップデートされ、より洗練されたサウンドがTHEラブ人間という1つの塊となり、声も全ての楽器も必然を伴って鳴り響く。恋愛至上主義を謳い、"俺たち"の青春時代の代弁者だったTHEラブ人間はもういない。彼らは新しい"自分たち"の一歩を踏み出し、彼らが今作りえる最高のアルバムを残した。全10曲、"愛"とヒリヒリと焼け付く"命の輝き"の賛歌。(伊藤 啓太)


恋に似ている

2009年に結成し"恋愛至上主義"を掲げた21世紀型フォーク・ロック・バンド、THEラブ人間の3年間が詰まったフル・アルバムが完成。見て見ぬふりをする美学を純潔に歌い上げるだけの音楽に辟易している方々はこのアルバムを聴くべきだ。1曲目の壮大なロック・バラード「おとなになんかならなくていいのに」から、どの楽曲を切り取っても濃度の高い熱がほとばしり、「悪党になれたなら」のフォークを現代型のロック・アプローチの緻密なサウンド・メイクで彼らがメッセンジャーでは無く非常に感度の良いロック・バンドであることを示している。純度の高いフォーク・ソングの「八月生まれのきみの結婚式」、彼らの代表曲の一つであるシングルにもなった「大人と子供(初夏のテーマ)」から最後の一節がキモの「愛ってかなしいね」まで全てに、血と汗と涙と精液と人間の匂いがする傑作。(伊藤 啓太)


砂男/東京

09年に下北沢にて結成された音楽集団THEラブ人間の初の全国流通音源。枚数限定で発売された過去2作の音源は全て完売し、共に絶版。リリースの度に知名度を上げ、昨年末には、2 nd EP『大人と子供~17才と22才~』が最終増版として200枚限定で販売されるも、1日半という記録的な速さで完売――。これは、私たちがどれほど率直な“愛”に飢えているのかということの証明でもある。THEラブ人間とは、“恋愛至上主義”を掲げ、愛こそが人の根源であり、愛あればこそ僕らは生きていけるのだと信じ抜こうとし、最早愚直すぎて愛おしいとしか言いようのない愚か者共であるのだから。彼らが歌うのは、愛とは決して高尚なものでなく、なんてことない僕らの日常の中にあるものなのだという、くすぐったくて甘酸っぱい愛の賛歌だ。(島根 希実)


New Action! Compilation Vol.1

毎月最終月曜日に新宿MARZで開催されているロック・パーティ『New Action!』から放たれた今作はロックンロールもヒップホップもエレクトロも含んだ全15曲。東京カランコロン、THEラブ人間を始めこれから注目を集めるであろうアーティストの代表曲や新曲も収録されたお得な一枚だ。同時期に発売になった"freethrow"のコンピと同じくジャンルやレーベルではなくパーティーから生まれた事に意味があるのだろう。いち早く話題のバンドを楽しめる事もポイントだがアルバムとして聴いても流れがあってしっくりと聴き通せる。ロック・パーティーに行った時の発見や驚きをこのコンピからも見つけることが出来るはずだ。(遠藤 孝行)



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