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DISC REVIEW

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KITSUNE MAISON COMPILATION 8

V.A.

『KITSUNE MAISON COMPILATION 8』

Release Date : 2009-11-18
Label : Pヴァイン・レコード

KITSUNE MAISON、この間7が出たばかりなのに、もう8がリリースですか。相変わらずのスピード感。それだけ、面白いインディ・バンドが多いということなのか、それとも流行のサイクルがさらに加速しているということなのか。今回も、TWO DOOR CINEMA CLUBやDELPHICといった今が旬のアーティストから、THE DRUMS、MEMORY TAPESを始めとした、これからのアーティストをコンパイルした充実の内容。ディスコ・ポップからエレクトロ、インディ・ロックまで、ヴァラエティの豊富さとコンピとしての統一感を両立させているところはさすがの仕事。今の潮流をしっかりと追い続けているからこそ・・・と、言うよりは先導しようとしているからこそと言うべきか。(佐々木 健治)


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Collections

デビュー作『Acolyte』で、既にエレクトロ・ロックの寵児というか、10年代ロックのど真ん中に躍り出た感のある彼ら。約3年ぶりの新作では、なんとも大人っぽく、さらにヴォーカル・オリエンテッドなバンドに変化した印象だ。ANIMAL COLLECTIVEやMASSIVE ATTACKを手がける複数のプロデューサーが関わっている遠因は、プリミティヴなビートやスケール感に伺えるが、彼らはもうダンス・ロックの狭義の枠にいないし、エレクトロは楽曲をさらにエモーショナルに届ける楽器のひとつでしかないんじゃないだろうか。どこかCOLDPLAYを想起させるピアノ・サウンドのTrack.3、ソウルフルといっても過言じゃないTrack.9や、RADIOHEADの不穏さとラップが遭遇したようなTrack.10など、独特でありつつキャッチーというある意味、現代の王道。これを大味ととるか成長ととるかは聽き手の嗜好次第。( 石角 友香)


Acolyte

「何事も無く過ぎていく今日」とリフレインされる2009年屈指のアンセム「Counterpoint」1曲で全世界の注目を集めたDELPHIC.。SUMMER SONIC09ではトップバッターながら沢山の観客を集め、11月に行われた来日公演も大盛況のうち幕を閉じた。みんなが首を長くして待っていたアルバムというのはまさにこの一枚の事だろう。90年代のダンス・ミュージックにマンチェスターの伝統から受け継ぐメランコリックなメロディ。この二つを掛け合わせただけなのにどこまでも新しい。「Counterpoint」に並ぶキラー・トラックも兼ね備えながら、アルバムは川の流れの様に統一感があり且つ美しい。2010年の始まりを告げる傑作。(遠藤 孝行)


KITSUNE MAISON COMPILATION 8

KITSUNE MAISON、この間7が出たばかりなのに、もう8がリリースですか。相変わらずのスピード感。それだけ、面白いインディ・バンドが多いということなのか、それとも流行のサイクルがさらに加速しているということなのか。今回も、TWO DOOR CINEMA CLUBやDELPHICといった今が旬のアーティストから、THE DRUMS、MEMORY TAPESを始めとした、これからのアーティストをコンパイルした充実の内容。ディスコ・ポップからエレクトロ、インディ・ロックまで、ヴァラエティの豊富さとコンピとしての統一感を両立させているところはさすがの仕事。今の潮流をしっかりと追い続けているからこそ・・・と、言うよりは先導しようとしているからこそと言うべきか。(佐々木 健治)


Grace/Confusion

デビュー以降、グローファイ/チルウェイヴの旗手として評価されてきたMEMORY TAPES。チルウェイヴがUSインディの一大潮流となった去年リリースされた『Player Piano』は、シーンの動きとも相まって、大きな話題になった。チルウェイヴというジャンル自体は今年に入り様々な形に細分化されていったが、このMEMORY TAPESも、本作で新たな顔を見せている。全6曲約40分と長尺曲が並んだ本作は、それぞれの楽曲で浮遊感漂うアンビエントや、ドラマチックなエレ・ポップ、躍動感のあるトライバル・ビートなど様々なエッセンスを盛り込み、音楽的に多彩な、実験性の高い仕上がり。しかし、そんな混沌としたサウンドを、流麗なメロディ・センスと構成力でむしろエンタメ性の高い作品へと昇華している点は、流石のひと言。 (天野 史彬)


