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DISC REVIEW

Overseas

2014年10月号掲載

V For Vaselines

THE VASELINES

『V For Vaselines』

Release Date : 2014-10-29
Label : ホステス

NIRVANAのKurt Cobainも愛したグラスゴー出身の男女デュオ、THE VASELINES。90年代に1度解散した彼らの、2008年の再結成後2作目となるフル・アルバム。何故、Kurtはこのデュオを愛したのか? その答えは、ピュアで、繊細で、下手っぴで、でも強い音楽愛に満ちたそのギター・ポップ・サウンドにすべて表れている。VASELINESはロックの"純潔"の象徴だった。衝動的に掻き鳴らされるギター、ラフでパンキッシュなサウンド、可愛らしいメロディ、柔らかなふたりの歌声―― そのすべてが、"俺を見ろ!"とのたまう男根主義的ロック・スターとも、ハリボテの煌びやかさを売りにする商業主義ポップスとも一線を画すものだった。本作でも、そんな彼らの本質は少しも変わらない。HomecomingsやJuvenile Juvenileあたりが好きな人は絶対に出会っておくこと。(天野 史彬)


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Sex With An X

NIRVANAのKurt Cobainが生前敬愛していたことでも有名な、08年に再結成したスコットランドのガレージ・ポップ・バンドTHE VASELINESが、2枚目にして実に21年振りのアルバムをリリースする。絶妙なズレを保つEugene KellyとFrances McKeeのツイン・ヴォーカルから際立つのは、良い意味での“脱力感”。いつの間にか催眠状態に陥りそうな、不思議な中毒性を持っている。ポップなメロディに反して曲タイトルはシニカルで、ギターは轟音。ありふれた日常を気負わず自然体で歌いながら、いい笑顔で屈託なく舌を出すようなスカした空気感が心地良い。「Ruined」は1曲目に相応しく勢いがあり、新たなスタートへの決意が漲っている。(沖 さやこ)



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