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DISC REVIEW

Japanese

ココロココニ

惑星アブノーマル

『ココロココニ』

Release Date : 2015-07-22
Label : neon records

ままならない感情や女心をシアトリカルに表現するアレックスたねこと、たねこの激情を鍵盤で翻訳するテナ・オンディーヌによる、惑星アブノーマルの3作目のミニ・アルバムが完成した。前2作は言うなれば生々しいデッサンのようにソリッドで、移ろう心をプログレッシヴなピアノで表現されていたサウンドが、今作で猛烈にカラフルになり、多彩な色彩がうねるように躍動している。グッと湿度が上がるような感覚を味わい、歌謡性の高いメロディやポップな音の遊び心やリズム遊びもふんだんで、力強く聴き手を飲み込んでいく。ふたりの持つ高いポップ性やポテンシャルを引き出したのは、感性がマッチしたというアレンジャーの鈴木Daichi秀行。このバンドの毒やえぐみ、可愛らしさや美しさや狂気を内包した、物語性のある構築的なアレンジと歌はかつてなく濃厚だ。(吉羽 さおり)


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縦横無尽で自由自在な音楽を奏でる女性2人組ユニット、惑星アブノーマルによる新作は、すべての作詞作曲を手掛けるTANEKO(Vo)の変態的なワード&ソングライティング・センスが光る全12曲入りの1stフル・アルバム。1曲目の「怠惰」から疾走感のあるサウンドをベースに、スリリングなヴォーカルと、突飛だけれど心地いいコーラス("広東ソバ食べたいな"なんて普通は思いつかない!)で彼女たちの世界観を見せつける。続く「痴話喧嘩」ではダークな曲調にラップを乗せたかと思えば、エモーショナルなメロディや力強いがなり声も入りやみつきに。全体を通して奇天烈なサウンドに注目しがちだが、力強く歌いこなすハイトーンや、創造性に富んだキーボード・プレイなど、ふたりの確かなスキルにも着目したい1枚だ。(宮﨑 大樹)


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「LET IT DIE ~時をかける殺し屋~」では、ポップなSF感のあるシンセ・サウンドにシアトリカルなヴォーカルや、早口でまくしたてる歌が乗る。過激でパンチのある内容もユーモラスに響かせてしまうこの曲を筆頭に、全6曲+リミックス2曲ともにボリューム満点の4thミニ・アルバム。ラヴ・ソング一本勝負となった今作は、恋にのぼせた、ちょっと素っ頓狂な状況を描いている。過剰な甘さも、どこかかわいらしい。映画"(500)日のサマー"で主人公が突如踊り出すシーンのような、あのワクワクした気分が、極彩色のシンセやバンド・サウンドで表現された。前作『ココロココニ』で初めてタッグを組んだアレンジャーの鈴木Daichi秀行との作業も深化を遂げて、惑星アブノーマルの尖ったポップ感がより際立っている。(吉羽 さおり)


ココロココニ

ままならない感情や女心をシアトリカルに表現するアレックスたねこと、たねこの激情を鍵盤で翻訳するテナ・オンディーヌによる、惑星アブノーマルの3作目のミニ・アルバムが完成した。前2作は言うなれば生々しいデッサンのようにソリッドで、移ろう心をプログレッシヴなピアノで表現されていたサウンドが、今作で猛烈にカラフルになり、多彩な色彩がうねるように躍動している。グッと湿度が上がるような感覚を味わい、歌謡性の高いメロディやポップな音の遊び心やリズム遊びもふんだんで、力強く聴き手を飲み込んでいく。ふたりの持つ高いポップ性やポテンシャルを引き出したのは、感性がマッチしたというアレンジャーの鈴木Daichi秀行。このバンドの毒やえぐみ、可愛らしさや美しさや狂気を内包した、物語性のある構築的なアレンジと歌はかつてなく濃厚だ。(吉羽 さおり)


アナタソナタ

今年3月に『何でも無い凶器』で全国デビューをした女子2人組の2ndミニ・アルバムが早くもリリース。前作は倉橋ヨエコや初期の椎名林檎の影響が色濃く出た猟奇的でエキセントリックな作品だったが、今作はそのニュアンスを含ませつつポップに昇華した飛躍作だ。余裕の見えるサウンドはより彼女たちの心情を豊かに伝えてくれるし、アレックスたねこの歌もまっすぐ耳と心に飛び込んでくる。個人的におすすめしたいのはヴァイオリンを用いた「臆病者ラプソディー」。弦と鍵盤が織りなす繊細なサウンド・メイクと、息遣いまでも情熱的なたねこの歌声の見せる景色は、満開の桜吹雪のような果敢無さと美しさだ。フル・アルバム的なアプローチが光るトラック並びといい、彼女たちのポテンシャルを感じさせる。(沖 さやこ)


何でも無い凶器

平均年齢21歳の女子2人、アレックスたねこ(歌)とテナ・オンディーヌ(Syn/Key)のユニット“惑星アブノーマル”。乱暴に言えば、倉橋ヨエコと初期の椎名林檎が融合し、tricotとねごとに憑依してぐちゃぐちゃになって、はちゃめちゃに猟奇的になった感じのアバンギャルドでエキセントリックな音だ。1曲の中での展開も凄まじく、これでもかと様々な仕掛けを詰め込んでくる。それはきっと“面白い音楽を貪欲に求める”という、アブノーマルなユーモア・センスと探究心からくるものだろう。アレックスたねこのヴォーカルはそれを象徴するようで、遊び心たっぷりに聴き手の鼓膜へまとわりつく。アグレッシヴに攻め続けるが、ポップであることは忘れない。6曲全てが初期衝動そのものと言ってもいい。(沖 さやこ)



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