Portamento

ブルックリン出身のインディー・ポップ・バンドの2nd。ギタリストの脱退や今作を作る過程で解散ギリギリのところまでいくなど色々と苦労したらしいが、逆にそんな様々な出来事が今作のエネルギー源になったようで、ピュアなポップさやサーフっぽさなど前作の雰囲気を残しつつも、シンセの音の広がりや妖艶でダークな雰囲気に変化と進化を感じられる意欲作になった。彼らの音楽は別世界に連れて行ってくれるようなものではなく日常を追体験しているようなタイプのものだ。その感覚は今作でも変わらないが、前作よりも内省的な歌詞に注目したい。特に“君がどこに向かって走っているのか分からないけど、僕はいつでもここにいる”と歌う最後の曲の歌詞は今のバンドの立ち位置を象徴しているように思える。(石塚 麻美)


The Drums

昨年末にリリースしたEP『Summertime』でリスナーもメディアも虜にし、そのただ1枚で注目を浴びたTHE DRUMS。デビュー前からNME誌の表紙に大抜擢されるなど、海外主要メディアが"今年最高の新人" とこぞって特集を組み、全米最大の音楽ショーケースSXSWでは、彼らを一目見ようと会場は超満員となったという。まさに"待望" の状態でリリースされる1stアルバムは、インディ・ポップ・バンドとインディ・ポップ・サウンドブームの中で、抜きんでたメロディ・センスが光っている。ローファイでありながら、胸高鳴り心弾ませるまさにギター・ポップ直系の切なくドラマティックな世界。先述の華やかな話題なんてなんのその、ピュアで美しくもポップに弾けたなめらかな歌は、そんなこと忘れて私たちを酔わせてくれる。(島根 希実)


Beacon

中毒性の高いメロと一言でダンス・ポップと片付けられないビザール感で、1stアルバム『Tourist History』を全世界で100万枚以上売り上げたTDCC、待望の2nd。プロデューサーにU2やBLOC PARTYを手がけたJacknife Leeを迎え、LAでレコーディングしたという外的要因は、アルバム後半に並ぶスケール感のある「Spring」「Pyramid」などに顕著。新鮮なところではTrack.1「Next Year」でのエレクトロ・ファンク、彼らが北アイルランド出身であることを思い起こさせる「Settle」あたりか。でもご安心を。いきなり大味になることなく、クセになるヴォーカルとそこに突っ込みを入れるようなセンス一発勝負のギターやシンセも健在。太く、しかもよく唄うようになったベースとともに一筋縄でいかないポップの強度を増している。(石角 友香)


Kitsune Maison 10-The Fireworks

名門Kitsuneの名盤コンピレーション『Kitsune Maison』シリーズ。その確かな選曲とウィットに富んだリミックスは他の追随を許さない。そして、なんと言っても、アーティスト集団でありながら、きちんと時代の風潮と自分たちの感性に折り合いをつける能力に魅力がある。アーティスティックな自分の趣向をリスナーの需要に合わせ、誰にでも門戸を開いた作品にするのは容易ではない。本作でも、いい意味で期待を裏切る構成で聴く者の耳を楽しませてくれる。TWO DOOR CINEMA CLUB「What You Know」も、ダンス・ロック全開のサウンドから、打ち込みに彩られ全く異なった様相を呈したサウンドへと再構築されている。現実を見据えることのできる稀有なアーティスト集団Kitsune。その羨むべき才能は、これからも楽曲の持つ未知の領域へ私たちを連れ出してくれることだろう。(山田 美央)


Tourist History

昨年12月に行われたBritish Anthemsでのライヴも好評を集めたTWO DOOR CINEMA CLUBがいよいよ1stアルバムをリリース。フランスの人気レーベルでもあるKitsuneが猛プッシュするこの3 ピースへの賞賛は、あのKanye Westがブログで紹介するなど後を絶たない。FRIENDLY FIRESのファンタスティックな部分を取り出してそこに疾走感溢れるバンド・サウンドを足したような感じと言ったら分かるだろうか。全曲3分前後で駆け抜ける今作の勢いはまさに今の彼らを象徴しているかのよう。ちなみにメンバー以外をシャットアウトし3人でのみ曲作りを行うとのこと。とにかくグット・メロディとトロピカル・サウンドが詰まった傑作。皆さん聴き逃し無く。(遠藤 孝行)



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