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DISC REVIEW

Overseas

2014年07月号掲載

Ultraviolence

Lana Del Rey

『Ultraviolence』

Release Date : 2014-06-18
Label : ユニバーサルインターナショナル

David Lynch作品にも通じるデカダンを打ち出して、ノスタルジーは美しいものという幻想を破壊した前作『BornTo Die』から2年、"ギャングスタ界のNancy Sinatra"を謳い(Nancy Sinatraの「Summer Wine」のカヴァーは秀逸!)、ショウビズ界の堕天使を演じるLana Del Reyがリリースした2作目のアルバム。その世界観こそ変わらないものの、サウンド的に前作のトリップ・ホップ路線を改め、ストリングスやピアノも使いながら生音を意識したことで、R&Bの要素をはじめ、彼女が作る悲劇的なバラードの芯にある魅力がより剥き出しになった印象だ。プロデュースはこのところ、プロデューサーとして立てつづけにいい仕事をしているTHE BLACK KEYSのDan Auerbach。彼の代表作になることは間違いない。(山口 智男)


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郷愁と憂いの時を誘う歌声、気だるそうに問わず語りするようなヴォーカルは、虚ろであり同時に甘美な空気を纏う。そんな歌は今作でも健在だ。グラミー賞の最優秀アルバムにノミネートされた前作『Norman fucking Rockwell!』から1年半ぶりで、前作同様Jack Antonoff(FUN. etc.)とのタッグで作り上げた。Taylor Swiftなど女性アーティストの作品を多く手掛け、それぞれの独自性を引き出しつつヒット作品に結びつける手腕は大きく、LANA DEL REYもまた信頼を置いているのだろう。生楽器で丁寧に作り込まれて、必要最小限という趣だけれども彼女のムード、紡ぎ出す言葉の余韻となってその曲を深く色づけている。クラシカルだが、随所で効いた音の遊びが彼女のポップ性とマッチしている。(吉羽 さおり)


Ultraviolence

David Lynch作品にも通じるデカダンを打ち出して、ノスタルジーは美しいものという幻想を破壊した前作『BornTo Die』から2年、"ギャングスタ界のNancy Sinatra"を謳い(Nancy Sinatraの「Summer Wine」のカヴァーは秀逸!)、ショウビズ界の堕天使を演じるLana Del Reyがリリースした2作目のアルバム。その世界観こそ変わらないものの、サウンド的に前作のトリップ・ホップ路線を改め、ストリングスやピアノも使いながら生音を意識したことで、R&Bの要素をはじめ、彼女が作る悲劇的なバラードの芯にある魅力がより剥き出しになった印象だ。プロデュースはこのところ、プロデューサーとして立てつづけにいい仕事をしているTHE BLACK KEYSのDan Auerbach。彼の代表作になることは間違いない。(山口 智男)