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DISC REVIEW

Overseas

2014年06月号掲載

Ghost Stories

COLDPLAY

『Ghost Stories』

Release Date : 2014-05-20
Label : Atlantic

私はこのアルバムを、あえてCOLDPLAYの"復活作"と呼びたい。Brian Enoをプロデューサーに迎えた前々作『美しき生命』と前作『Mylo Xyloto』で見せた、実験的な音作りとスケールのデカいポップネスを融合させたスタジアム・ロックも、もちろんCOLDPLAYにしか作り得ない世界ではあった。が、あの2作において、音の実験性――とりわけビートに対する探究心と、とにかく壮大さを求めていくドラマティックなメロディの過剰さは、本来のCOLDPLAY最大の魅力である、生活の片隅にこそ小さな幸せを見出すような繊細なロマンティシズムを、その音楽から消し去ってしまっていた。しかし本作にはそれがある。このアルバムを覆うのは、メロウで静謐な、まるで私たちの日々にそっと寄り添うかのような孤独で優しげな音世界。こんなCOLDPLAYが聴きたかった。(天野 史彬)


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Love In Tokyo

2015年発表の『A Head Full Of Dreams』を引っ提げ、世界各国で計122公演を行ったツアーから、2017年の東京ドーム公演を含む全14曲を収録したライヴ・アルバム。タイトルは日本のファンのためにリリースされた作品だからだが、ここには世界中のファンとバンドが育んできた愛が詰まっている。それを物語るのが全曲で聴こえるファンのシンガロングだ。バンドが煽っているわけでも、あからさまなシンガロング・パートがあるわけでもない。でも全曲で歌うんだから、それを愛と言わずしてなんと言う? バンドのアンサンブルはEDMやモダンなR&Bを昇華したものに変化したが、誰もが歌わずにいられない曲の良さという意味では、彼らの魅力はまさに不変。それが不動の人気の理由だ。(山口 智男)


Kaleidoscope EP

今年4月に開催された東京ドーム公演は完売。2000年以降、名実ともに最も成功したバンドとなったCOLDPLAYによる最新EPは、最近の実験的な試みを血肉化させた新曲のみを収録。初期の不穏な空気感も漂うTrack.1からはメンバー自身の人間的な成長を感じさせ、デトロイトのラッパー Big Seanを招いたTrack.2では爽やかな歌メロとスタイリッシュなフロウが絡み合い、トラック自体の自由度の高さを証明している。何より嬉しいのは、人気EDMデュオ THE CHAINSMOKERSとのコラボレート曲で、東京ドームでのライヴ音源を用いたTrack.4がオフィシャル作品としてパッケージされたことだろう。バンドというスタイルは維持しながらも。音楽性の解放を続ける彼らの深化に触れられる1枚。(小田 淳治)


Ghost Stories

私はこのアルバムを、あえてCOLDPLAYの"復活作"と呼びたい。Brian Enoをプロデューサーに迎えた前々作『美しき生命』と前作『Mylo Xyloto』で見せた、実験的な音作りとスケールのデカいポップネスを融合させたスタジアム・ロックも、もちろんCOLDPLAYにしか作り得ない世界ではあった。が、あの2作において、音の実験性――とりわけビートに対する探究心と、とにかく壮大さを求めていくドラマティックなメロディの過剰さは、本来のCOLDPLAY最大の魅力である、生活の片隅にこそ小さな幸せを見出すような繊細なロマンティシズムを、その音楽から消し去ってしまっていた。しかし本作にはそれがある。このアルバムを覆うのは、メロウで静謐な、まるで私たちの日々にそっと寄り添うかのような孤独で優しげな音世界。こんなCOLDPLAYが聴きたかった。(天野 史彬)



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2014.06.12 @TOKYO DOME CITY HALL