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DISC REVIEW

Japanese

僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ

モーモールルギャバン

『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』

Release Date : 2012-03-21
Label : ビクターエンタテインメント

J-POP界の異端児がロックに真っ向勝負! 型破りなパフォーマンスやポップネスで多くの人々を魅了し続けるモーモールルギャバンの1年振りの新作は、ロック・アティテュードとポップネスがぶつかり合う快作だ。バラードの中で“パンティー!”と叫んだりなど、どこか捉えどころがなかったこれまでの作品に比べ、今作はストレートな表現とサウンドにまず度肝を抜かれた。真剣に音と向き合い、これまでとは違う角度からリスナーと向き合った、ストイックに紡がれた真っ直ぐなハートが詰まっている。こう言うと綺麗にまとまったアルバムなのかと思われるかもしれないが、そこはこの3人組、いい意味での変態度やぶっ飛び具合も尖りを増しているのでご安心を(笑)。奇を衒ったギャップなどなくても彼らは人々を笑顔にさせる無敵のパワーを持っているのだ。(沖 さやこ)


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IMPERIAL BLUE

初のセルフ・プロデュース作品は、バンドの旨味を凝縮した非常に完成度の高い5曲入りミニ・アルバム。近年目立っていたおちゃらけ要素は控えめで、初期の名曲「悲しみは地下鉄で」に代表される繊細でセンチメンタルなメロディとコード感や、代表曲「ユキちゃん」などにある3人が作り出すリズムを生かした躍動的なアンサンブルなど、全曲に異なるカラーのポップ・センスが炸裂している。モーモールルギャバンの音楽が元来から持っていたときめきが現在の彼らによって発掘されたような、懐かしさと新しさを併せ持つ、まさに彼らのこれまでの歩みが作り出した楽曲たちと言っていいだろう。特に表題曲の文学的で切なくも凛とした言葉と美しいメロディ、シリアスながらにユーモラスなサウンドスケープの結実は素晴らしい。(沖 さやこ)


ヤンキーとKISS

前作『PIRATES of Dr.PANTY』に続き、ゲイリー・ビッチェ(Dr/Vo)のデモを生かしたアレンジが組まれた、約2年ぶりのフル・アルバム。前作以上にシンプルな音作りで、各プレイヤーの1音1音に対する入魂具合が感じられ、音源にも彼らのライヴのモードが反映されていると言っていい。"ザ・モーモーソング"とも言えるロック・ナンバーはもちろん、コメディ要素の強い楽曲からシリアスなもの、エモーショナルなものまで揃い、働き盛りで充実しているが未来への不安がないと言えば嘘になる――そんな30代の迷いをリアルに綴った言葉は、毎日を懸命に生きている人々の共感度も高めでは。ロマンチックでセンチメンタルなメロディには、我慢していた溜息を思わず零してしまうようなガス抜き効果もある。 (沖 さやこ)


PIRATES of Dr.PANTY

アニメーター"すしお"がアートワークを手掛ける、約1年ぶりの新作。ゲイリー・ビッチェ(Dr/Vo)の作ったデモに忠実に、且つこれまでのモーモールルギャバンらしさを損なわないサウンドをテーマに制作された。ゆえにロマンチックでセンチメンタルでありながらエモーショナルという、ゲイリーのキャラクターが前面に出た楽曲が揃っている。バラードもポップ・ソングもアグレッシヴな曲もシンプルな音像がメロディの良さを際立たせ、歌詞も過去最高にアート性が高い。それでいてモーモーらしいユーモラスなギミックも効いている、という、バンドの長所や個性を洗練させた楽曲群だ。結成10周年を迎えたバンドだからこそなせる業と説得力。モーモールルギャバンは唯一無二のロック/J-POPの域に達し始めている。(沖 さやこ)


