Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

DISC REVIEW

Japanese

2014年10月号掲載

君の嘘とタイトルロール

感傷ベクトル

『君の嘘とタイトルロール』

Release Date : 2014-10-08
Label : ビクターエンタテインメント

1stフル・アルバム『シアロア』から2年以上の時を経てリリースされる2ndフル。この期間、作詞作曲編曲すべてを担当する田口囁一は、漫画執筆を行いながらライヴやイベントにも積極的に参加するなど、これまで以上にハイブリッドな活動をしてきた。『シアロア』は漫画やムービーとリンクするなど明確なストーリー性が強いものだったが、今作は田口本人の感傷なのか、それともどこかの誰かのそれなのか、音と言葉で我々を感傷ベクトルという深い深い空間へと手を引く。人間の心の脆さや繊細さを投影したような不安定だが美しいメロディと、田口の消え入りそうな透明感のあるヴォーカルはより西洋の童話のように神秘的な佇まいを持ち、サウンドからは余分な力が抜けた印象。サポート・メンバー含め5人の呼吸が通う、人間味溢れる作品になった。(沖 さやこ)


Related DISC REVIEW

君の嘘とタイトルロール

1stフル・アルバム『シアロア』から2年以上の時を経てリリースされる2ndフル。この期間、作詞作曲編曲すべてを担当する田口囁一は、漫画執筆を行いながらライヴやイベントにも積極的に参加するなど、これまで以上にハイブリッドな活動をしてきた。『シアロア』は漫画やムービーとリンクするなど明確なストーリー性が強いものだったが、今作は田口本人の感傷なのか、それともどこかの誰かのそれなのか、音と言葉で我々を感傷ベクトルという深い深い空間へと手を引く。人間の心の脆さや繊細さを投影したような不安定だが美しいメロディと、田口の消え入りそうな透明感のあるヴォーカルはより西洋の童話のように神秘的な佇まいを持ち、サウンドからは余分な力が抜けた印象。サポート・メンバー含め5人の呼吸が通う、人間味溢れる作品になった。(沖 さやこ)


エンリルと13月の少年

5月から別冊少年マガジンにて新連載"フジキュー!!!"をスタートさせる漫画家、田口囁一(Vo/Gt/Pt/作画)と春川三咲(Ba/脚本)によるハイブリッド・ロック・バンド、感傷ベクトルの1stシングル。表題曲は2台のグランド・ピアノによる優雅で緊張感のあるリフと強攻でテクニカルなバンド・サウンドが交錯するロック・ナンバー。彼らの音楽は透明感のなかにどこかふつふつと湧き上がる怒りや悶々とした思いが佇んでいるが、「エンリル~」ではその気持ちを抱えつつ"遠くへ"と光を求め駆け出している。これは大きな変化だ。繊細なリズムを持つメロディと決意に満ちた歌詞、意義深いタイトル、各パートを効果的に響かせるアンサンブル、全てが堂々と響く。彼らは大きな光を掴んだのかもしれない。(沖 さやこ)