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COLUMN

夜の本気ダンス 米田貴紀の「ディスク男(マン)!」【第9回】

2017年07月号掲載

夜の本気ダンス 米田貴紀の「ディスク男(マン)!」【第9回】

KASABIAN / EMPIRE

UKはレスター出身のロックバンドが2006年にリリースした2ndアルバム。
1stアルバムに収録されたキラーチューン"Club Foot"により人気を獲得した彼らが、さらなる飛躍を目指した作品である。

KASABIANはゼロ年代にデビューしたUKバンドの中でも1番スタジアムが似合うロックバンドだと思います。圧倒的なスケール感と誰もがシンガロングできるメロディの人懐っこさ。この2つを兼ね備えたバンドってロック界では常に求められている存在ですよね。故にKASABIANは時代の流行り廃りとは関係の無い、タイムレスなバンドなのです。
では彼らは一辺倒な音楽性なのか?といいますと、そうでは無くて彼らは作品ごとに常に変化し続けてきたのです。
その変化の始まりがこの2ndアルバム"EMPIRE"です。
僕は1stアルバムからKASABIANを聴き始めたのですが、リアルタイムでCDを購入できたのは、この"EMPIRE"からでした。それだけにこのアルバムに対する思い入れも非常に強く、聴いてきた回数もこのアルバムが圧倒的に多いです。
衝撃的だったのは1曲目の表題曲"EMPIRE"。
兵隊の行進のようなリズムが印象的な1曲なのですが、1st時代の冷たさがそこには無くなっていて、曲に生の温かみが生まれていることに驚きました。最初はその変化に戸惑いましたが、何度も聴くうちに曲の中にポジティブな人間らしさを感じるようになりました。人間なら誰しもが高揚してしまうロックのポイントを彼らはこの作品でしっかりと捉えたのではないでしょうか。この人間らしさはその後の作品にもしっかりと残っています。

今年の5月に彼らの最新作"For Crying Out Loud"が発売されています。今回紹介した2ndアルバム"EMPIRE"と一緒にGETして聴き比べてみるのもありだと思いますよ!