シャンゼリゼ

この3人が集まって音を作って鳴らせば、すべてモーモールルギャバンになってしまうのだと思い知らされた。ライヴ活動休止を経て制作された3年3ヶ月ぶりのフル・アルバム、今までで最も自然体の音像だ。痛烈にセンチメンタルで圧倒的で、どの曲にも無意識のうちに拳を握りたくなる、感極まってしまう箇所がある。ライヴ活動を休止してまっすぐ制作に向き合ったことも影響してか、パワー・プレイというよりはひとつひとつのフレーズの彫が深く刻まれており、それが赤裸々なバンドの芯をそのまま表しているようだ。ゆえに懐かしくもあり新しくもあり、その混乱がとても刺激的である。ラスト・トラック「バイララ」のアウトロは過去最大級の爽快感。モーモールルギャバン、確固たる唯一無二の音像を掲げ再始動である。(沖 さやこ)


僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ

J-POP界の異端児がロックに真っ向勝負! 型破りなパフォーマンスやポップネスで多くの人々を魅了し続けるモーモールルギャバンの1年振りの新作は、ロック・アティテュードとポップネスがぶつかり合う快作だ。バラードの中で“パンティー!”と叫んだりなど、どこか捉えどころがなかったこれまでの作品に比べ、今作はストレートな表現とサウンドにまず度肝を抜かれた。真剣に音と向き合い、これまでとは違う角度からリスナーと向き合った、ストイックに紡がれた真っ直ぐなハートが詰まっている。こう言うと綺麗にまとまったアルバムなのかと思われるかもしれないが、そこはこの3人組、いい意味での変態度やぶっ飛び具合も尖りを増しているのでご安心を(笑)。奇を衒ったギャップなどなくても彼らは人々を笑顔にさせる無敵のパワーを持っているのだ。(沖 さやこ)


PINK and BLACK

メジャー1stフル・アルバム『BeVeci Calopueno』から約9ヶ月。モーモーから届けられたのはシングル+DVDの豪華盤だ。DVDは“出会いから現在に至るまでのモーモールルギャバンの軌跡の記録”をテーマにしたドキュメントリー作品。ロング・インタヴュー、全キャリアの代表曲を収録したライヴ映像など108分の大ヴォリュームで展開される。シングルには新曲「Good Bye Thank You」と絶盤音源の新録「俺、風呂入るTonight」の2曲を収録。両曲ともユコ・カティの鍵盤が切なく響き、ひとつひとつ言葉を呟くように歌うゲイリー・ビッチェのメロディが胸を締め付ける。ぽつんとひとりぼっちになってしまうような感覚。だが3人の奏でる音は朝日のように静かに強く輝いている。(沖 さやこ)


ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2011

アジカン企画&主催の夏フェス"NANO-MUGEN FES."も今回で9回目(ツアー形式だった「NANO-MUGEN CIRCUIT2010」を含めると10回目)。WEEZERやMANIC STREET PREACHERSをヘッドライナーに、BOOM BOOM SATELLITES、the HIATUS、若手注目バンドねごと、モーモールルギャバンなど、洋邦共に相変わらずの豪華ラインナップ。出演バンドの楽曲が1曲ずつ収録されているコンピレーション・アルバムは、今作で5作目。そして、今回収録されているアジカンの新曲は2曲。チャットモンチーの橋本絵莉子(Vo&Gt)を迎えた「All right part2」は、後藤と橋本の気だるい歌い方と熱が迸る歌詞のコントラストが鮮やかで、高揚感に溢れたギター・リフとメロディも力強く鳴り響く。ユーモラスなあいうえお作文、男性の言葉で歌う橋本の艶とレア感も思わずニヤついてしまう。東日本大震災時の東京を描いた「ひかり」は、人間の醜い部分や絶望感にも目を逸らさず、物語が淡々と綴られている。言葉をなぞる後藤の歌に込められた優しさと強さは、当時の東京を克明に呼び起こしてゆく。生きることが困難な時もあるだろう。だが"オーライ"と口ずさめば、ほんの少し救われる気がする。音楽の持つ力を信じたい――改めて強くそう思った。(沖 さやこ)



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